JEDIMANの瞑想室

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第2章 死の行軍<2>


途端に、ジェイクにのし掛かっていたグールが体を震わせ、力を失った。
首に穴が空いている。
銃弾が脊髄を貫いたのだ。
「立て!」
銃を撃ったマイクが叫んだ。
「マイク!」
ジェイクはマイクを見て喘いだ。
「大丈夫なのか!?」
マイクの左肩と右脇腹には、矢が深く刺さっていた。
サバイバル用戦闘服を、血が染めている。
マイクが痛そうな顔をしながらも、必死に言った。
「急げ!」
「? なん―――」

ストッ

軽い音をたて、ジェイクの顔のすぐ側に矢が突き立った。
「うわわわわわわわわ!?」
ジェイクは慌て起き上がった。
近くの木に矢が刺さる。
マイクが舌打ちした。
「フィアが来る!急げ!」
ジェイクの脳裏に、ボウガンを構えた人間もどき達が浮かんだ。
ジェイクはマイクの言葉に急いで頷くと、卒倒していたティアを背中に乗せ、デイビットを捜した。
「デイビット?デイビッ―――」
その時、彼は気づいた。
グールに噛まれ、卒倒していたデイビットの胸に、矢が刺さっているのを。
「――――!」
ジェイクは愕然とし、デイビットを見つめた。
「そ、そんな…………」
そうつぶやきかけたジェイクの腕を、マイクがぐいっと引いた。
今までジェイクがいた場所を、矢が通り過ぎた。
「死にたいのか!?」
マイクが怒ったように言う。
気づけば、たくさんの矢が、木々をすり抜け、ジェイク達をかすめていた。
「島の北端の施設を目指すぞ!」
マイクがそう言って走り出す。
「くそ……………」
ジェイクはマイクの背中を追いながら、力無くつぶやいた。
「なんでだよっ!なんでこんなに仲間が死ななくちゃならないんだっ!………………」



「ちくしょう!」
ザーンはそう言うと、苦労して運んできた通信パッドを地面に投げつけた。
中の部品が壊れていたのだ。
大蛇との戦闘の際、壊れたらしい。
クロウはよろよろと近くの岩にもたれかかった。
「苦労して頂上まで来たのに、無駄足かよ………」
既に日はだいぶ傾いている。
「助けは呼べないのか?」
「…………ああ」
ザーンが答えた。
「長距離通信機はもう無い」
ザーンはそう言うと、頭を抱えた。
「死ぬしか無いんだよ!」
絶望が場を支配する。


………………どれだけの時がたっただろうか。
唐突に、アーサーが口を開いた。
「北の施設………」
「なんだ?」
クロウが顔をあげる。
「そうだ!あの実験観察施設!」
アーサーが希望に満ちた声で叫んだ。
「島の北端の施設!あそこなら、まだ通信機が生きているかもしれない!」
「…………確かにそうだな」
ザーンが顎を手で撫でながらつぶやいた。
「よし、クロウ、短距離通信機でベースに連絡しろ。衛星通信は不可能だった。北の施設で長距離通信機が無いか探索する、とな」
「了解」
クロウは頷くと、腰から小さな通信機を取り出し、ベースに置いてある通信機に繋いだ。
「こちらザーン・チーム。マイク・チーム、応答願う」
応答は、無かった。
雑音が虚しく聞こえるばかり。
「…………マイク・チーム?」
雑音。
「…………」
クロウはゆっくりと通信機を切り、つぶやいた。
「嘘だろ……………?」

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