8.クリスティーン


8.クリスティーン

クリスティーンは、クルマ。
クリスティーンは、生きている。
そして、クリスティーンは、呪われている・・・

キングは機械をモンスターに見立てるのが好きだ。
トラックとか圧搾機とか。
クリスティーンはプリマスフューリーという赤いレトロカー。
悪魔崇拝の男の悪霊が乗り移り、まわりの人間たちを地獄に陥れていく。
ジョン・カーペンターによって映画化されており、そのとき、ボコボコにこわされたクルマが生き物のように復活していくシーンが少々話のネタにはなった。ただ、キングのほとんどの作品映画化が「墜ちる」ように、この映画「クリスティーン」も原作の圧倒的な迫力にはほど遠く、カーペンターのアクも出ないまま終わってしまった。
この小説は傑作である。
特に、3部構成で、1部で主人公が怪我をし、入院している間の事件が2部なのだが、突然叙述が3人称に切り替わったときには、ぞくぞくした。
キャリーは映画こそ青春小説な雰囲気があったが、原作はそれほどでもなかった。この「クリスティーン」は一つの青春小説としても成り立つものである。
また、新潮文庫の表紙もしゃれている!


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