9.ペットセマタリー


9.ペットセマタリー(ネタバレあり!)

これに関してはどうまとめてよいか頭が回らず、かなりストーリーを詳しく書いてますので未読の人は読まない方が身のためです。どちらかというと、この作品は私のかなり好きな作品ですので、未読の人はなるべく作品を読んでいただきたいと思います。




最愛の息子が死んでしまったら、あなたならどうするだろう?。それもまだ年端もいかない3歳の子供が・・・

ある田舎に越してきた家族。丘の上の林の向こうには、アメリカ先住民の伝説の墓地があった。ペットセマタリー。飼い犬や飼い猫が死んでしまったら、そこに埋めれば生き返って来るという伝説があった。そして、ある日、街道で家族の猫がクルマにひかれてしまう。悲しむ娘に、隣に住む老人はペットセマタリーに埋めに行こうと誘う。そして、埋められた猫は帰ってくるのだった。
そんな不思議が起きるうち、3歳の息子がトラックにひかれて死ぬ。悲しみに沈む、家族。
父親は悩む。ペットセマタリーにもし息子を埋めれば?それはしてはいけない!老人は諭す。しかし父親は、その戒めにあらがうことはできなかった。墓から息子の死体を掘り起こしてペットセマタリーに埋めに行くのだった。
そして、男の子は帰ってくる。
最愛の父親の待つ我が家へ。
怪物となって・・・


ピータージェイコブスという人の短編「猿の手」はあまりにも有名である。これもねたばれさせていただく。

猿の手のミイラは3つの願いを叶えることができる。それを手に入れた老夫婦。
「お金をたくさん下さい」と願いを込めると、ある日息子の事故死の連絡が来る。そして、保険金が入ることになるのだった。
なんてことなの?じゃあ、息子を帰せといえば・・老人は猿の手に「息子を家に戻してくれ」と願うのだった。
そしてある嵐の夜、家のドアをどんどんとたたく音がする。「あなた、息子が帰ってきたわ!」そんなバカな!「でもあのノックの音は!」まさか、墓場から息子が帰ってきたというのか?「さ、ドアを開けましょう!」やめろ、腐った死体のままあいつは帰ってきてしまったんだ!夫の言うことを聞かず、玄関に向かって走り出す妻。あわてて夫は猿の手に願いをかける「息子を墓に帰してやってくれ!」
妻がドアを開けると、そこには無情な風が吹き付けるだけだった。

これを読んだ人は、いったいドアの外には何がいたんだろうと、永遠の謎にしばらくは思い悩むこととなる。
しかし、キングの「ペットセマタリー」は、ドアの外に何がいたかという、答えなのである。

(なお、ペットの墓場だからPet Cemeteryが正しいスペルである。しかし、題名はPet Semataryである。この秘密は、小説を読んでいただきたい)


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