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櫟野寺(らくやじ)
■御本尊 十一面観音菩薩
平安時代、最澄開基の天台宗寺院。
806年(大同元年)坂上田村麻呂が堂宇を建立したが、たびたび焼失し
当時のお堂は残っていないそうです。
しかし本尊をはじめ、多くの仏像は平安時代のものが残っているとか。
画像にもあるように、この本尊は「国宝」と石柱には書かれていますが
現在は重要文化財の指定を受けた、坐像としては日本最大級の十一面観音。
最澄が延暦寺の根本中堂を建立するための用材を求め甲賀郡杣庄を訪れた際、
霊夢を感じ、この地の櫟(いちい)の生木に彫刻したと伝えられています。
「らくやじ」と称されていますが、付近は同じ字で「いちいの」と呼ばれています。
油日神社とともに、白州正子氏の著書「かくれ里」の舞台となった寺。
さも知っていたかのように書きましたが、
氏の名前は油日神社のことを調べた時に見た資料が初見です。
思い出や思い入れがあったり、歴史的に興味がなければ
こういうお寺に参詣することはあまりありません。
はるばる甲賀まで行って油日神社だけではもったいないと思い、訪れたのです。
鎮守の杜や広い境内を持つわけではありませんが、
そこには気持ちのよい空間がありました。
鳥のさえずりと小川のせせらぎしか聞こえないのどかな里にある
高貴な人の別荘とその庭園といった風景。
本尊は33年に一度しか公開されない秘仏ですが
現在は毎年11月3日に公開されているそうです。
見えない十一面観音菩薩さまに
東北地方の復興と、人々に笑顔が戻ることを祈願しました。
しかし蝋燭代を払った途端に、個人的な祈願になってしまった私は
いかにもナサケナイ小市民なのであります。
本堂は鉄筋コンクリートのようでしたが、気品ある佇まいでした。
境内には立派な土俵があります。
毎年10月に奉納相撲が行われているのだそうですが、
坂上田村麻呂による相撲奉納が始まりだそうです。
宗教的な祈りの場、聖地というよりも
人々から愛される憩いの場といった雰囲気がありました。
蒼い空と、咲き誇る桜のせいでそう見えたのかも知れません。
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