2月15日(木)
俳句入門(抜粋:後藤)(157)
(作り方と上達法)
著者:嶋田洋一 昭和53年6月3日発行
第三章 現代生活と俳句(28)
2現代俳句の詠い方(21)
老人を詠う(1)
老人の日は老人の顔をせむ 中村春逸
九月十五日は「敬老の日」です。ふだんたいしたこともしないくせに、その日だけワーワー騒ぐ感じです。親切にしてくれるのは、有難いと思って、今日一日老人の顔をしている作者なのでしょう。痛烈な風刺の精神もあります。
としよりは餅食べそれを 嚥 み下す 山畑祿郎
たんたんとただありのままに詠んでいます。そこには虚勢も哀れみもありません。「としよりは」と老人全体のこととして詠っています。そこには、誤嚥も問題もあるかもしれません。
味噌つくる母一芸に老いにけり 佐々木 淳
昔から自家製のみそを作り、代々の主婦がそれを受け継いできているのです。
作者の母はことさらそれが上手で、任されているのでしょう。「一芸に」という言葉で、母のなみなみならぬ自慢の腕前が察せられます。
(つづく)
現代俳句(抜粋:後藤)(178) 川端茅… 2024.09.27
現代俳句(抜粋:後藤)(177) 川端茅… 2024.09.26
現代俳句(抜粋:後藤)(176) 川端茅… 2024.09.25