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カテゴリ: しごともしてます
Chieee さんに紹介してもらった、「CSRウォッチ」に初参加してみる。

どういういきさつでこれが始まったのかはよく知らないのだけど、
上智大学の岡田先生というかたが主催されていて、
「開発と企業のあり方」といったテーマでいろいろ研究活動を行っている・・・らしい。

今日はたまたまNIKEのアジア・太平洋地区における
CSR活動の責任者の方がいらっしゃる、ということなので飛び込みで行ってみた。

だって、ほら、プログラム見るだけで面白そう。

---

Ms. Aileen L. Diaz de Rivera
Strategic Initiative Manager, Asia Pacific
Corporate Responsibility Compliance
NIKE Inc.


<講演内容>

1990s and developed a highly effective system of administering
corporate social responsibility (CSR) activities. Ms. Aileen L. Diaz de Rivera,
being in the forefront of CSR activities in NIKE's Asia Pacific, will explain us
the most recent movements of its CSR activities as well as the past struggles
to overcome a difficult period.

<講師略歴>
Aileen L. Diaz de Rivera, an economics graduate from the University of Connecticut,
is a ten-year NIKE veteran. She began her NIKE career as the Human Resource
Manager for the Philippines liaison office. Since 1999, she has held multiple roles in
NIKE's Corporate Responsibility and Compliance Department, including the managing
roles of compliance, training, monitoring and worker development for Korea, Taiwan,

programs, embedded in human resource management and lean production, across
NIKE's suppliers exercised through its supply chain. Prior to NIKE, she worked in
the toy manufacturing industry.
---

英語だけど・・・ね。



PR系は僕しかいなかったけど、広告の方がいらしているようでした。

講師の方はコーポレートコミュニケーションの視点ではなく
「CSRは企業として当然のこと」というスタンスから入るので
ちょっとピュアすぎるかなあ、という気がしなくもない。

なんというのか、
CSR活動がビジネス活動にどういういい影響を与えるのか、
みたいなことはほとんどまったくといっていいほど言及されないのね。

そのスタンスだと
「どうやって乗り気でないひとたちの理解を得ていくか」というところで
難問に直面するんじゃないかと思うんだけどね・・・。


なので、僕の
「こうしたCSR活動がNIKEのPR的な惨劇(*)から立ち直るのに
 どういう貢献をしたかと考えているか?」

(*→ 1996年あたり、NIKEの契約するアジアの途上国の工場が、
 子供を劣悪な環境働かせ、搾取していたこと(スウェットショップ問題)が
 欧米をはじめとするメディアで大々的に取り上げられ、
 その結果、消費者運動家などからの大バッシングを受けたこと)

みたいな質問にはあまり歯切れのいい答えは得られず。
(PRじゃないのよ!こういった活動は誠実な気持ちでやらないとダメなのよ!的な感じ。)


同じく、どこかのメーカーのCSR担当をしている方から
「NIKEはCSR活動を通じて、取引先の工場に対していろんな条件を課していったわけだけど、
 それは取引先のコストになるわけで・・・。
 それってアジアの工場に負担を強いていることになるんじゃないの?」
みたいな質問があったのだけど、
講師の回答の要旨としては「いや、ともに高めていくという認識だ」であったり、
参加者からそれを補足するかのように(NGO関係者の方だっけな)
「それは確かにコストかもしれないけれども、
 総じて見れば労働環境に意識を払っているという点で
 ほかの会社とも生産契約がとりやすくなるという競合優位性を生み出し、
 工場としてもメリットがあるのだ」
といった、(わかるけど・・・なんだか納得しかねるなあ)的な意見がとびだす。

というわけで、終始、妙な違和感。

でも、この違和感が大事なんだよなー、というのは常々思うところ。

この「必要なんだからとやかくいわずにやらなきゃダメでしょ」のところと
「私企業ってのは利益を生み出してナンボの存在なんだからビジネスとしてのメリットを見せろ」の橋渡しができたとき、
CSR活動ってのは順調にまわっていくんだろうなー。

2月はお休みらしいので、3月に期待。





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最終更新日  2007.01.20 01:44:30
コメント(12) | コメントを書く


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逆らうのは難しいよね  
もりもり さん
> 「それは確かにコストかもしれないけれども、
>  総じて見れば労働環境に意識を払っているという点で
>  ほかの会社とも生産契約がとりやすくなるという競合優位性を生み出し、
>  工場としてもメリットがあるのだ」
> といった、(わかるけど・・・なんだか納得しかねるなあ)的な意見がとびだす。

資本を投下している側(あるいは単に買い手)の意見には、生産者側(あるいは単に労働者側)は基本的に反論できませんよねぇ。これはCSRとかいう以前の問題ではなく、単なる労働問題のレベルじゃないでしょうか。先進国対発展途上国という構図でもありますし、宗主国対植民地の構図もそうなのかもしれません。

現地の労働者はそんな高尚なこと考えていません。その日の労働をそこそこに終わらせて、そこそこの賃金をもらえれば、それでいいのです。

日本にいたときは「ふーん」と思うだけだったこういう話題に対しても、それなりに心響いてしまいます。 (2007.01.20 18:49:16)

バイリンガル。  
そうそう、企業の人たちとNGOの人たちって、基本的に別言語話してますよね。
企業側がNGO側の言語習得を図る可能性は薄いので、NGO側がいかに企業側の言語を学んで、バイリンガルになれるかが、今後のNGOの発展のキーとなりそうです。
それか、外部通訳者の出現?これも可能性がないわけではなさそう。
どちらにしても、バイリンガル、なりたいなー。

そしておもしろそうですね、CSRウォッチ。
(2007.01.20 22:20:10)

なんか。  
風流雅  さん
最近「英語でこういうことをやってます」っていうのを推してますよね。
羨ましいですぞ。妬みとかそんな感情です。
日本語なら参加してみたい内容ですけどねぇ。
(2007.01.21 01:59:38)

Re:逆らうのは難しいよね(01/19)  
もりもりさん
>資本を投下している側(あるいは単に買い手)の意見には、生産者側(あるいは単に労働者側)は基本的に反論できませんよねぇ。

そうそう!まさにそんなこと!

NIKEの講師のおねーさんは
「いかに発展途上国の労働者がNIKEのプログラムによって幸せになったか」
をいろんな素材を使って説明するんだけど、
やっぱり、それも一種のPRスタントの一部にしか見えないわけで・・・。

そしてそこで「No!」とはいえない立場の
弱い工場経営主の思惑なんか考えちゃったりしてね。
難しい問題ではありますが。


>日本にいたときは「ふーん」と思うだけだったこういう話題に対しても、それなりに心響いてしまいます。

これだけでも十分、海外で生活をした意味があるというものかもしれませんねー。
日本での「あたりまえ」の相対化というか、なんというか。

おっと、柄にもなく難しいことを書いてしまった。 (2007.01.21 02:40:13)

Re:バイリンガル。(01/19)  
ひとみっくすくすさん
>それか、外部通訳者の出現?これも可能性がないわけではなさそう。
>どちらにしても、バイリンガル、なりたいなー。

こういうことをひとみっくすくすさんは勉強してる・・・んでしたよね!?
この「バイリンガル」になるキーファクター、
今度、ぜひ、教えてくださーい!!

>そしておもしろそうですね、CSRウォッチ。

日本に帰ってこられたらご紹介しますよ。
とにかく刺激にはなりますから!!
ぜひに、ぜひに。 (2007.01.21 02:41:56)

Re:なんか。(01/19)  
風流雅さん
>最近「英語でこういうことをやってます」っていうのを推してますよね。

そんなこともないんですけどね・・・。
というのも、ほぼまいにち英語ライフですし。
つらいわー。

>日本語なら参加してみたい内容ですけどねぇ。

お、風流さんもこういうの興味ありましたか!?
さすが・・・(以下略)・・・! (2007.01.21 02:43:33)

Re[1]:逆らうのは難しいよね(01/19)  
もりもり さん
> NIKEの講師のおねーさんは
> 「いかに発展途上国の労働者がNIKEのプログラムに よって幸せになったか」
> をいろんな素材を使って説明するんだけど、
> やっぱり、それも一種のPRスタントの一部にしか見えないわけで・・・。

それを「なるほど、ふむふむ」って思って、それで納得してしまう一般大衆もいるってことなんですよね。

相手の主張を理解しようとすること自体は必要ですが「ふむふむ」の後に「でもさー」って思えるかってところが非常に重要な気がする。

ウソつきの制作会社にだまされて、納豆が売り切れてるようじゃ・・・、ちょっと先が長いかな(爆)。 (2007.01.25 01:23:35)

Re[2]:逆らうのは難しいよね(01/19)  
もりもりさん
>相手の主張を理解しようとすること自体は必要ですが「ふむふむ」の後に「でもさー」って思えるかってところが非常に重要な気がする。

>ウソつきの制作会社にだまされて、納豆が売り切れてるようじゃ・・・、ちょっと先が長いかな(爆)。

これってメディアリテラシーの話なんだけどさ、
僕は割と楽観的に、
「人々がメディアがどうつくられているかの
 裏側を知れば(たとえばお試しで実践してみれば)、
 もっと批判的にメディアを読み解く力がつくんじゃにないか」
と思っているんだけど、

「おまえの仕事(PR)はいってしまえば
 そーいうひとびとの『説得されやすさ』を利用して
 成り立っているようなもんなんだから、
 そーいうことをいうのは思い上がりだ」

と友人からいわれ(彼もまたメディアの作り手側)、
むむむ・・・と思ってしまいました。

まあ、さらに逆に言えば、
「ひとびとはそんなに簡単に説得されるわけではないから
 (説得のためには特別な知識と技能が必要とされるから)
 われわれみたいな仕事が成り立つ」ともいえるんだけどさ、

それでもおめでたくメディアリテラシーの実践!っていうのは
確かになにか違和感を感じるのは確かではあるよ。

(2007.01.25 08:16:04)

Re;  
Chieee さん
企業・NGO両方かじった身としては、NIKEの方の回答にも、NGOの方の回答にも、もっともだと頷いてしまうんですけどねー。今度ゆっくり解説させてください。とりあえずのフォローです。

NIKEの担当者が、観客のレベルをどこに設定していたかにもよりますが。。
欧米において、CSRはもはや企業としてのリスク管理の一部なので、担当者が日本ドメドメでない以上、「やって当然」文化のまま答えてしまうのはしょうがない面もあると思います。特にNIKEやスタバのように、いちど攻撃を受け・CSR改善策を施し・経営も社会認知も回復した実績がある企業は「批判を受け入れる余地がある=攻撃しがいのある」対象になってしまうのも事実で、公の場でのちょっとした発言で揚げ足を取られないためにも「こういった活動は誠実な気持ちで」のように教科書的な回答に終始しがちなのかなあと。

実際のところは、日本ではまだCSRという概念自体が発展途上ですが、海外・特にMNCsは当然その先(本業ビジネス&PRを含めた投資効果)を見ているところも多いはずです。純然たる慈善事業はありえないのでは。BOPなんかはまた別の流れですが、最近CSRとリンクされることも多いですね。ただ本音を言うとまた「搾取だ」と「スタンドプレイだ」と叩かれるので、途上国ビジネス戦略については別物、たとえば純然たるビジネスケーススタディとして出すこと傾向がある気がします。 (2007.01.25 14:21:38)

Re;  
Chieee さん
>工場としてもメリットがあるのだ
労働条件の遵守はたしかに工場経営者にとってはコストですが、インセンティブづけのためにもそれに見合った見返りはあるはずです。NIKEは工場主よりもさらに大きな額を地元での社会貢献に投下していると思います。
例えば中国においては、政府の手が回らないコミュニティ支援や福祉なども企業が肩代わりしている現状があり、特に政府とのコネクションがものをいう途上国においては、優遇を受けやすいという事情もあるようです。労働条件が曖昧なまま現地に乗り込む→アドボカシーNGO等からネガティブキャンペーンで攻撃される→撤退・規模縮小となった場合の甚大な損害額を考えれば、企業にとって「はした金」でできる労働者保護は、必要投資の一部なのでしょう。

>バイリンガル
特に日本においては、いまだにNGO対企業という対立軸で見られてしまうこと自体が、コラボレーションを難しくしてるように思うんですけどねえ。これは両者に言えることですが。
もちろん同じ言葉で話しているつもりでも、背景の違いを考慮して「伝わりやすい」言葉を選ばないといけない、という点は否定しませんが、相手をそれぞれの業界のプロとして尊重して、言葉の奥にあるものを汲み取ろうとする姿勢が相互に欠けているのも事実だと思います。実際、NGOの中にも企業経験者は増えてきているので、せめて異国語ではなく方言くらいのレベルでコミュニケーションできるとよいのですが。

長くなってすみません。
常夏のフィリピンより。 (2007.01.25 14:24:41)

Re:Re;(01/19)  
Chieeeさん
>企業・NGO両方かじった身としては、NIKEの方の回答にも、NGOの方の回答にも、もっともだと頷いてしまうんですけどねー。今度ゆっくり解説させてください。とりあえずのフォローです。

やややっ。勉強になります。本当に。

実はいま、CSRとCause Related Marketingは
まったく違う方面からクライアント案件として扱っていて、
その後いろいろ考えるところが出てきました。

特に、欧米の企業では
リスク管理の一部としてのCSRってあたり。
実際、証券会社や銀行がこのあたりのノウハウを提供してるんですよね。
おもしろいですよねー・・・。 (2007.01.25 23:44:33)

Re:Re;(01/19)  
Chieeeさん
>>工場としてもメリットがあるのだ
>労働条件が曖昧なまま現地に乗り込む→アドボカシーNGO等からネガティブキャンペーンで攻撃される→撤退・規模縮小となった場合の甚大な損害額を考えれば、企業にとって「はした金」でできる労働者保護は、必要投資の一部なのでしょう。

あ、これはそうですね。
安く工場をつくってぎりぎりなレベルで働かせることが
「経済学的に最も効率がいいのか」といわれれば
そうじゃないってのは経営管理のあたりからも答えがでてますしねー。

まあ、「どのレベルに合わせていくか」ってのは
割とそこからモンダイだったりはするんでしょうが。

>>バイリンガル
>特に日本においては、いまだにNGO対企業という対立軸で見られてしまうこと自体が、コラボレーションを難しくしてるように思うんですけどねえ。これは両者に言えることですが。

そうですねえ。
まあ、NGOからしてみればなんて理解のない企業が多いんだ!
になるでしょうし、
企業からしてみるとなんて現実感に乏しいNGOばかりなんだ!
ってことになっちゃうんでしょうかね・・・?
って、まあそういう二項対立の考え方にも
問題があるわけですけどね。

て、このあたり、考えてみると面白いですよね。 (2007.01.25 23:48:05)

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