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戦後史の転換点に
琉球新報
ダグラス・らミス 仲里 効 対談
露骨な植民地構造
仲里
普天間を通じて見えてきた問題は二つある。
一つは日本の戦後の枠組みをどうするのか、という問題だ。
本土メディアで米国を怒らせるという論調が主流を占める。
これは、戦後日本が米国に従属してきたことを内面化している端的な現われだ。
もう一つは、日本が構造的に沖縄を差別してきた問題が見えてきた。
沖縄は日米合作の軍事的植民地だといえる。
「日本返還」は沖縄が日米合作の共同管理体制となっただけで、構造的に今も何も変わっていないことは、在日米軍基地を沖縄に封印していく過程に現われている。
ラミス
平和日本のイメージを守るために基地を考えたくない場合、基地問題は沖縄問題だ。
沖縄という植民地に基地があり、わたし達は平和日本に住んでいるという意識だ。
日本の矛盾を、沖縄を利用して解決している。
これが日本の植民地主義の構造だ。

草の根運動が結実
仲里
日本は戦後、日本国憲法を抱きしめ、米国の傘の下で高度経済成長をとげた。
一方、コインの裏側のように沖縄と韓国があり、違う時間を生きてきた。
沖縄は日本のフレームから排除され、継続する戦争と継続する占領の中を生きてきた。
現在も構造的に変わっていない。
沖縄からの異議申し立ては、日本の戦後の前提を組み直していくところまで視野に入れないといけない。
普天間をめぐる問題は、特定の県のある場所へ移設することへ問題を矮小化することなく、二つの戦後を成立せしめた日米安保体制とは何か、というところまで議論を及ぼして行かなければならない。
そうしなければ、従属的な日米関係を脱することはできない。
ラミス
移設先が決まらないのは、鳩山首相のせいではない、辺野古の人たちが頑張ったからだ。
彼らが周囲の支援を受けながら、数年間も座り続けたことで、国際関係がゆれている。
米国と日本の両国の関係がおかしくなっている。
草の根レベルでこれほどの結果が出ているのはすごいことだと思う。
植民地を作るときに重要なのは、そこにいる人たちにキミたちは無力だと説得することだ。
辺野古の人たちはそれを跳ね返した。
仲里
座り込みをしている人たちを動かしている強力な根拠は、沖縄戦を体験したところから得られた、反戦や非戦の思想だ。
米国による占領体験も精神的な根拠になっている。
県内移設反対の運動が、これだけの広がりと深まりを見せている背景には、
95年以降、新基地建設と絡ませて投下された振興策が虚像でしかなかったという、アメとムチの政策の無力さをはっきり認識してきたこともある。
沖縄に自己決定権
仲里
復帰運動の同化主義は国家の論理に回収されるが、沖縄に立脚し、沖縄の来るべき主体を、沖縄の意志と選択で発明してゆくことに、沖縄は動き出している。
ラミス
植民地解放運動は、自己決定権があることを自分で意識することだ。
地域の話を政府が聞くか聞かないかは別の次元であり、地域で反対運動を続ければ基地は置けない、という状況は辺野古でつくれた。

沖縄の主張、日本超え展開
歴史的流れの中での位置づけ
仲里
米国を従属的に内面化した日本をも相対化するものだ。
自己決定権を樹立しながら、その先をどう見据えていくか。
沖縄の運動、主張をこれまでの枠組みを超えた形で、新たな地平を構築していくべきだ。
アジアの脱植民地・脱冷戦の流れに位置づけ、自己決定権の樹立から政治的な共同性を確立すべきではないかと思う。
沖縄の主張は、日本の国内問題の枠を超え、東アジア規模の問題になってくるだろう。
沖縄の矛盾を解決する構成力は何か。そこまでを、考えるべきだ。
「影響力」に自信持て
歴史つくり直す好機
ラミス
県民大会の意義は、すごい力だと自らが自信を持ち、その次に何をやるかを考えることが一番大切だ。

仲里
沖縄の実践は米の覇権のもとで、冷戦体制と植民地主義の記憶を忘却した日本の戦後を同時にあぶり出す内実をもっており、東アジアの視点から言えば、非常に重要だ。
階層や世代を超えて、沖縄の人たちが自己主張することは、歴史意識の潜勢力でもあり、大きな問題提起ともなりうる。