Was it a cat I saw?

□長崎旅行記


もう何度も訪れているが、飽きることがない。毎回何かしらの新しい発見がある。

鹿児島-長崎は遠い。交通の便がとても悪いからだ。
距離的には長いはずの福岡が新幹線を使って2時間台で着くのに、長崎へ行くにはたっぷり4時間かかってしまう。
昼過ぎに長崎在住の妹と合流するため早朝に出発する。
移動はひとり。気楽でいい。

二泊三日の今回の旅の目的は「長崎くんち」を見ることだ。

「長崎くんち」とは長崎市内の諏訪神社のお祭りで、市内の59の町が7年交替で「踊り町」を務め、色々な場所で踊りを奉納するというものらしい。(一言では説明し辛いので興味のある方は こちら をどうぞ)

各奉納場所ではマス席を購入して見ないといけないらしいので(あっという間に売り切れるらしい)、商店の前で踊り「お花」をいただくという、「庭先回り」を追いかけることにする。

今年の踊り町の一番人気は樺島町の「コッコデショ」というものなんだそうだ。
「子供が乗った山車を片手で放り上げて片手で受け止めるんだってば!」
妹が興奮して話すが、へぇ~~っていうくらいで、何のことだかわからない。

市街地に出てみると「くんち案内所」なるものが設置されており、黒山の人だかりになっている。ケーブルテレビがそれぞれの踊り町を追いかけ、現在地がモニターに表示されている。
なんてゲリラ的なお祭りなんだろう。
しかしモニターなんか見なくても、遠くからお囃子の音が聞こえ、人が一斉に動き出すから、割とすぐに踊り町には出会うことが出来る。
中国風の船を担いで鉦を打ち鳴らしながらぐるぐる回るものや、水兵さんの格好をした子供の鼓笛隊を乗せたもの、日本舞踊のような踊り。さすがちゃんぽん文化の長崎だ。
繁華街のアーケードを歩いていると、あっちこっちで「コッコデショは今どこにおるとかいな?」という声が聞こえる。やはり一番人気のようだ。
「今○○の方にいるらしい」という声が聞こえると人波が一斉に動く。
すごい。これはサバイバルゲームか?
これは何としても見なくては!

そして錯綜する情報を追いかけて、「コッコデショ」が通る道の最前列を陣取ることに成功した。
他の踊り町とは違った、低くて太い唸るような掛け声が近づいてくる。
ドキドキする。
山車が見えると、観客から歓声が上がる。老若男女関係なくみんないい場所で見ようと必死だ。
カラフルな山車に子供を四人乗せて、それを40人の男が担いでいる。

太鼓山 乗ってる子供


こっこでしょ担ぎ手


山車が前後に移動し、ちょうど私の前で止まった。
「飛ばせ!」の掛け声。男たちが足元を踏みしめる。
空気がピンと張る。二回、大きく右手を突き上げて、三回目に山車がふわりと宙に浮く。
子供たちは空中で踊りを決め、落ちてきた山車を男たちが片手でがっしりと受け止める。

拍手と大歓声。
「ヨイヤー!」の掛け声。
すごい、すごい!!!鳥肌がぶわっと立った。
百聞は一見にしかず。一瞬でおくんちに夢中になる長崎人の気持ちがわかった。


☆  ☆  ☆

二日目は妹に用事があり相手をしてもらえないので、学生時代の友人を福岡から呼びつけた。
一年ぶりの再会だ。
お年頃の二人なので積もる話はあったが、なにはともあれ今日もおくんちの追っかけだ。
友人も初おくんち。同じ九州にいても他県のお祭りって案外しらないものだ。付け焼刃の知識でおくんちの説明をして差し上げる。
しかし、時間が合わなかったのでとりあえずグラバー邸や中華街を見て回った。
昼食を中華街で食べて(ちゃんぽんおいしかった)、眼鏡橋まで腹ごなしにあるく。
そしてここで人ごみに出会った。
よかった!今日も出会えた。コッコデショ。
ずいぶん待ったが、なんと眼鏡橋の上で山車を飛ばす大技を見ることが出来た。
友人もすっかり嵌ったご様子。しめしめ。
眼鏡橋の上で


☆  ☆  ☆

三日目。帰路につく日だ。
昼の列車に乗るまで時間がぽっかり空いたので(またもや妹に相手をしてもらえなかった)、寺町通りを散歩することにした。
その名のとおり、お寺だらけの古い通りだ。
そしてここには「龍馬通り」があり、それを上ると「亀山社中」跡がある。
亀山社中は、言わずと知れた坂本龍馬が作った日本最初の商社だ。
なんとその建物がそのまま残っている。
急な細い階段を10分ほど上ったところにそれはある。
時間が少し早かったので管理人さんが鍵を空けに来るまで「龍馬のぶーつの像」の場所から長崎の街を見た。つくづく面白いところだ。
やがて管理人さんがやってきた。その日最初のお客さんになる。
昭和まで人が生活していたというその建物は、本当に普通の古い小さな民家だ。
中に入ると幕末から明治に掛けて撮影された、たくさんの写真が展示してある。大河ドラマ「新選組!」の役者さんと実物のギャップが面白い。
そうか。日本最初の商業写真家・上野彦馬も長崎なのか。
あの有名な右手を懐に入れた坂本龍馬の等身大の写真や、銃や日本刀のレプリカがあって、管理人さんから「銃を持った写真撮ってあげるよ」と言われたがちょっと恥ずかしかったのでやめておいた。
龍馬がよく寄りかかって居眠りをしたという柱がそのまま残っていて、みんなが撫でていくからピカピカ光ってるんだよ、と管理人さんが話してくれた。もちろん私も撫でてきた。
司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んで、「竜馬みたいな生き方がしたい!」と思った若かりし日をふと思い出した。


☆  ☆  ☆
買ったお土産
● からすみ(おくんちセールで激安だった)
● おたくさ(うなぎパイに似た味のお菓子)
● ちゃんぽん
● 変な中国のおもちゃ色々
● ラッキーチェリー豆・うに豆(激うま。長崎以外で見たこと無い)
● よりより(中華菓子。うまい)

気が付けば、ほとんど自分用だった。
楽しい旅行だった。

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