「女形」は、「おんながた」又は「おやま」と読む。
なぜこんな事を言っているのかというと、私はそれまで「おやま」と読むのが正解で「おんながた」は間違いだと思っていたからだ。
ではなぜそう思っていたか?
チョット若い頃の思い出にお付き合いを。
貧乏学生だった頃、昼食は大抵学食を利用していた。安くて利用しやすいし、当時の一般的な学生は大抵利用していたものだ。
その中のカレー販売の窓口に、40代と思わしきオバチャン(だったと思います)がいて、私と顔を合わすと「あんたおやまやりなさいよ!」と声を掛けてきた。
それも一度や2度ではない。顔を合わすたびにこう言われ続け「おやま」ってナンダと思い始めて調べてみたら、歌舞伎で男性が女性の役柄を演じる人の事だ分かり、ナンデ俺がと思ったモノ。
当時は痩せてて、はやりの長髪にパーマを掛けていたからそんな風に見えたのかな。また坂東玉三郎が「女形」として人気になり、メディアに登場する機会が増えた時期でもあった。
そのオバチャンは「おやまやったらイイ役者になるのにもったいない」とまで言い出していたが、カレーを大盛りにしてくれるわけでもなく、肉を余計に盛りつけるワケでもなかった。この辺は残念。(若い頃の思い出話です)
そして最近。
テレビのアナウンサーやコメンティーターが「女形」を「おんながた」と普通に読んだり、呼ぶ光景が頻繁に見られ、そのたびに心の中でそれは「おやま」と読むんだと叫んでいた。
しかし、その頻度があまりに多いので、もしかしたらと思い再度調べてみたら冒頭の通りどちらでも読めることが判明した。
ただし、それぞれ使い方に意味があり、使い分けしているようだ。
「女形」は「おんながた」と読み (元々は女方と書いていたそうです)
「立女形」「若女形」は「たておやま」「わかおやま」と読む。
そして、「おやま」という呼び名は遊女に繋がることから歌舞伎の世界ではあまり使いたくないようなことだった。