剣士汁でまくりやねん。

剣士汁でまくりやねん。

<16.終わりに>


辞めた。

不思議と、心が落ち着いている。

私はカウンセラーになりたいと思い、大学受験に向けて勉強を頑張っていた。

オカアサンから後で聞かされたが、私は統合失調症という病気らしい。幻覚、妄
想、幻聴など様々な症状を引き起こす。
毎日薬を飲み続け、私の症状はしだいに収まっていったが、まだ完治はしていな
い。

周りの人の協力無しで、一人じゃ決して治す事ができない病気だと医者に言われ
た。


お母さんが助けてくれたの。
私を産まなければ良かったと言っていたオカアサンが。

私は嬉しくて涙がでた。

お母さんは、勉強の合間に夜食を作ってくれるようになった。前のように男を家
にあげたりしなくなった。親子関係を築くのに必死なお母さんを見ると、なん
だか安心する。

私は、息抜きにゲームにインしていた。

ギルドホールに行き、ユナと会話をする。

「アヤカ学生になるの~!テスト超多くて大変だよねーやんなっちゃう。」

「大学受かったらの話だけどね!」

以前とは違い、リアル(現実)の話も自分からできるようになっていた。

「アヤカ、頑張れよ!俺も廃人やめて、仕事探すかな~」

近くにいた、たかちゃんがのんきに言う。

そこにシュンが、たかちゃんは一生ニートだろと釘を刺す。
私は笑ってしまった。
そこへ、ドタドタと走ってヒロがやってきた。

「おっしゃ~アヤカ!狩り行こうぜ!!」

ヒロはギルドホール立ち入り禁止令が解けて、戻ってきていた。
以前のようにギルドが活気を取り戻していた。
近くのイスで大人しく本を読んでいたエデンが、うざっと呟いた。
エデンの横で、いつものように分厚い魔法書を読んでいたクロノスは、
急に立ち上がると

「よし!今日は皆で狩りするか!!」

と言い、最近覚えたのであろう、テレポートの術を詠んだ。

「うわっ!」

すると、黒い大きな闇が私達を飲み込み、別の場所へと移動させた。


この世界なら、私は息ができる。
ユナ、クロノス、ヒロ、たかちゃん、シュン、エデン、
そしてアーク。
私には沢山の仲間がいる。

だからもう、こわくないよ。

この世界がどれだけ温かいか。

ここは私の居場所。

これからも、ずっと。

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