運命の人に・・・


 あったその日から、意気投合した。

 出会いは合コン。遊び半分で行ったの。
 だって、相手はパイロットの卵達だっていうじゃない。
 とっても興味があったわ。どんな人たちなのか。

  5人の男性の中にいた、大人の雰囲気の彼。
 なんだかとても気になってしまった。
 話を聞いているうちに、実は彼だけちょっと先輩だっていう事が判った。
 だからだったのかな?大人っぽく見えたのは。

 でもね、話し出したら面白くて。
 関西弁ってとても気さくな雰囲気を作り出すのね。
 生まれて初めて出会った、関西出身の男性。
 共通の話題があったから、とても盛り上がった。
 それに、笑いにかけての情熱はすごかった。
 アメリカで買い付けたという、被り物を持参してて、カラオケの時にいきなり披露するのよ。
 あんなに面白い合コンは初めてだったな。

 その日、彼に送ってもらうことになったわ。
 そして、すぐに付き合い始めた。

 彼はやっぱり大人だった。
  卵だとはいえ、もう社会人だったし、彼の話はとても面白かったし。
 私の話も、真剣に聞いてくれた。
 仕事の愚痴も、悩みも何でも。
 彼といると、向上心ってものが出てくるの。不思議だった。

 時はあっという間に過ぎていった。
 彼はアメリカに行くことが決まっていた。
 パイロットの研修はこの日本では限界があるの。
 だから、アメリカじゃないと駄目なんだって。

  私は悲しかった。彼と離ればなれになるのが。
 まだ卵の彼に、ついて行く事はできない。
 彼は2年経ったら迎えに行くからって言った。
 それに手紙を書くって言ってくれた。
 離れていても、心はいつも君のそばにいるからって。

 彼が飛び立ってゆく日、私は見送りにいけなかった。
 仕事をどうしても抜けられなかったし、旅立つ彼を見送る勇気がなかったし。

  手紙は少しきた。
 でも、実際の距離以上に、心の距離は広がっていった。
 仕事で、研修で、訓練で忙しいであろう彼を理解することは出来なかった。

  私は彼に、さよならの手紙を書いた。
 あなたの夢を叶えてくださいって。
 私はあなたの人生の一部にはなれませんでした。ごめんなさい。

  彼は立派なパイロットになっただろうか?
 私なんかより、ずっと美人で、聡明な女性と一緒にいるのだろうか?
 でも、飛行機事故があると、ついつい彼の名前を探してしまう。今でも。



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