貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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アジアの星一番Ver4

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2020.11.09
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カテゴリ: 作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。そして1年が過ぎた。



写真はネットより借用
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「ありがとう。6時頃には帰れると思う。」
「分かった。それまでに、準備しておくから。」
悠介は、由樹枝に送られてアパートを出た。悠介の心のように晴れ晴れした青空が天空に広がっていた。

由樹枝は悠介を送ってから、食器を洗い、部屋の掃除も行った。綺麗になっているので、さほど時間がかからなかった。食材は昨日買ってある。不足はないと思われるが、何を作るかによって、買物もしなければならないかも知れない。由樹枝は多少、母親を手伝って料理を作った事はあるが、それほど得意ではない。しかし、悠介に食べさせる料理を作ると思うと張り切った気持ちになる。
部屋の片づけが終わったあと、本屋さんへ出かけた。料理の本を買う為である。悠介もそうだが、由樹枝も分からない事があれば本に頼るのである。



料理の本を見ながら、白菜とキューりの漬物を作る事にした。塩揉みすれば、すぐに食べられるようである。それから豚肉野菜炒めも作る事にした。魚も買ってあるが、それは明日にする事にしたのである。白菜ときゅうりの塩揉みだけ行って、不足の豆腐を買いに外出する事にした。桜が咲き始めている。この調子だと、悠介と東京見物する頃には、サクラは満開になりそうである。青空が広がり爽やかな風も吹いている。清々しい気持ちでの散歩である。

昨年は、受験の事で頭が一杯であった。どこを受験するかも頭を悩ませていた。それが今は、不安は一切ない。希望だけがある。大学生活も楽しみたい。受験で中止していたバドミントンも大学に入ったら再開したい。悠介に会いに来るのも楽しみである。毎週でも来たいがそう言う訳にも行かないだろう。昨夜と今朝、抱きしめられた肩が少し痛い。甘い痛みを感じながら歩いている。

バイトに出た悠介は、1日が長いと感じられた。帰れば由樹枝が部屋で待っている。それを想うと心が浮き浮きするのであった。いつもに増して、作業は慎重に行った。浮き浮きして事故でも起こしたり、間違えて施工しては後の祭りである。その程度の冷静さは悠介も持っていた。
「いやに、にこにこしているな? 良い事でもあったか?」
バイトを始めて以来、ずっと一緒に仕事をしている、いわば上司の吉武に言われた。昼食を食べながらである。
「ええ、まぁ。」
悠介は、笑みを堪えて、曖昧に答えた。彼女が来ているのですよ、と言いたい気持ちを抑えていた。

ようやく、夕方、仕事が終わった。長い1日であったが、待ちに待った帰宅時間である。吉武の運転で、事務所に戻った。小柳社長がいた。
「寺本よ、彼女が来ているらしいな?」
「え? どうして知っているのですか?」
「事務所では、その話で持ち切りだよ。綺麗な彼女らしいな。」

「早く帰りな、待っているのだろう?」
「はい、すいません、帰らせて貰います。」
「あ、これで、彼女と何か食べてくれ。」
小柳社長から封筒を渡された。悠介と彼女を食事にでも招待したいが、窮屈だろうから、食事の代わりにあげるとの事である。悠介は貰うのは辞退したが、何度かやり取りがあり、有難く頂いたのである。親身な社長である。

「ただ今!」

由樹枝がドアを開けて悠介を迎えた。部屋から良い匂いがして来る。食事の用意は出来ているようである。
「ね、お風呂に入るでしょう?」
「そうだね、作業で汗かいたから、風呂に入るよ。」
「その間に、出たらすぐ食べられるように料理を作っておくからね。それから洗い物は、籠に入れて置いて。」
由樹枝はすっかり主婦気分である。マーボー豆腐は既に作ってある。温めなおす必要もないほど、出来上がったばかりだ。豚肉野菜炒めは、炒めれば良いように準備完了である。充実した気分の由樹枝であった。

「あ~ぁ、さっぱりした。気持ち良いよ。」

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Last updated  2020.11.09 13:35:38
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