治療


 でしょう。
治療方法は、患者さんによって様々です。
全ての患者さんに有効な治療薬もありません。
ある患者さんに効いた
 薬が、他の患者さんでは効果がない場合もあります。

治療には、内服薬による治療(場合によっては何種類か併用します)、
 膀胱内注入療法、水圧拡張、電気刺激法、外科的治療があります。

 1) 内服薬

 [抗ヒスタミン薬]
  肥満細胞からのヒスタミン遊離が間質性膀胱炎の症状に関与しているとの仮説から使用されています。

 [抗うつ薬]
  三環系抗うつ薬もヒスタミン遊離を抑制するため、痛みを抑える目的で使用されています。また、膀胱をリラックスさせる
  作用もあるので、尿意切迫感や頻尿の軽減が期待出来ます。

 [鎮痙薬、抗コリン薬]
  膀胱の筋肉を柔軟にする作用があるため、使用されています。

 [Th2サイトカイン阻害薬]
  気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の治療薬として発売されていますが、その作用(Th2細胞からのIL-4、
  IL-5の 産生阻害、IgEの産生、好酸球性炎症抑制作用等)から使用されている(臨床試験中)。


 [鎮痛薬]
  NSAIDS(非ステロイド性消炎鎮痛薬)は、痛み止めとして使用されています。

 2)膀胱内注入療法

 膀胱内に薬剤を注入し、直接膀胱壁に薬剤を作用させる療法です。くすりを内服するよりも膀胱に直接高濃度の薬剤を
 作用させることが出来、また短時間膀胱内に注入することにより、全身性の副作用を防止できることが利点です。

 [DMSO]
 DMSO(ジメチルスルフォキシド)は、抗炎症作用、鎮痛作用、筋弛緩作用(膀胱筋肉を柔らげる作用)があるため
 使用されています。単独で使用することもあるが、ステロイドやヘパリンと混ぜて使用されることもあります。

 [ヘパリン]
 ヘパリンは血液凝固阻止剤として使用されていますが、膀胱壁粘膜の非特異的防御機構であるGAG(Glycosaminoglycan)
 層に作用し、欠損や変性を補う作用があります。しかし効果発現には通常2~3ケ月かかります。

 3)水圧拡張

 水圧拡張は間質性膀胱炎の診断とともに、治療にも有効な療法です。麻酔下に膀胱内に挿入したバルーンを膨らませ、
 膀胱を広げる方法です。萎縮した膀胱を機械的に伸展し、組織に固着したさまざまな増殖因子を剥がす作用により効果が
 あるとされています。

 4)電気刺激法(TENS:transcutaneous electric nerve stimulation)

 本法は他の治療法の補助として使用されることもありまが、まだ試験的な治療法です。患者さんの恥骨上または腰に
 置いた電極から、体内に弱い電流を持続的に流す方法で、痛みのコントロールのため使用されています。

 5) 外科的治療

 間質性膀胱炎の症状が非常に重度な場合には、膀胱拡大術や膀胱摘出術という手術を行う場合もあります。
 しかし、間質性膀胱炎は複雑な病態であることから、手術により間質性膀胱炎以外の病状の悪化が起こる危険性もあり、
 慎重に検討する必要があります。

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