BLUE&BLUE

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エスコートシリーズ



人材派遣会社『エスコート』のボディガードセクションに所属するユカリは、
オーナーの榎本から初めての任務を言い渡された。
それはクリスマス・イブに莫大な遺産を受け取る予定の志岐のを護衛すること。
顔合わせで横柄な態度をとる志岐に、かみつくユカリ。
子供扱いされ、ケンカしながらも任務完了までの2週間を共に過ごす事になった。

とにかく読みたかった一冊!
どこの古本屋にも出回らず、書店にもない(メイトもないし・・・)
”それだけ手放したくないほど、いい本なんだv”と思うと、余計欲しくなるんですね。
だから偶然書店で見つけた時は、すごく嬉しかったです。
でもって、私の期待を裏切らなかった!
(でも、これだけ読みたいって思っていて内容がガッカリだったらどうしようって内心ヒヤヒヤ)

依頼主に対して「あんた」とか「おっさん」とか仕舞いには「志岐」と呼び捨てのユカリ。
いくら初めての任務だからって、社会道徳性が欠けてませんか?
相手は「お客様」なんだから・・・
それに任務初心者のユカリは、警護するはずの志岐に助けられたりして
端からみれば「ガード」失格。
なのにそれでもいいと言って、交代させなかった志岐は大人なのか、それとも何か魂胆があるのか良くわかりませんでした。
でも最後にその理由がわかって、どんでん返しが待っているんですね。
実は志岐は『エスコート』のトップガード。ユカリよりも凄腕のガードで、
警護されていたのはユカリの方。そして遺産もユカリのもの。
本人に内緒の行任務だったのでした。

「ガード」は、ただ単に身辺警護だけではなく、
常に共に行動するってことから、対象者に不愉快な思いをさせるような警護はしないそうです。
なので、食事や買い物といったつきあいも職務の中に含まれ、裏ではベッドの中も共にするとか。
命を狙われて安全な場所に身を移すことになった志岐は、滞在先のホテルにデリバリー・ヘルスを呼ぶよう頼みます。
しかし、そんな事させられないと断ると「おまえが処理しろ」と言い、賭に負けたユカリは志岐とベッドを共にしてしまいます。
そのえっちシーンの激しいことと言ったら!
口の悪いユカリですが、志岐のリードになすすべもありません。
初めてなのに・・・ユカリもかなり淫乱の気がありそうです。

この話には魅力的なサブキャラがたくさん出ています。
オーナーの榎本(「フィフス」で主役)、トップガードでユカリの昔からの友人真城(「ミステイク」で主役)、榎本の秘書の律(「ディール」で主役)。
榎本と真城、志岐は幼なじみ。『エスコート』のトップ3と呼ばれています。
それぞれの話が本になっているので、そちらも楽しみです。
しかし、「フィフス」意外は未だ入手出来ず・・・(泣)

志岐とユカリのその後ほ話「イブ」も収録されています。
任務完了と共に恋人同士になった二人。
のっけからヤってます(汗)
でもって、口の悪いユカリは、コトが済んだ後に「スッキリした」と爆弾発言!
マナーがなっていないと言う志岐とケンカしてしまいます。
そこに爆弾予告された建設会社会長をガードする事になった志岐。
くしくも任務の日は、ユカリと「初詣に行こう」と約束した日だった。
一緒に任務に行くというユカリを、志岐は拒否する。
志岐の拒否する理由、そしてユカリの初詣にこだわる理由、それぞれには
暗い過去があった・・・

CDも出ました。
志岐は賢雄さん、ユカリは野島(健)さん、榎本は小西さん、真城は遠近さんです。
声でも聴きたい!
これも探そう・・・

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  『ディール』

人材派遣会社「エスコート」でオーナー秘書を務める水嶋律。
延清美弦(のぶきよみつる)との出会いは9ヶ月前、母の再婚によって出来た義理の兄の差し向けた男達によって犯されそうになっていたところを、延清に助けられたのだった。
しかし、実際は助けられたのではなく、「自分一人とその男達にやられるの、どっちがいい?」と聞かれ、今の状況から逃れる為に延清を選んだ律。
信じられない言葉を聞いた律だったが、その後約束通り延清に抱かれる。
それは「ディール(交渉成立)」を表すものだった。
律は義理の父、兄によって陵辱される日々を過ごしていた。
それは貧しい中自分を育ててくれた母が、この再婚によって普通の暮らしが出来るという喜びが、律に拒否出来ない状況を作っていたのだった。
義兄の差し向けた男達を追い返した以上、家には戻れない。
そんな律を延清は家に置いてくれた。
延清は男も女も引っかけて一晩限りの相手をするのは日常的だったが、拾って来たのは初めてだというオーナーの榎本。
榎本はそんな律に興味を持ち、家に帰りたくなければ延清の家にいて、自分の元で働けばいいという。
延清も行きがかり上、だまって同居を認めるしかなかった。

母のために義理の父と兄に抱かれてきた律だったが、その母も見て見ぬフリをし
自分の居場所をなくしていた。
そして延清も、母から虐待を受けて育ってきていたのだった。
本当の愛を知らない似たもの同士の二人。
二人の間には「飼い主」と「ペット」といった関係しかないと思われたが、
いつしかお互いを必要するようになる。
しかし、延清は「愛情の表現の仕方」を知らない・・・

お互いに心に傷を持った二人の話です。
屈折した延清の心の中に律がまっすぐに入り込んでくるんですね。
だけど、延清はどう接すればいいのか、どう愛すればいいのかわからない不器用な男です。
ガードの中でも仕事の出来るちょっと「一匹狼」的な所があって
近寄りがたい存在なのですが、その頑な心を律が少しずつほぐしていってくれます。
ちょっとホロッとくるようなお話です。

もう一つの話「ステップ」は出会って一年後の話。
そのまま同居生活は続き、律は大学を新しく受け直し学生生活を送っています。
しかし、大学を受ける事も受かった事も知らされていなかった延清。
任務から帰ってくると、大学生活を楽しむ律の別の顔を見てしまいます。
そして、何とも言いようのない嫉妬。
自分だけのものには出来ないのはわかっていながら、律がいつか出ていってしまうのではないかという不安が襲います。
素直になれない延清。
一方律はそんな延清を理解し彼の前では大学の事も友達の事も伏せておきます。
同じ方向を見ていながら、素直に感情表現できない延清のおかげで
ちょっとしたすれ違いが起こります。
しかし、それが延清にハッキリと律の大切さがわかります。

ほんわかと優しい律。そして愛を知らない延清のカップルは読んでいると
胸がキュンっとなります。

「エスコート」同様、CD化するといいですね。
律はじゅんじゅん、延清は神奈さんあたりがいいなv

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  『ミステイク』

人材派遣会社「エスコート」のトップガードの真城秀顕は、フランス人VIPのガードで都内ホテルを訪れた。
そこで遭ったのは、以前警察でSPをしていた時の後輩で、つきあっていた男 清家薫だった。
5年前、真城はつきあっていた上司に振られ、その腹いせに自分を慕い信頼していた清家と関係を結んでいたのだった。
しかし、まっすぐな性格の清家は、真城に溺れていった。
そんな清家を見ていられなくなった真城は、「遊びだった」と冷たい言葉を残し
警察を辞め清家の前から姿を消すのだった。
あれから一度も会うこともなかった二人だったが、真城はずっと自分を責めていた。

同じ対象者のSPとして任務に就いていた清家。
自分を捨てた真城に対し酷い言葉を浴びせるが、彼もまたずっと忘れられずにいた。
寄りを戻したい清家と、過去の過ちに捕らわれて素直になれない真城。
二人の距離を縮めたものは・・・

大型ワンコのヘタレ攻めです。
「純情エゴイスト」の二人を思わせるような関係。
しっぽ振って、後をついてくるかわいい後輩。それなのに真城は自分のプライドの為だけに利用してしまいます。
しかし、それでも付いてくるワンコ。
そのけなげな態度に心苦しくなるんですね。
だから、自分を嫌いにさせるためにわざとキツイ言葉で捨てるようなまねをした。
しかし、ワンコはワンコ。どこまでもご主人様を愛しついて行こうとします。
結局真城の負けって事になるのですが、
清家との偶然の再会もオーナーであり幼なじみの榎本の策略だったのです。
裏で色々暗躍するオーナー(笑)
そして真城の元カレので今は清家の上司である須藤が接近してきた事によって
清家と真城もお互いの気持ちを確信する事ができます。
結局回りの後押しで元サヤに戻った二人なのでした。

もう一つの話「セルフィッシュ」はその後の二人。
お互いの仕事のスケジュールが合わないせいで、なかなか会えない二人。
一緒にいる時間が欲しい清家は「エスコート」で働きたいという。
しかし真城は断固反対。その真意が掴めない清家は真城を不審に思い始める。
そんな中、二人の仲をかき回す清家の幼なじみ吉竹早希がが登場。
二人の仲を知った早希は「薫の事を昔から好きだった。告白して自分の会社にスカウトする」と真城に宣戦布告する。
ライバル会社で働く早希。真城から一緒に働くことを拒否された清家はどちらを選ぶのか?
そして、真城が清家と一緒に働けないと言ってる真意とは?

またしても素直になれない真城のせいで騒動が起こります。
恋人同士なのに、甘い関係になりきれない。そんな一線を置いているから
ワンコは動揺してしまうんですね。
「ご主人様の揺るぎない愛が欲しい」しかし、どうもうまくいかない・・・
寂しいワンコの清家です。
今回も早希とまたもや榎本のお陰で意見落着となります。
どこまでも周りの後押しがないとどうにもならない二人。
たぶん周りはイライラしてるんじゃないでしょうか?

しかし、『エスコート』から順番に読んでいる人にとっては
真城の受けは意外だったのでは?
私も最初『エスコート』で登場した真城は王子様のようにかっこよく、
絶対攻めタイプだと思っていましたが、蓋を開けてみれば
「女王様受け」でした。
清家を一から育て上げるという究極の女王様受け!
時々ワンコの逆襲にもあいますが、それもまた嬉しいのかもしれません。

そして、裏で暗躍しているオーナーの榎本。
だてに幼なじみなだけではありませんね。なんだかぜーんぶわかっちゃってる所が
ニクイ。
ここまで3冊読んで第4弾はそのオーナー榎本の話になります。
誰が榎本が受けだと想像出来たでしょう?!
私は先に読んでしまったので、読んだ時は意外性はそんなでもなかったのですが、
ここまで読んでくると「榎本受け」は想像できませんね!

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  『フィフス』

人材派遣会社『エスコート』のボディガードセクションのオーナーである榎本和佐。
彼にとって毎月5日は特別な日だった。
中学3年生の誕生日、門真巽という男が突然現れ自分の叔父だと名乗り、信じられない事を話した。
それは私生児として育ち、父親を知らずにそだってきた榎本だったが、その父親の跡取りとして実家に戻れというものだった。
そして、国会議員の父親の後を継ぐよう周りが画策しているとのこと。
父親の弟である巽と榎本、どちらかがそうなることになる。
突然の話に榎本は激しく拒絶する。そして巽は自分が犠牲になろうと提案してきた。
しかしそれには条件がある。毎月1日は、自分のものになれと・・・
体の関係を含めたその条件を榎本はのんだ。
そしてその約束の日が毎月5日だった。
それから17年の歳月が経ち、榎本は『エスコート』のオーナー、巽は国会議員となっていた。
そんな巽から個人的に「ガード」を依頼される。
私的な旅行だというので、巽との関係を知っている真城、志岐、ユカリ、律、延清の5名を選び、慰安旅行の名目で付くことになった。
今まで「ガード」を頼んだ事のない巽が、なぜ今になって?
もしかすると、自分との仲を精算しようとしてるのではないか?
一抹の不安を抱えながら、目的地箱根へと向かう・・・

おじさま巽とオーナー榎本の話です。
いやー、オーナー「受け」だったとは!!!
CDでは小西さんが榎本をしてましたが、そうすると「小西受け」ですよ!
志岐といい真城といい、友達みんなホモです(汗)

だけど、この話は切ないんですね。
自分は毎月たった1日抱かれるだけの存在。そう思っていたけど、
巽に対する思いは深かった。
巽も自分の子供のように可愛がってくれていたけど、その愛情は表には出さずにいた。
二人して、心理を隠して17年。
まあ、実の叔父と甥ですからね。複雑でしょう。
だけど、今回巽に結婚話しが出た事によって、話は急展開します。
「他の人のものになっては嫌だ!」
やっと素直になれた榎本。そして手放すつもりはないと受け入れてくれた巽。
長い間の想いが、やっと一つになります。

それにしてもBLで主役がこんなおじさまってめずらしいですよね。
年齢高くても30代ぐらいだし。なのに巽は46歳。
世の中的には「おじさま」のイメージではないんでしょうが、
佐々木さんのイラストと巽の落ち着いて柔らかな口調が「おじさま」を想像させます。
しかも、ちょっとエロティックな魅力を感じさせる・・・ええ、声は増谷さんでお願いします!!!

「エスコートシリーズ」の中で一番評判の良いこの本。
確かに良かったです。
「エスコート」は跳ねっ返りな青年ユカリの話と、また違った魅力があって
いやーこのシリーズから目が離せなくなりました。
またしても追いかけるシリーズモノが増えてしまった・・・(汗)
とにかく、他の2冊を探さないと!
そういや、前号の「小説リンクス」にシリーズの話が掲載されていました。
『リミット』・・・名瀬良太郎と柏木由惟の話です。
今まで読んだ2冊の中には出ていなかった名前。新キャラなのでしょうね。

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  『クラッシュ』

警視庁に勤める夏目。最近、摘発が空振りに終わる事が多く、憂さ晴らしも兼ねて
一夜の相手を探しに、行き付けのクラブに来ていた。
そこで偶然会った侑生とベッドを共にする。
翌朝、侑生の正体をしり愕然とする。
17歳の高校生だという。これでは、淫行ではないか・・・
侑生はそれを理由に自分とつきあえと迫り、強引に自宅へ転がり込んで来た。
年下で、しかも高校生の子供に自分は抱かれてしまった。
今まで抱く側だった夏目は、その現実に愕然とする。
しかし、侑生は夏目の気持ちとは裏腹に、無愛想ながらもどんどん夏目の気持ちに
入り込んで来る。
そんな侑生に戸惑いを隠せない夏目だったが・・・

「エスコートシリーズ」の第5弾です。
メインの登場人物からちょっと離れた話ですが、ちゃんと「エスコート」に関わる話になってます。
今回は、年下攻め。しかも清家のような大型ワンコとはちょっと違った
ドーベルマンのような守ってくれる強いワンコです。
夏目も一応武道は心得ているのですが、侑生は全米ジュニアのチャンピオンという輝かしい経歴を持つくらい強いんです。
だから、夏目を守る・・・あなたを守りたいと側にいるんですね。
だけど、守られる言われもなければ、自分は攻めの立場でいたい夏目は、それを素直に受け入れられません。

捜査が空振りに終わるには、訳があり、その事件に夏目は巻き込まれていきます。
その夏目をガードするのが「エスコート」。
警官である夏目には内緒のガードなのですが、榎本が裏で暗躍してるんですね。
結局、その事件をきっかけに、夏目は自分の気持ちを素直に受け入れます。
年下の恋人で、しかも抱かれているという自分の立場を・・・
プライドを捨て、自分の気持ちに素直になる。それが『クラッシュ』なんですね。

その後の二人の『プライド』は、まさに夏目のプライドの事。
いったん侑生を受け入れてはみたものの、やっぱりプライドが許さないところがあり、強い態度に出てしまいます。
そんな夏目に対し、侑生は自分を愛してくれていないと思い、彼の元から
離れようとします。
そして、しばらく侑生のいない生活を経験した夏目は、改めて侑生の存在の大きさを知るのでした。
しかし、どうプライドを捨てればいいのかわからない・・・
悩んでいると・・・榎本登場(笑)やっぱりヤツが出てくるか。
自分も14歳年上の恋人がいて、可愛がってくれてるとノロケ、年上の恋人もいいですよと侑生の代弁をします。
その言葉に励まされ、フッと肩の荷が降りた夏目は侑生に対し素直に「そばにいて欲しい」と言うことが出来るのでした。

プライドの高い男、夏目。なんだか「純情エゴイスト」のヒロに似てますね。
自分の中でぐるぐるしちゃって、でもそんなこと絶対悟られたくなくって・・・
そういう所はかわいいですね。
年下攻めは、ちょっと苦手分野だと思っていましたが、案外いいかもv
ちょっと「年下攻め」にはまってしまいそうです(汗)





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