空色の彼方へ

空色の彼方へ

君が来た日



こんな腐りきった世界にお別れを告げようと思ったのは何回目だろう

もう死にたい、楽にさせてよ・・・・


~for~~何かのために~         
   ー君が来た日ー




もうこんな毎日が続いてどのくらいたったのだろう
覚えていない否思い出したくない

今日もまたいつものように上履きがない
周りを見渡すとゴミ箱の中にあった
それはずたずたに切られ
見るも無残
またいつものように鞄から新しい上履きを出して履いた

教室に入ると
自分の机は倒れていた
椅子も一緒に
机には、死ね、消えろ
そんな私を侮辱するような言葉ばかりが
乱雑に書かれている

そんな毎日に何も感じなくなったのはいつからだろう
正直言ってどうでもよくなってくる
それでも毎日のように涙が出る
つらくないはずなのに
悲しくなんてないはずなのに
ただ単に涙が頬をつたう
もちろん一人で泣く
慰めてくれる人なんてとうの昔に失ったし
やつらの前で泣いたらやつらの思う壺だから
だから私は一人で誰もいないところで泣くの

今日ももちろん一人部屋で泣いてた
そんな時に声がした

「君を死なせてあげようか?」

何かと思い、ふいていた顔を上げると
前に少年がいた
黒い服を着た少年が

「あなたは誰?」

そう聞くと少年は微笑を浮かべ

「俺? 俺は死神、人を殺すためにこの世界へ来た」
「死神・・・・?」
「そう死神」

私はわけがわからないといった表情でそう返すと
少年はそう答えた

「君は死にたいんでしょ?」

死ぬそれはこんな生活が始まってから考えていたこと
死ぬそれもいいな

「ええ、死にたい、こんな世界にさよならを告げたい」
「なら、俺が君を殺してあげる」

そう少年は不敵に微笑んだ

「あなたが? あなたが私を殺してくれるの」
「ああ、その通り、俺が君を殺す」
「本当に?」
「約束する、だが条件がある」
「条件?」
「そう、条件、それは君がもう一人一緒に死にたいと思う人を探すことだ」
「一緒に死にたいと思う人?」
「そうさ、で死ぬときは二人一緒に死ぬ、どう?この条件を満たすことができると約束すれば、俺と契約を結ぶ」

そう少年は言った

「・・・・無理・・・」
「どうして?」
「だって私には一緒に死にたいと思う人なんていないし、これから先もできっこない・・・・」
「これから探せばいいじゃん、時間はどれだけかかってもかまわない」
「そんな簡単に言わないで!!」

そう私は声を荒げて叫んだ

「仮にお前が言うように、この条件が難しいことだとしても、これからがんばればいいじゃねーか」
「がんばってできるなら、私は死のうなんて思わない!!」
「・・・・」
「・・・・」
「なら、こうしよう俺も手伝ってやるから、それでいいだろう?」

そんな言葉がとても身にしみた、なぜかできるような気がしてきた
だから

「分かった、君が手伝ってくれるって言うなら約束するだから・・契約を」
「了解」


そのとき一厘の風がこの部屋を吹き抜けた
                              2005.10.5




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