かすみのスピリチュアル・ジャーニー

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28.力をくれる言葉とつながる(4)



つながりを取り戻す

28.力をくれる言葉とつながる(4)


 テレビのトーク番組の中で「ただ、死なないように生き続けることが
大事なんだ」というお話をされていたのが、ジャズシンガーの綾戸智絵さん
だった。

 綾戸さんが、10代の女の子から、ファンレターを受け取った。

 「綾戸さんは一生懸命という言葉をおっしゃってましたが、
綾戸さんの言う一生懸命とはどういうことですか?」というような
内容だった。

 綾戸さんはこれに次のように答えたという。

 「一日一日一時間一時間一分一分、生き続ける事をするということが、
一生懸命なのだ」と。


 勉強するのも遊ぶのも、生きてなきゃできない。

 今は戦争時代ではないけれど、びゅんびゅん飛ぶ弾の中を死なんように、
歩くだけでもすごい。

 それがへのかっぱになったら、お花いけようか、結婚しようかと
何でもできる。

 一生懸命というのは私たちが最低限しなきゃいけないことで、
そんなきついことではない。

 命をとられんように生きること、人生を生きることを諦めないことが、
一生懸命ということだ、と。

 その答えを受け取った女の子は、喜んで、
「一生懸命というのはそんなきついことではないんですね。
一生懸命にしなさいといつも言われて、嫌だったんですよ」と
言ったとのことだ。

 「一生懸命」「頑張る」といった、言葉は、日常よく使われる。

 その言葉の裏には、今のままでは十分ではない、さらなる努力をすると
いったメッセージがこめられる。

 生きているだけで、頑張っているとか、一生懸命であると考える人は
いないであろう。

 しかし、本当は、生きるということは、ものすごいことなのかもしれない。



 アナ・クインドレンという人の本の中で、
「仕事は人生の一部に過ぎません」
「死の床で、もっと仕事をすればよかったと言った人は、かつていません」
という文章が出てくる。

 私はこの言葉を何度も読み返して、仕事を辞めることを
自分に納得させていったのである。

 人それぞれの人の持ち場で、それが仕事でなくても、
自分にできることをしていく、それだけで十分なんじゃないかと
考えるようになっていった。

 立派な生き方をしなくても、正しい生き方をしなくても、
ただ、生き続けてさえいれば、それで十分なんではないか、と。


 正直、今もそう思え思えない時はよくある。

 そういう時は、上に書いた、自分を助けてくれた言葉を思い出す。


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