車「詩」


 君の車 こすった跡がいっぱいで 乗るのが少し怖かったよ

 けど

 乗ってみると 良い香りがしたよ

 前を見ると窓に雨の雫が落ちてくる

 それを ワイパーが左右に揺れて こすり落とす。

 ワイパーが… 私の心のように

 左右に傾き 動いていた

 隣を見ると 君が真剣な顔で 

 でも

 少し眠そうな顔で運転してるの

 その顔が面白くて 楽しくて

 私の顔までにこやかになる

 車の中は 私の好きな音楽と 君の好きな音楽が

 交代交代に流れている

 君が好きな音楽が流れているとき

 君はその歌を口ずさむんだよね

 まるで 私を引き寄せる呪文みたいに

 その呪文にかかった私は

 サヨナラ する時 笑顔で手を振っているけど

 心の中では 大粒の涙が流れているの

 君には見えないでしょ?

 君には 私の心に流れる 大粒の涙が見えないでしょ?

 車が遠ざかっていく

 それと同時に

 私の涙もしだいに引いていく…


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