ココ の ブログ

梅雨入り(8)

梅雨入り(8)

 梅雨に入れば春が終わり夏になるのだが、今年のように例年より半月(12~18日)も早く始まると春の花と夏の花が一緒に咲く事になり賑やかなものである。ココは花の在る事は分かっていても、それがどんなものなのかどんな役割があるのかなぞ分かろう筈もなく唯、妻が大事にしているから噛んだり踏みつけたりはしないが、その代わり、花に見とれてココを無視すると花と妻の間に割り込んで邪魔をするそうである。「私という存在を無視するなんて許せないワ」とでも言うのだろうか。面白いものである。ボクの場合はパター練習をしていて一緒に遊んでやらないと機嫌が悪い。少しでも構ってやると機嫌よく走り回る。わざとボールをココに当ててやると、きょとんとしてボールを睨み付けるだけである。

梅雨入り-001 梅雨入り-001

 動かないボールなぞ用はないと次なるボールに目をやる。要するに動くものに興味を示すのだ。例えば、小動物の獲物を捕って来て散々もてあそび、動かなくなると急に興味を示さなくなってポイと捨ててしまうのである。可哀想なぞという気なぞ毛頭無いのだ。まるでドン・ファンがポイと女を捨てるようなものだ。次から次へと新しい獲物を見つけては追いかける。トカゲの尻尾に騙される内は子猫であって、尻尾の無いトカゲが庭に転がっていたりするから時としてココによってトカゲは居なくなってしまう時期がある。哀れなトカゲはココを見れば天敵のように逃げる。子供のトカゲはそういう事を知らないから平気で庭の皐月に遊んでいたりするとボクは「早く逃げろ!」とクラブでポンとショックを与える事にしている。

梅雨入り 002 梅雨入り-002

 和辻哲郎が日本を熱帯モンスーン地帯と言ったように、日本の夏は猛烈に湿気があって暑い。その湿気と暑さが植物の育成には適しているのだろう。先月張り替えた庭の張芝も芽が出揃って目地が消えつつある。目地には目土してあるからボールの転がりに支障は無いが、見た目にみっともないから早く消えて欲しい。張芝をしていない処には幅の広い葉の雑草が生えて来た。香港のゴルフ場でよく見かけた雑草だ。湿った処に生え易い雑草のようだ。それに平行して花のような白くて小さな実が生るイネ科の雑草も生える。どちらも短く刈ってしまえば気にもならないのだが、芝生には良くないようだ。芝生よりも勢いが強いのである。所謂雑草である。芝生も雑草の一種だが、見た目に綺麗だから雑草扱いにしないだけである。

梅雨入り 003 梅雨入り-003

 毎年のように京都に花見に来る東京の友人が、定年退職して毎日家でブラブラしているのも嫌だからと近所の貸し農園の管理人兼指導員をしてるそうだが、彼の言うには雑草というものは芽が出た時に土の表面を軽く鍬でなでるだけで育たなくなるそうである。芽を出した瞬間は弱いもので一寸した刺激で成長が止まってしまうから絶えず土の表面をなでていると雑草に悩まされないと教えてくれた。しかし、目に見えないような小さな雑草の種は何万と無数にあるから毎日のように土を耕すかなでる訳にも行かず、つい日にちを空けると雑草に負けてしまうのだ。逆に言えば、百姓が管理する畑には雑草が無いのは勿論毎日のように土をいじくっているからで雑草の無い土は、彼に言わせれば異常なのだそうだ。

梅雨入り 004 梅雨入り-004

 つまり、毎日のように畑で鍬を動かしていると雑草が生える間が無いという事なのだが、そういう根気が無ければ百姓なぞやっていられないという事だ。同じ事を飽きもせず続けていられる精神力とでも言おうか黙々と働く姿は都会の人間から観れば感心する程の驚きだが、サラリーマンだって毎日飽きもせず通勤列車に揺られて通勤し、駅から黙々と会社目指して歩いて行くのだから百姓の畑仕事とそう変わらない訳だ。只一寸、仕事の中身が違うだけで、服装もスタイルも百姓とは違うだけの事が全く別の事のように観えるだけなのだ。東京の友人は、転勤で国内や海外を転々と移って、定年になってやっと一つ所に落ち付けたのだが、矢張り一番長かった東京が性に合っていたらしい。

梅雨入り 005 梅雨入り-005

 元々は京都人だったにも関わらず今は完全に東京人に成りきってしまって、ボクとは言葉のイントネーションも大違いだ。ボクだって国籍不明の言葉づかいだが、彼の場合は東京に出た若い頃から東京言葉になっていたから順応性はボクより良いのだろう。単身赴任中の東京でも関西弁で通したボクとは大違いだ。それでも月に一度の帰省の度に言葉が東京に近くなっているのを敏感に感じた家族は「~チャッテ?」とボクの会話をからかっていたものだった。東京で関西弁の積りで話して居ても関西で聴けば違和感があった訳だ。今の季節のような雨が多い時でも、新宿新都心のビル群の中に終日居たから季節の花に囲まれる事も無かったが、窓から観える雨に煙る風景にふと関西を想い浮かべ、庭に咲く季節の花を想像していた自分の姿を懐かしく想い出す今日この頃である。

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