名演プロムナード

名演プロムナード

クレンペラーの田園



数々の名演が録音されているが、私が一番好きな演奏がオットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団のものだ。
テンポがいい。クレンペラーはゆったり歌うのが得意らしい。

第1楽章冒頭から、のどかな田園風景が目の前に広がる。小川が流れ、水車小屋があり、小鳥たちが飛び交う。豊かな自然だが、人の気配が乏しいところに一抹の寂しさがある。
第2楽章は小川の流れをメインテーマにしている。小鳥の声を聴き、白い雲を見ながら、小川のほとりを散歩している情景が浮かぶ。だんだん日が翳り、ナイチンゲール、ウズラ、カッコウが鳴いて日が暮れる。この鳥の名前は、ちゃんとスコアに書いてある。
第3楽章は田園の人々の楽しい集い、そして切れ目なく続く第4楽章は雷雨と嵐。クライマックスから嵐が去っていくまで見事な描写だ。そのまま第5楽章牧歌に続き、自然への賛歌となる。ここは第1楽章にあった寂しさが克服され、感謝で満たされた豊かな心になっている。

この曲に派手な演出はいらない。豊かな心で演奏して欲しい。
クレンペラーの演奏は繰り返し聴いてきたので隅々まで耳に残っている。私を音楽好きにした、原点のような気もする。

他にもカイルベルト指揮バンベルグ交響楽団、ワルター指揮コロンビア交響楽団も好きな演奏だ。

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