そして今日も日は過ぎる

2006/02/05
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 最近読んだ本です。

バベル崩壊
 飛鳥部勝則氏の二作目のミステリー小説です。
 どことなく寂れた印象を与える島で起こる学校関係者の連続不審死。
 崩壊したに等しい乱れた中学の教師で、疲れきりノイローゼ気味になっている田村は偶然それぞれの腐心死の現場で、バベルの塔の絵画を見出す。これは連続殺人事件なのか?田村は独自にバベルの塔について調査を始める。
 様々な登場人物が出てくる群像劇の様相を呈しているミステリーです。
 途中までは引き込まれて先を読みたくて仕方なくなる、圧倒的な筆力のある作品ですが、読み終わるとどうにも釈然としない感覚の残る作品ですね。叙述トリックもので、それなりにどんでん返しはあるのですが「なんか、これ、まさかこういう真相じゃないよなあ。だとしたらあんまり好きな結末じゃないぞ」と疑っていた真相だったので、筋は通っていても釈然としないのです。ただ、本当に最後の最後、真相が明らかになるまでは異様な迫力があって面白いので、ミステリーファンにはオススメします^^

六番目の小夜子
 恩田陸氏のデビュー作にあたるのでしょうか。かつてNHKでドラマ化されていましたね。この小説、一見ホラー小説のようですが、読み進めていくお青春群像劇である事が分ります。
 舞台となる学校では、3年に1度、「小夜子」に任命される人物が現われます。「小夜子」は学園祭直前まで、自分が「小夜子」に任命されたことを他の学生に悟られないようにし、学園祭直前に「小夜子」という一人劇をやるかどうかを、特異な方法で皆に知らせます(学校桜の木の幹にてるてるぼうずを下げる)そして、学園祭委員会にシナリオを送付して、学園祭当日に行うというのです。
 「小夜子」の任命の仕方は、卒業式に、在校生が卒業生に花束を渡して回る際、人知れずそっと前の「小夜子」が定めた後継者に鍵を渡すことで継承されます。

 このようにして始まる本作。読みやすい文体のおかげもあるのですが、爽やかな印象の残る青春物ということもあって、ぐいぐい引き込まれます。特に中盤の学園祭のシーンは絶品。この小説はやはりホラーなのか?と思わせるような展開となっていきます。
 でもこれも最後まで読むと、筋は通っているんだけど、釈然としないんだよなあ。爽やかな読後感はあるのだけど・・・。

奇怪動物百科
 かつて、まだ科学技術も交通手段も発達していなかったころ、旅人の語る物語は謎と神秘に満ちていました。
 「実はある地方に、巨人の里があって・・・。」
 このようにして伝えられた様々な人、動物の話をまとめて書かれているのがこの本です。竜やグリフィン、狼や熊、様々な生き物たちが、現実離れした不可思議な事態を起こした話し、不可解な生態をしているという話が淡々と書き連なれているのですが、これがこれでおもしろい。かつての人々の想像力には瞠目させられるところがあります。
 ファンタジー小説が好きな方にオススメします^^

ブレードランナーの未来世紀
 町山智浩氏の映画著作。前作「映画の見方が分る本」の続編にあたり、今作では80年代の作品にスポットが当てられています。
 デヴィッド・クローネンバーグのビデオドローム。
 ジョー・ダンテのグレムリン。
 デヴッド・リンチのブルーベルベット。
 ジェイムス・キャメロンのターミネーター。

 とりを飾るのがリドリー・スコットのブレードランナーといった具合です。
 映画作成の背景などが分る非常に興味深く面白い本です。





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Last updated  2006/02/05 11:47:49 AM
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聖書預言@ Re:8番出口(05/01) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
剣竜 @ パク・チャヌク監督作品 ocobaさんへ その2つの映画,評価高いよ…
ocoba@ Re:殺人の追憶(03/04) 韓国映画では、パク・チャヌク監督の「オ…
剣竜 @ Re[3]:投票義務制の問題点(11/10) サムスさんへ いえいえあまりお役に立てず…
サムス@ Re[2]:投票義務制の問題点(11/10) 剣竜さんへ ありがとうございます!

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