そして今日も日は過ぎる

2006/02/11
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テーマ: 司法全般(518)
カテゴリ: 司法関係覚書
 有限会社法が廃止されたことにより、新たに有限会社は設立できなくなりました。
 しかしながら、従来の有限会社法の精神は今度の株式会社に反映されています。非公開会社の柔軟な機関設計は、これまでの有限会社のような小規模閉鎖会社を作成することをも想定したものなのです。今後は、有限会社的な小規模会社を設立することを企図した場合にも、株式会社を設立することになります。
 それではこれまでに設立された有限会社は、今後どのように扱われるのでしょうか。

特例有限会社
 まず、現行の有限会社は、特別の定款変更や登記などの何らかの手続をせずとも、当然に「特例有限会社」に移行します。特例有限会社は新法施行後も、従前の規律を維持することができます(整備2条から46条)。そのため、特例有限会社は現行の有限会社同様取締役の任期制限がなく(有限会社法32条、34条1項)、決算公告義務がありません(整備法28条)。また、特例有限会社が、大会社に相当する場合でも会計監査人設置を強制されません(整備法17条2項)。
 ただし、特例有限会社は、従来の有限会社のような株式会社と別個の存在ではなく、あくまで「特例有限会社」という名前の株式会社である、と言う点に注意が必要です。ですから、本来的には会社法による規律を受ける存在であることにかわりはないのですが、整備法という特別法によって、会社法とは異なる規律を受けることになっているというのが正確な理解となります。
 なお、このように特例有限会社も株式会社の一種ではありますが、特例有限会社は商号中に「有限会社」という文字を使用しなければなりません。

株式会社への移行手続
 次に、特例有限会社は、その定款を変更し、商号中に「株式会社」という文字を用いることにより、会社法など新法の規律を受ける株式会社になることも認められています(整備法44条1項、45条)。定款変更のためには、株主総会の特別決議が必要となりますが、その決議は、総株主の半数以上であって、その議決権の4分の3以上の多数によることとなります(会社法309条2項11号、整備法14条3項)。すなわち現行有限会社の特別決議と同じ条件で、変更の手続をしなければならないのです。
 定款変更後は、本店所在地においては2週間以内に、支店所在地においては3週間以内に、特例有限会社の解散と株式会社の設立を登記しなければなりません(整備法45条2項、46条)。
 このように現行の有限会社においては、特例有限会社として現状を維持するか、あるいは株式会社へ移行するか選択する必要があることになります。






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Last updated  2006/02/11 03:36:36 PM
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聖書預言@ Re:8番出口(05/01) 神の御子イエス・キリストを信じる者は永…
剣竜 @ パク・チャヌク監督作品 ocobaさんへ その2つの映画,評価高いよ…
ocoba@ Re:殺人の追憶(03/04) 韓国映画では、パク・チャヌク監督の「オ…
剣竜 @ Re[3]:投票義務制の問題点(11/10) サムスさんへ いえいえあまりお役に立てず…
サムス@ Re[2]:投票義務制の問題点(11/10) 剣竜さんへ ありがとうございます!

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