まりことリンリン~♪

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2013.07.31
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カテゴリ: 読書

【送料無料】ニャンコ、戦争へ [ 菊地秀行 ]


この本は夏休みの読書用に、学校から子供が貰ってきた推薦図書に入っていました。
夏の読書というと、決まって戦争に関軽する話が多くなります。
こういう機会でなければ、戦争について子供達が向かい合うこともないからなのでしょう。

著者は 菊地秀行 氏。
伝奇小説『魔界都市』や『吸血鬼ハンターD』シリーズで有名な作家さんですね。
残念ながら、バイオレンス系が苦手な私は、
何度かこの作家さんに挑戦してみましたが、いずれも途中リタイアいたしました。
そんな菊池さんが猫を題材に戦争の話?




図書館で借りたのですが、31頁の小さな絵本でした。

ニャンコが迷子になり戻ってこなくなって半年、ドアをカリカリとひっかく音がする。
「帰って来たのね」お父さんとお母さんは喜ぶ。
でも戻ってきたニャンコは片目がつぶれ、
右前脚がなくなりプラスチックの義足になっていた。
僕には内緒だったがニャンコは戦争に行き、負傷したのだ。
名誉の負傷による10日間の休暇後、ニャンコは再び戦場へ赴く。

そして2年後、戦争は休戦となり、ニャンコは戻ってきた。
今度は、左後足を失って。
もう僕はニャンコがどこに行っていたかわかっていた。
ニャンコを訪ねてきた野良猫ダブ。

「人間の代わりにネコが犠牲になって戦争に行くなんておかしい。
可哀相にと泣きながら、身代りになってうれてありがとう。
とても悲しい、とても嬉しい」
そう言ってネコを送り出す人間に腹を立てているのだ。
でも当のニャンコは全く取り合わない。

と、野良は突然自分の綺麗だった身体を振り落とし、焼けただれた小さな身体を見せつける。
ダブも犠牲になっていたのだ。
それでもニャンコは眼を閉じたまま...でも本当は泣いていた。

戦争が再開し、三度ニャンコは戦場へ行くことになった。
ぼくはニャンコを逃がそうとしたけれど、ニャンコは受け入れない。
恩を感じているから、だから人間の為に戦場に行くのかと問う僕に
ニャンコは「自由に生きる。誰にも邪魔さえない。だから戦争へ行くよ」とにやりと笑い、戦場へ向かった。
そして、とうとう戻ってこなかった。
代わりに届けられたのは戦死カードった。


途中まで、ぼく、お父さん、お母さんが人間だとはっきりわかりませんでした。
皆、ネコでぼくはニャンコの弟なのか?とも思ったのです。
帰宅したニャンコの背をなでてあげたというシーンの挿絵が
人間の手だったので、あ、違うんだとはっきりしました。
何故ネコが戦争をしているのか、その後に語られます。
元々は人間が戦争を繰り返していたのです。
しかし、大勢の人間が犠牲になるり、家族が悲しむ。
政府を怨む、でもそれは政府にとっては困りごと。
だから人間の代わりにネコを戦争に送ることにしたと。

なんて発想・・・唖然とします。
戦争は嫌だけれどやめられない。
だから自分たちの代わりを立てる。
ネコ達には十分に感謝している、ネコの為に泣いているから許してね。
だから私たちの代わりに戦争に行ってね。
人間のエゴが剥き出し。
ネコが少なくなったら、次は何?
犬?猿?兎?馬?
身近にいる賢い者から送るのでしょう。

普段、人間が動物に対して取っている何気ない行動のなかにも
驕った気持ちから取っている酷い仕打ちがあるだろう。
気を付けろ! 思い上がりも甚だしいぞ!
と言われているように感じます。

私はネコ派ではありませんが、それでもぐっと胸ぐらをつかまれたような気持ちです。
ネコ好きさんには、とてもつらくて読めないかもしれません。
でも、作品としては素晴らしい、
子供も勿論ですが、大人に是非読んでほしいと思います。





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最終更新日  2013.07.31 20:32:47
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