「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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君に、ひらり~君が居た場所-番外編
そして、この花びらの乱舞が終わる頃、君に出会った季節がまたやってくるんだ。
君に、ひらり
「キラ、ごめん。遅くなった。」
「遅いよ、アスラン。行政府からの呼び出しの用件はもう片付いたの?」
「あぁ、済ませてきた。こんな日にゆっくり仕事なんかしていられないだろう?」
「そうだね。」
駐車場から走ってきたんだろう。
息を切らせたアスランの頬は少し上気していた。
本来今日は休日なのだけど、早朝行政府からの急な呼び出しでアスランは出かけていった。
その用事を済ませて、今僕と公園に居る。
ある人物に会うために。
「あちらは?」
「ううん、まだ。予定の時間までまだもう少し有るし。」
「そうだな。」
僕たちは桜並木の下にあるベンチに腰掛け、舞い降りる花びらを見上げていた。
「月で・・・・君と別れた日も、こんな風に桜が舞っていたよね。」
「あぁ、そうだな。」
「懐かしい?」
「んー、懐かしいと言うよりは・・・・、あ。」
「何?・・・あっ・・。」
アスランが視線を向けたほうに僕も顔を向けると、そこには小さな子供と手を繋いだ男女が、こちらに向かって歩いていた。
「キラ。」
「うん。」
僕たちは立ち上がり、すぐ傍まで歩み寄った子連れの夫婦に頭を下げた。
「ご無沙汰しております。」
夫婦も僕たちに深々と頭を下げた。
「お久しぶりです。」
アスランはそう応えたけど、僕は何も言えなかった。
僕の視線は両親に手を繋がれて、周りをきょろきょろ見回す小さな男の子に捉えられていた。
大きく・・・・なって・・。
「このたびはご無理を言ってすいませんでした。」
「いえ。」
「コペルニクスへ移ることになりまして、その前に一目・・と思いまして。」
「そう・・・ですか・・。」
アスランと夫婦の会話を遠くに聞きながら、僕はしゃがみ込み桜を見上げて目をキラキラさせる男の子――シンに視線を合わせた。
「こんにちは、シン君。」
「・・・・こん・・にちは・・。」
少し恥ずかしそうに、お母さんのスカートの裾に隠れながら挨拶をするシン。
僕たちを覚えているわけが無いよね。
だって、あれからもう3年。
シンは4歳になってるはずだ。
もう二度と会わない。
そして、僕たちのことは忘れた方がいい。
僕たちだって、そう願ったんだから。
でも、やっぱりちょっと寂しい。
ユズキ夫妻から「一度お会いしたい」との連絡があったとき、シンに会える喜びとそれ以上の戸惑いがあった。
シンに会いたい。
でも、会っていいのだろうか。
おそらく僕たちのことは覚えていないだろうシンに会って、僕たちはどうすればいいのか。
何より、あれ程僕たちに懐いていたシンが、見知らぬ他人を見る目で僕達を見るのだろうということが、怖かった。
思った通りのシンの反応に、やはり会うべきでは無かったという想いが涙と共に溢れそうになる。
でも、こんな所で、シンの前で泣くわけにはいかない。
僕はシンの笑顔が見たかったんだ。
僕は立ち上がると、ベンチや桜の足元の芝生に積もった桜の花びらを手のひらに集めた。
そしてシンの傍まで行くと
「シン君、見て!」
そう言って集めた花びらを一気に空中に投げ、シンの頭上に桜の雨を降らせた。
自分に降り注ぐピンクの花びらに、シンは一気に瞳を輝かせ春の木漏れ日よりも眩しい笑顔を見せた。
「僕もっ!」
シンは母親の手を離し、僕の元に駆け寄ってきた。
いいですか?と言う僕の視線に、母親はにっこりと頷いてくれた。
「お兄ちゃんと一緒に集めようか?」
「うんっ!」
僕の言葉に嬉しそうに頷くシン。
体も大きくなって、言葉もはっきり喋って、おぼつかなかった足元も今では全力疾走が出来る。
3年の歳月はシンを成長させたけれど、面影はあの頃のまま。
「では、私たちはしばらく外します。シンをよろしくお願いします。」
「一時間ほどしたら戻りますので。」
夫妻はそういって僕らに頭を下げた。
「シン。」
母親が呼ぶと花びら集めに夢中のシンは視線は向けないまま返事をした。
「なに?」
「お父さんとお母さんはちょっと行くところがあるから、お兄ちゃんたちといい子で待っててくれる?」
「うん。分かった。いってらっしゃい。」
シンはチラリと母親に視線を送ると、手をひらひら振ってまたすぐに花びら集めに夢中になった。
「では。」
駐車場の方へ向かう夫妻の背中を見送って、僕はアスランに声を掛けた。
「アスランも、早くおいでよ!」
「あぁ。」
花びらを集めるシンの傍にしゃがみ、アスランはシンに微笑みかけた。
「こんにちは、シン君。」
「こんにちは!」
今度ははにかむことなく挨拶を返したシンだったけど、僕たちの顔を見比べてふと困った表情を見せた。
「どうしたの?シン君。」
僕が尋ねると
「えっとね、お兄ちゃんが二人・・・えっと・・・。」
「あぁ。」
先にアスランがシンの考えを察してにっこりと笑った。
「俺はアスランだよ。シン君。よろしく。」
その言葉にシンが僕達をどう呼べばいいのか分からなくて困っているのだと気付いた。
「ごめんね。名前言ってなかったね。僕はキラだよ。よろしくね。」
「えっと、アスランお兄ちゃんと、キラお兄ちゃん・・?」
僕達を順番に指差して、確認するように名前を口にする。
その真剣な眼差しに、初めて歩いた時のシンを思い出す。
あの頃と変わらない瞳。
その瞳にもう一度僕たちが写る日が来るなんて・・・。
「そうだよ。じゃ、もっといっぱい集めようか?」
「うんっ!」
アスランに促され、シンは小さな手のひらに花びらを集めていく。
そしてその手も、僕たちの手も溢れかえるほどの花びらで埋め尽くされた。
「じゃ、せーので放すよ?思いっきり投げてね。」
「うんっ!」
シンは掛け声が待ち遠しいといった顔で、空中を見上げる。
「じゃ、いくよ?せーのっ!」
僕が掛け声を掛けると、3人の手のひらから放たれた花びらが宙に舞った。
「わぁーっ!きれー・・。」
小さな手を精一杯空に伸ばし花びらを投げたシンは、自分に振るその花びらをもう一度受け止めようと手のひらを広げ追いかける。
でもなかなか受け止めることは出来なくて、手のひらに僅かに乗る花びらを見つめ少ししょんぼりしてしまった。
「シン君・・・。」
心配になって声を掛けるとくるっと僕たちの方へ向き直り、こぼれそうな笑顔で
「もう1回!」
と言った。
「よーし!」
「じゃ、誰が沢山集められるか競争だ。」
「よーし!僕負けないからねっ!」
そうやって花びらを集めては空に投げ、集めてはまた降らせる。
場所を移動しながら、途中で買ったジュースを3人で飲みながら、僕たちは夢中になって遊んだ。
「ほーら!すごーい。いっぱい降ってくるね、シン君。」
「さっきのは僕がいっちばん、たくさんだったよ!」
「凄いな、シン君は。次は負けないぞ!」
ひらり、ひらり。
シンの柔らかな髪に桜が降る。
この舞い落ちる無数の花びらのように、愛も、優しさも、幸せも。
たくさんたくさん、君の上に降りますように・・・。
「せーの!」
「それー!」
「きゃははははは!もういっかーい!」
ほんのひと時の幸せな時間。
一時間後、それはあっけなく終わりを告げた。
「ありがとうございました。ご迷惑お掛けしませんでしたか?」
公園に戻ってきた夫妻が、花びらを頭や肩に乗せたままのわが子に目を細めた。
「いえ、そんなことは全然。俺たちも楽しかったです。」
「ありがとうございました。僕たちにこんな時間を下さって。」
僕たちがお礼を言うと、夫妻は申し訳なさそうに小さく微笑んだ。
地球のオーブと月のコペルニクス。
会えない距離じゃない。
けれど、僕たちはもう会ってはいけないんだ。
今度こそ。
「シン、帰るわよ。いらっしゃい。」
母親の手招きにシンは大きく首を横に振った。
「ヤダ!もうちょっと遊ぶ!」
「シン、もうお家に帰る時間だよ。」
「ヤダ!お兄ちゃんたちと遊ぶの!」
「シン!」
「ヤダもん!ヤダもん!」
最後にはシンは少し涙声で僕たちの後ろに隠れ、そんなシンに両親は苦笑いを浮かべた。
僕たちももっと一緒に居たいけど、これ以上一緒に居たら余計に離れなれなくなっちゃうね。
だから・・・。
「シン君、今日はお帰り。またいつか一緒に遊ぼうね。」
僕たちは膝を折りシンに視線を合わせた。
「ほんと?また遊べる?」
「あぁ、きっとまた遊べるさ。」
「ほんとに、ほんと?」
「うん、ほんと。だから、今日はお家に帰ろうね?」
少しうな垂れるシンの頭を撫でると、おずおずと顔を上げ僕達を見た。
「約束・・だよ・・。」
その瞳には涙を湛え、こぼさないように我慢して僕たちに約束を求めた。
「うん。約束するよ。ね、アスラン。」
「あぁ、約束する。」
「うん・・。じゃあ、僕、帰る・・。」
シンは小さく呟くと踵を返し、母親の元へと向かった。
「では・・。」
「駐車場までご一緒させてください。」
「はい。」
僕たちが駐車場まで一緒だと分かると、シンは嬉しそうに駆け寄って僕たちの間に入り手を取った。
「僕お兄ちゃんたちと一緒に行くー。」
シンの無邪気な笑顔に、僕たちの顔もほころぶ。
アスランは左手を、僕は右手をシンと繋ぎながら、駐車場までの短い道のりを歩いた。
「それではお元気で。」
「今まで本当にありがとうございました。」
「こちらこそ。ありがとうございました。」
「帰り道、お気をつけて。シン君、バイバイ。」
「バイバイ、シン君。またね。」
「うん!また遊ぼうね。」
車の窓から身を乗り出し、僕たちに手を振るシン。
ごめんね?シン。
僕たちの約束は、最初から守られることは無いんだよ。
ごめんね。
「キラ・・。」
震える僕の肩をアスランが抱いてくれた。
覚悟していたはずなのに、やっぱりこんなにも辛い。
このまま逢えなくなるなんて・・・。
車のエンジンが掛かった時、僕は咄嗟に彼らを引き止めてしまった。
「待って下さい!ちょっと待って!」
「キラ?」
僕はジーンズのポケットから携帯を取り出すと、ストラップを1本外した。
それはいつかアスランが僕にプレゼントしてくれた、桜をかたちどったアクセサリーが付いたストラップ。
「アスラン・・。」
それを掲げアスランに視線を送ると、僕の想いを分かってくれたのか微笑んで頷いてくれた。
「シン君これ。」
「何?」
「約束の標だよ。また一緒に遊べるように。今度会えたときに僕に返して?ね。」
「わー、綺麗なお花。あ、さっきのお花だよね。」
「そう、桜だよ。」
「うん。分かった。今度遊ぶ時に持ってくるね。」
「うん、よろしくね。」
何も疑うことなく、再会を信じて笑う君。
そのストラップはもう僕の手には戻らないかもしれないけれど、それでもいい。
君と僕たちが一緒に過ごした証だから。
君の手元で咲いていて欲しい。
「引き止めて、すいませんでした。」
「いえ、それでは・・・。」
3年前に別れたときと同じように、短いクラクションを鳴らし車が滑り出す。
「バイバーイ!アスランお兄ちゃん!キラお兄ちゃん!また遊ぼうねー!」
身を乗り出し、手を振るシンに僕たちも手を振る。
「バイバイ、シン!またね!」
「シン!元気でな!」
母親に車内に引きずり込まれたシンは、リアウィンドゥ越しにまだ僕らに手を振っている。
3年前は涙。
今は笑顔で。
僕たちは車が見えなくなるまで手を振った。
「ごめんね、アスラン。ストラップ。」
帰りの車の中、少し寂しくなった携帯を見ながら呟くと
「いいさ。俺だって想いは同じだ。」
アスランは僕の頭をポンポンと叩いた。
家に着くと、この家を建てたときに植えた小さな桜も、ハラハラと舞っていた。
それを見て、僕はまだ聞いていない言葉を思い出した。
「ね、アスラン。」
「ん?なに?」
「公園で言いかけた言葉、続き聞いてない。」
「続き?」
「『懐かしいと言うよりは・・』の後。」
怪訝な顔で僕を見ていたアスランも、あぁ、と思い出した様子だった。
「懐かしいと言うよりは、愛おしい・・かな?」
「愛おしい?」
「あぁ。お前と過ごした時間、別れのあのひと時さえ、俺にとっては愛おしいよ。お前に繋がる全てが・・。」
「アスラン・・。」
アスランはそっと僕を抱きしめてくれた。
見上げるとそこには細い枝に小さな花を咲かせた桜の木。
この木が枝も見えなくなる位に満開の花を咲かせる頃、君はいったいどんな大人になっているんだろうね?シン。
「じゃあ僕たち二人にとっては、シンと過ごした時間がとても愛おしいものだね。」
「あぁ、そうだな。あの3ヶ月も、今日の一時間も、そして再会を待つこれからの時間もな。」
「・・・そうだね。」
初めから果たされない約束でも、いつかまた・・・と願ってもいいかな?
すっかり傾いた太陽に、赤く染められた空。
たとえ一緒に同じ色を見ることは出来なくても、この宇宙は君へと繋がっているから。
いつかまた、桜舞い散るあの場所で・・。
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