喜久蔵blog

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一章:新しい世界



ゲーセンでいつものように遊んでいたある日、ユゲ君は僕を呼び出した。

「君に会わせたい人がいる」

そういうと城山(ゲーセン)から歩いて1分とかからない薬院駅のマックへと連れて行かれた。

そこには超モデル級の体格を持つユゲ君にひけをとらない長身の男が二人待っていた。

二人とも胸を大きく開けた花柄のシャツに大きなテンガロンハット、蛇柄のタイトなパンツなどをサラっと着こなしていた。

ただ者ではない。

一人はオーランド・ブルーム似の24歳、もう一人はなんだろう、漫画ご近所物語のジローといったところか。


にやり、とユゲ君。


「かっこいいだろう?二人ともスタイルも抜群だ。」


もう一度いうが、ユゲ君はホモではない。


「二人ともまだ高校二年生なんだ」


は??

オーランド・ブルームなんかコンピュータエンジニアの主任クラスの落ち着きっぷりじゃないか!

しかも名前が○○○・シュモン。

あまりに特殊な名前の為フルネームは伏せるが名前はさながら少女マンガの主人公である。


おまけにルックスはオーランド・ブルーム。


う~む。


さらに話を聞くと母親が外国人らしくラテン系のハーフなんだとか。


もう一人のジロー似は頭の回転が遅く、話下手で当時あまり好きにはなれなかった。


二人の名前はシュモンとケイジ。


今ではもう五年以上も付き合いのある親友達である。



はじめ僕はシュモンと仲良くなった。


シュモンは端正な顔立ちに似合わずガンダムマニアの軽いオタク少年だった。

ガンダムの知識も専門分野だった僕を尊敬してくれているようだった。


オタク冥利に尽きる瞬間である。



そんなある日シュモンは言った。



「母さんの店が今度移転パーティするんだ。一緒に行かない?」


俺「母さんの店?どんなの?」


「お酒を飲んで踊るところだよ。」


いわゆるクラブというやつだ。


当時19歳のいちオタク青年だった僕とは無論、縁のない世界である。


僕はムラムラと何かが込み上げていた。

理由はわからないが、むしょうに惹かれたのである。


「行く!面白そう!」


かなり曖昧だがいろいろ計算すると2000年10月21日土曜日ではないかと思う。


福岡・親不孝通りの最も奥深くに位置するワンウェイは怪しい雰囲気の螺旋階段をのぼった二階にある。

ドアを開ける。

暗い。

聴いた事のないトロピカルな音楽の中、見た事のない人種の男達が楽しそうに飲んでいる。

店に入る。


夢の中にいるような独特の感覚に襲われる。

どこか懐かしい匂いがする。


そんな趣とは逆に店の客は狂喜乱舞している。


「なんか若い男が来てるよ」

ワンウェイの客層は若くても20代後半のアダルトなダンスクラブなのだ。

女性二人組がシュモンと僕を見ている。

この二人が最初に僕にサルサを教えてくれたナオちゃんとカズミちゃんだ。


がっと手をつかまれて半ば強制的に踊らされた。


自分とは一生縁のないようなきれいなお姉さんと手をとりあって対面している。


初めて飲むウォッカトニック。

僕の人生を変えた日である。











第二章:トメさん

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