きまぐれの音

きまぐれの音

映画 パイレーツ・オブ・カリビアン

映画 パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち

2003年 米国
監督 : ゴア・ヴァーピンスキー
出演 : ジョニー・デップ/オーランド・ブルーム/キーラ・ナイトレイ

ストーリーとキャスト、スタッフについてはこちらから

物語はとても分かりやすい正攻法な痛快冒険活劇で文句無しに面白かった。原作はディズニーのカリブの海賊。海賊と大英艦隊、海賊と海賊。船から船へロープでターザンのように飛び乗り、丁々発止のチャンバラゴッコは、欧米のお子さま達の永遠の憧れのようだ。

超個性派俳優ジョニー・デップが「真面目にふざけた」演技で、これ以上は落ちぶれようがないといった海賊船長を演じてくれる。最初の登場シーンから釘付けキャラである。メイクも衣装も凄いが所々で見せるとても澄んだ遠くを見るような瞳がアップになると凄くカッコイー人なんだなと思う。デップの面目躍如といったところ。

対するヒーロー役には美形のオーランド・ブルーム。《LOTR》や《ブラックホークダウン》でどちらかというとアクセント的な役柄が続いたが、この映画では古典的な活劇ヒーロー役を得て元気いっぱい活躍している。

ヒロインには《スターウォーズ・エピソード1》でアミダラ女王の侍女サーベの役で記憶に新しいキーラ・ナイトレイが大航海時代の英国貴族(艦隊提督)の令嬢役として美しくも芯のしっかりしたちょっとお転婆な役所をうまく演じている。

米国南部(ケンタッキー州)出身のデップと、英国出身のブルームとナイトレイという組み合わせが、生まれ育ちゆえに持っている雰囲気さえも活かしたキャスティングの妙と言える。歴史的な映画にはヨーロッパやオーストラリアの役者が多用されるのが頷ける。

米国南部と言えば南北戦争後はそれまで大きな顔をしていたフランス系移民の綿花農園主がだんだん落ちぶれていったわけだが、デップにもそういう元貴族の家系が落ちぶれていったようなデカダンな雰囲気を感じる(これは私の全くの想像デス)。

最近の船モノ映画で気が付いたが、映画《ゴースト・シップ》では幽霊船の謎が、財宝に目が眩んだ人間の業に取り入って魂をむさぼる悪魔の所業であったし、パイレーツ~では成仏出来ない幽霊海賊達の存在理由がスペインのインカ征服に端を発する等、日本の文化では考えられない発想から成り立っていて実におもしろい。

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