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2024.09.22

年功序列式雇用からの脱却

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自律的なキャリア形成を促す仕掛けも用意している。例えば、社内公募の充実。全管理職ポジションの所掌規定を作成・公開し、どんなスキルや経験を積めば、そのポジションにたどり着けるのかを可視化している。
ジョブ型導入から2年。30代の管理職比率は2.5％から10.9％に上昇するなど、若手の積極的な登用が進んでいる。将来的には全管理職の2割程度を公募にする考えもあるという。
ジョブ型導入後も、離職率は2％を維持していて、年功序列からの脱却は、リコーに限らず社会全体の潮流でもある。とはいえ、年功序列で昇進してきた社員や管理職から反発はなかったのだろうか。

制度導入に際しては、役員会で議論を重ね、「全員が歓迎していたとは言えませんが、メンバーシップ型の要素を一部残したこと、社員とのコミュニケーションに多くの時間を費やしたことで、理解を得られたと考えています」
結果、大きな反発は見られず、導入後も離職率は2％台を維持しているという。今後、ジョブ型をさらに進化させるには、ポジション滞留者の評価は、改善の余地があるようだ。

人事制度が大きく変わる一方で、従来の人事基幹システムは変化に追従できなくなっていた。そこで2023年、リコーはクラウド型統合人事システム「COMPANY」を導入。業務プロセスの標準化・効率化を進め、年間約5100時間の工数削減を果たした。

今後の課題は、グローバルレベルでの人事データの戦略的活用だ。現状は各地域で異なるシステムを使用している為、人事データの一元管理は困難だ。この課題に対応すべく、データウェアハウスを構築し、グローバルなデータの統合・活用を進めている。データベースに基づく意思決定と最適な人材配置が実現すれば、競争力強化に繋がる筈だ。

人事施策をリードする担当者は、「誰のための施策か」そして「ビジネスに直結する施策か」の2点で、大事にしているのが、社員とのコミュニケーションで、「社員にちゃんと伝わらないと、その先はない。きちんと伝わって行動が変わり、投資家を含むステークホルダーにも成果が伝わります」

リコーの例は、経営・人事戦略の透明性が変革の出発点であり、持続的成長の鍵となることを示している。

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