「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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日常・・・
<2>
爆発の音が狭い通路に響いたとき、グリーとアポー、ラッセルはちょうど1つの角を曲がっているときだった。
「なんだ!?」
狭い通路の中で地面が揺れ、そして通路を辿って大きな爆音が耳を揺さぶった。
何せほとんど音波が直接彼らの耳に届いている。
手榴弾の爆発がどこへも逃げること無いのだ。
「死ぬわ・・・」
グリーが耳をふさぎながら呟いた。
そして次の瞬間には音はおさまっていた。
ラッセルが顔を上げる。
「なんだったんだ?」
「多分手榴弾とかが爆発したんじゃないか・・・」
アポーが乱れた髪を直しながらそう言った。
その時、耳の無線機の存在に気付いた。
「この通信機で連絡を取る」
アポーはスイッチを入れると1人、声をあげて喋り始めた。
「ロスソン、ロスソン、聞こえるか?」
相手はロスソンらしい。
むなしい雑音が響いた後、勇ましい声が響いた。
『おおアポー、そっちは無事か?』
その声は周りの2人にも聞こえた。
「良かった・・・ロスソンは生きてたのか」
グリーがホッと胸をなでおろした。
「ロスソン、アーデスとラリーは無事か?」
アポーはそう訊いた。
しかし、その質問に答えるには多少の間があった。
嫌な沈黙である。
その沈黙の後、ロスソンの声が聞こえた。
『いやその・・・ラリーが1人遅れて・・・それでアーデスは2人で行くと言うのを聞かず・・・1人で助けに行って・・・
それで今の爆発の音だ・・・攻撃でやむ追えず使ったと言うことを祈るしかない・・・」
ロスソンが静かなテンションでそう告げた。
あれは自爆・・・というグリーの気持ちは一気に加速した。
「・・・これからどうする?」
ラッセルが静かに訊く。
「・・・ロスソンを待って・・・目的達成といくか」
しかし、通路の雰囲気は一行に明るくならなった。
「今日も整備を怠るなよ。ロスに向かうんだからな」
うっすらと日がさしてきた頃、特殊部隊本部の格納庫でトミーがアンソニーに言った。
アンソニーがコックピットの中でOKサインを出す。
トミーは疲れた体をゆっくりと床に下ろした。
アンソニーが機内でなにやらうごめいているのが見えた。
そして機内からアンソニーが出てきた。
「システムは異常なし。いつでも飛べるぜ、トミー」
アンソニーが上着のファスナーを下げながらいった。
トミーは腰を上げるとアンソニーの顔を見た。
「どうしたんだ?」
親子くらい歳が離れているトミー、アンソニー両者は互いに見つめあった。
アンソニーはまじまじとこちらを見つめるトミーに疑問をもった。
「だからどうしたんだよ」
ようやくトミーの口から、渋い声が発せられた。
「ちょっと思い出して欲しい・・・やつらが―部隊の面々がロスに行ったのはゾンビとかの観測がなかったため、
安全だと決め付けてわざわざエンゼルスタジアムに爆弾をセットしに行ったんだろ?」
トミーは1つ1つ思い出しながら語った。
「まぁそうだな」
アンソニーがあっさりと頷くと、トミーを見つめなおした。
「それがどうしたんだ?」
トミーは大きく息を吸った・・・・・ように見せかけて言葉を発しはじめた。
「だったら、俺が撃ちまくったあのゾンビ共はなんになるんだ?」
トミーが真剣な眼差しで訴えかける。
アンソニーはその言葉を聞いて頭を上げて考えた。
「たしかに・・・そうだった・・・」
思い出したようだ。
トミーが再び口を開いた。
「俺もあの時は勢いというか・・・みんなゾンビのいる世界に慣れたんだ。だからゾンビが観測されていない・・・
ということを教えられてもいろいろあって忘れる―ゾンビがいる世界が普通と思い込むんだ。
だから俺はゾンビは観測されていない、ということを銃でゾンビを倒した時に忘れていたし、
ハンディースの部隊だって違和感なく攻撃していると思っていたわけだ。わかったか?」
トミーが冷静に説明するがアンソニーには若干伝わらないらしい。
「ええと、整理させてくれ。実はロスにはゾンビがいて、俺らはそれを忘れているということか?」
「簡単にするとそうだ」
トミーは無駄となった長い説明を脳内で深く埋め込んで、アンソニーを見つめ返した。
「これは偶然か?・・・それとも陰謀か?」
あと10センチというところまで、トミーがアンソニーに顔を近づける。
「分かったよトミー・・・で、どうするんだ?」
アンソニーが問い返す。
「ホーキンスに訴えかけるか、最高司令官に直接言いに行く」
グリー、アポー、ラッセルの3人は座って銃をかまえつつロスソンの到着を待った。
2,3分経ったころ、慌てて走る足音が聞こえてきた。
「ロスソンか?」
グリーがよっこらと顔を上げると、つかれきった顔のロスソンが見えた。
グリーはアポーとラッセルを促す。
「ロスソン、待ってたぞ」
アポーが銃を杖代わりにして起き上がる。
「すまんな、遅くなってしまって・・・」
「いいんだ。お前は置いていけないからな」
ラッセルが謝るロスソンに優しい言葉をかけた。
「すまんな」
グリーが突然ロスソンに謝罪の意を向ける。
ロスソンは一瞬戸惑った。
「・・・あ・・・何のことだ?」
「この通路に入らなければ、3人はまだ生きていたかもしれない」
ロスソンはそのことだ、とやっと把握した。
「終わったものは仕方ないさ」
とロスソン。
次にアポーが口を開いた。
「もしここに入らなかったら、俺たちはあのゾンビの大群たちに殺されてたぞ」
アポーは上を指差しながら、地上にいるゾンビの大群のことを示した。
ラッセルはただ頷くだけだった。
そして異様な沈黙が続いた。
そこでグリーははっと首を上げた。
「もう少しだ・・・出口まで」
グリーが慌てて前方を見た。
「本当か?」
不安と希望を半々にアポーが尋ねる。
「どうして分かる?」
ラッセルも尋ねた。
そこでグリーは壁をライトで照らした。
「ここに・・・10-Dとあるだろ?これはトンネル内での最終地点、という合図だ」
たしかに壁にはそう記されていた。
「ここの通路を辿って・・・もう1度主要水路に戻れば、すぐに出られるはずだ」
グリーが前方に通じる狭い通路の壁が入り口の通路をさす。
ロスソンが最初にいった。
「よし、そこを曲がって早くおさらばしようぜ」
グリーもアポーもそれに続き、殿はラッセルである。
4人は今よりさらに狭い通路へと足を踏み入れた。
トミー、アンソニーの両者はホーキンスがいると思われるサポートルームに向かった。
「いつ見ても頑丈そうな扉だぜ」
アンソニーが部屋の大きな扉を見ていった。
トミーはその呟きを無視して、扉の脇にある緑色のボタンを押した。
ゆっくりと扉が横にスライドする。
例によって、ホーキンスは大きなモニターの前に立っていた。
こちら側に気付くと、向きを変えて話しかける。
「トミー・ニーソンとアンソニー・ロング・・・呼び出しはしていないぞ」
いつもどおりに比較的易しく声をかけた。
が、ほぼ無言で2人はこちらに向かってきた。
階段を下り、下のホーキンスの前に立つ。
「知ってたな?」
トミーがホーキンスの顔に迫る。
歳はほとんど同じなはずなのに、比べるとトミーの方が若く見える。
「何のことだ?」
とホーキンスは返す。
しかし、こう問い返したがホーキンスは既に意味合いを察していた。
(さすがに感づいたか・・・さすがだな)
こう心で思ったが、トミーにはもちろん伝わらない。
「お前は知ってただろ。ロスにゾンビはいないとか嘘を言って部隊を派遣する・・・どうせ総攻撃の下見かなんかだろ」
核心をつくトミーの言葉にホーキンスは若干、後ずさった。
さすがにここではぐらかしても意味がなかった。
本当のことを言おう。
「その通りだよ、トミー・・・お前が言ってることは完全に合っている」
ホーキンスが静かにそういうと、アンソニーが宙を蹴った。
「何てことだよ!」
「そこまでして総攻撃の下見をしたいのか?」
トミーはいたって冷静に尋ねる。
そこでホーキンスは首を振った。
「今回の作戦はもちろんそれも兼ねていたらしい。だが、下見と爆薬設置・・・それ以外にもあるんだ」
ホーキンスは顔を上げて話す。
トミーとアンソニーが顔を見合わせた。
「というと?」
トミーが呟くように尋ねる。
ホーキンスは咳払いした。
「ネイオ・ワーク名誉指揮官の私物ファイルを取ってくるということだ」
今度はアンソニーが尋ねた。
「何のために?」
「いろいろあるんだよ」
ホーキンスがあっけなく返す。
そこでトミーは思い出したかのように質問した。
「チームからの報告は?」
ホーキンスが下を向いた。
トミーの脳裏に、嫌な予感が過ぎった。
「まさか・・・きてないのか?」
「きてるとも」
ホーキンスはすぐに言葉を発した。
しかし、少し慌てているのは明らかだった。
それ、トミーは察する。
「・・・いつからきてないんだ?」
またもや核心を突かれ、ホーキンスは頭をかいた。
少しの間をあけて、口を開いた。
「昨日の午後6時に最後の更新を終えた・・・遊園地で一夜を越すといっていた」
トミーは身を乗り出した。
「助けに行く」
これができればどうでもよかった。
しかしホーキンスは首を横に振った。
「すまないが・・・無理だ」
その言葉が深く突き刺さった。
次にアンソニーが身を乗り出す。
「何で!?救出しなくちゃ奴ら危ないだろ」
「連絡がないんだ・・・」
「だからこそ救出だ」
部屋は冷たい空気に包まれてしまった。
ホーキンスは首をようやくあげて2人を見た。
「私だって救出命令を出して早く救ってあげたいんだよ・・・だけど、最高司令官の命令がないと無理だ・・・
私が最高司令官なら・・・とっくに救出命令を出してるさ」
トミーはその言葉で全てが分かった。
―自分で決めるか・・・最高司令官に言う・・・これしかない
そしてトミーはホーキンスに言った。
「すまなかったホーキンス、そしてすまないホーキンス・・・これでお前と働くのは終わりかもしれない」
トミーはそういうと部屋を後にした。
アンソニーが慌てて追う。
ホーキンスはトミーの去り際に言った言葉が気になった。
―お前と働くのはこれで終わりかもしれない
しかし、答えはすぐに出た。
彼は普段は冷静だが、仲間を救うためなら職も捨てられる。
「トミーめ・・・」
大体分かったが、ホーキンスはあえてとめなかった。
「この梯子を」
グリーが上へと続く梯子をさす。
ついに地下通路は終わった。
水路は壁の向こうに続いていたが、通路は壁に遮られていた。
「地上にゾンビがいないことを願う・・・」
ラッセルが静かに神に祈った。
グリーが先に梯子に手をかけるが、ロスソンが止める。
「待て、リーダーが先に行くべきだろ?先に行くよ」
ロスソンは梯子を登っていった。
数段登ったら、狭い空間になった。
いわゆるマンホールまであと少しである。
「落ちるなよ!」
下でアポーが叫んだ。
その言葉と同時に、ロスソンの右手がマンホールにかかった。
右手のみでぎゅっと力強く押す。
「よし・・・」
何とか持ち上がり、それを横にずらした。
途端に月の光が差し込む。
「明るいぜ・・・」
ロスソンは恐る恐る頭を出した。
(やったぞ・・・)
そこはただっぴろい駐車場だった。
ゾンビは影も形もなかった。
「やったぞ!ゾンビは見えない・・・早くあがって来い」
ロスソンが下に向かって叫ぶと、グリーが手を上げた。
「了解!」
グリー、アポー、ラッセルの順で上へと上がってきた。
最後のラッセルがマンホールを閉める。
4人は今、目標地点、エンゼルスタジアム―といっても、元だが―を目の前にしていた。
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