日常・・・

日常・・・

プロローグ


「ほう、結果は上場じゃないか」
一番年配の男が言った。茶髪で長めの髪は、既に薄くなってきている。
モニターに映っているのは動物だ。まったく普通のクマである。
そのクマに、何か別の生物が飛びつく。そしてその生物は長い爪を使ってくまをあっという間に切り裂いた。
そして筋肉剥き出しの気持ちの悪い生物は、勝利の雄叫びをあげた後どこかへ行ってしまった。
「こいつは楽しみだな。では、次の奴を頼む」
「分かりました。こいつは、”島”の研究所で作られたものなので、少し映像にタイムラグがありますが・・・」
そういって若い技師がモニターをいじって別の映像に切り替える。
今度映し出されたのは眠っている爪と強靭な足、背中に半円のヒレを持つ巨大な爬虫類・・・恐竜である。
「これが噂のスピノサウルスか、よく作ったな」
年配の男が感心しながらモニターを見る。
「こいつは何匹作れたんだ?」
「3匹です」
部下がファイルを見ながら年配の男に伝える。
「よし、なら3匹全部島に放て。もちろん、別々の場所にな」
年配の男はそういってモニタールームを出て、廊下を歩くと人気の無い部屋に行った。
(あとは実験を開始するだけだな)
男は電話を取りボタンを押す。
相手がもしもし、といってきたのを見はかり男はすぐに告げた。
「明日、島に奴らを放せ」
男は唐突に言い放ったのであった。


翌日、晴れ渡った太平洋の上を数機のヘリコプターや輸送機が飛んでいた。
動物をいれるような檻をつるしている物もある。
そして木だけが生い茂る、逆に言えば自然豊かそうな島の上に来た。
「降下!」
ヘリのパイロットがそう告げると、檻をつるしていたケーブルは一斉に切れ、7つが島に放たれた。
「任務達成」
『俺は脱出する!ヘリの墜落準備は完了!』
そういって別のパイロットが無線で叫び、隣の輸送機からパイロットが飛び出した。
そしてそのまま輸送機の方は、島へと墜落していった。
「島の研究所グループは例のあいつを離したのか?」
「だろうな。多分、今頃島を徘徊中だろう」
2人のパイロットがそう交わした。
「よし、任務は完了だな。帰還するぞ」
パイロットがそう告げると、数機の輸送機は一斉にUターンした。
島では、今までの生態系を変える事態が起きていたのだが・・・



先ほどのヘリコプターが島に墜落した。
その脱出したパイロットは、それから1分後にパラシュートを開いて島に着地した。
自ら志願したのだが、正直生き延びる自信はない。
「クソ!こんな化け物だらけの島にいたくないぜ!」
パイロットはそういって、パラシュートを切り離すと、とりあえず走りだした。
「ちくしょう!ヘリはあっちに墜落させたから、ゾンビ共にはやられないだろうから・・・」
パイロットは煙があがっている遥か遠くを眺めながら呟く。
そのとき、土と草しかないはずの地面に、かすかな硬さを感じた
「こんな仕事、やっぱ引き受けるんじゃなかった!」
そう一人叫んだパイロットは地面をさする。
すると、鉄板のような板をみつけた。すかさず、取っ手を掴んでそれを持ち上げると、下へと続く四角い穴が現れた。
そのとき彼の持っている携帯電話が鳴った。孤島のはずだが圏外ではないらしい。
「はい、部長、島に無事着陸しました。」
パイロットは電話に向かってそう告げる。
『そうかわかった、マニュアル通り地下通路に入ったのか?』
相手がそういったので、パイロットは現状を報告した。
「その通路に繋がる入り口は発見したと思いますが・・・」
その四角の穴の側面には梯子のようなものがついている。どう見ても下に降りれる仕組みだ。
『さすがだ。その入り口の穴を下りて通路を進むんだ。降りてすぐ壁に電気の電源があるから明かりを灯してから進め。
何が出てくるか、分からないからな』
電話相手の男が意味深な発言をするので、パイロットは少し黙り込んでしまった。
『任務はしっかり果たせよ。』
「生き残るにはこうするかよ!」
電話を切りパイロットはそう叫んで、穴の中へと消えていった。



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