♭Day Break♭

♭Day Break♭

第3話「予想外」





「俺たちの力、こんなものではない。」と。




第3話「予想外」



あの戦いが終わり、ひと段落ついた一同は自由気ままにそれぞれの時間を過ごしていた。

「あぁ…こんな日が一番素敵です。」

と呟くのは、大きな木の下でお昼寝をしているイエロー。

彼女のパーティの者たちも彼女に寄り添うように昼寝をしていた。

その眼の先で、サファイアはちゃも、どららと特訓を重ねていた。

「そこ!!ちゃも、隙があるったい!どらら、ここはこうすると!!」

必死にパートナー達に特訓を重ねるサファイア。

それに従うパートナーたち。

「あ、イエローさん。サファイア。ルビーがおやつ作ってくれたの。どう?」

と駆け寄ってきたのはクリスタル。

その隣に寄り添うのはメガぴょんだった。

それにめを光らせたのはイエロー。

甘い物が好きなのだ。

「本当ですかっ!?」

「はい、たった今できたそうですよ。」

「あいつがおやつば作ったと!?毒でもはいっとるんじゃなか!?」

「失礼な。何も入れてないよ。」

軽く溜息をつきながらも、近づいてくるルビー。

彼の腕の中にはたくさんのおやつ。そしてZUZUの腕にも何個かあった。

「あ、わざわざ持ってこなくてもよかったのに!!体調わるいんでしょ?」

「いぇ、お構いなく。作ったのは僕ですから。」

笑うルビーは、はい。とクリスタル、イエローと渡す。

「君は、いらないか。」

「いるったい!!疲れてると!」

「はいはい。」

さっきまで「毒が入ってる」とか言ってたくせに。とルビーは笑って見せた。

さすがのサファイアも、おなかがすいていたため意地ははらなかった。

お上品に食べることなく、がつがつと食べるサファイアにクリスタルもイエローも笑みがこぼれた。

「そんな、大食い競争じゃないんだからさ。もっとお上品に食べてくれよ。」

「そげんこついってられんったい!!食べ終わったらすぐ修行ったい!!あんたも参加すると!!」

「お断りします。僕は体調不良なので。」

それだけ言うと、ルビーはZUZUとともにその場から去った。





体調不良なのは事実だった。

あの時、イズミとホカゲに会ってからどうも体に異変があるのだ。

それは、ルビーだけではない。

同じ色を持つレッドもそうだ。

今、寝込んではいるが元気なのは元気。

外見はそこまでわからない。だが、確かに体がおかしいのだ。

「…なんだろうね、この微妙な気持ち。」

『紅と…あいつの体に、何やらまとわりついている。…いやな気だ。』

ルビー自身も、パーティとこの時間は過ごしていた。

RIRIがそう告げたのだ。

彼は波動を感じることができるから、わかるというもの。

そして、RIRI自身。ルビーにのみ心を許しているため、ほかの者の名前は呼ばない。

「僕とレッドさんだけ?…それっておかしくない?」

『確かに、おかしい。だが、…そうなんだ。』

ふーん、とルビーは考え始めた。

「そういえば、…変な夢をみたよ。」

『夢?』

不思議な顔をしたのは、RIRIだけではない。

ほかのメンバーも不思議そうな眼をした。

「うん。何だろう。僕は、ある『宝玉』を見て恐れてた。」





真っ暗闇に、僕と、…きっとレッドさんだとおもうんだけど。二人でいたんだ。

僕は暗闇だと全く見えないから、レッドさんがずっと支えてくれていたんだけれど。

そこに、暗くて見えなかったけど、誰かが近づいてきたんだ。

そしてこういった。

――お前たちは、この玉に支配されている。これをもつものが、お前たちの力を制御する

って。

僕は恐れた。

力がなくなることが怖いんじゃない、その宝玉が怖かったんだ。




ルビーはそれを口にしたとたん、足元をすくわれ、その場に力なく倒れた。

それを支えたのはRURUだ。

気を失っている主人に、おろおろとしている。

『…そのまま運んでくれ。』

「フォォウ。」

『そうだな、NANA。』

「ガウ!」

『ブラッキーの主人のもとへこのことを知らせに行け。』

「ガウッ!!」






そのころオレンジはゴールド達と手合わせをしていた。

オレンジの炎を、ゴールドが剣でばっさばっさと切る訓練だ。

「おらおらー!!もうへばったかぁ!?」

「なんのぉ!!いくっすよ!!せんぱいぃいいいっ!!」

『……。』

それを見て、あきれるキーぼうとシルバー。

まだ、シルバーはけがが治らないので手合わせができないのだ。

元気のありすぎる者たちの手合わせはいつも危なっかしい。

そこへ、NANAが到着する。

『NANA?』

「ガウゥウウッ!!ガウガウッ!!」

「あ、ルビーのNANA?どうしたの。」

オレンジは、NANAに触れた。

一時、NANAはしゃべることを許された。

『主人が、倒れたの。すぐに屋敷に戻ってちょうだい!!』





・ ・ ・ ・ ・




「えぇえぇえええええっ!??」








屋敷に戻ると、ルビーがうなされていた。

隣でレッドもだるそうにしている。

「オレンジ、事情を説明しろ。」

と怖いオーラを放つグリーン。

RIRIは、心を開いていないやつには口を開かないため、グリーンも困っていたようだ。

唯一、言葉を喋らせることのできるオレンジに助けを求めた…ということだろう。

「何かくれる?」

「……。」

「ジョーダンだって!!あ、NANAが説明してくれたんだけどな。」

オレンジはグリーンに伝えた。

NANAが説明してくれたことを、そのままそっくり。

するとグリーンより、ブルーが反応を示した。

「それってまさか!!あの極上のお宝『赤の玉』と『紅の玉』じゃないの!?」

「ぇ、それって何?」

オレンジにとってそれは未知のものだった。

いいところで育ったのもあるが、姉はそんなことを一言も言ってはいなかった。

「その宝玉はね、すごい力を持っているの!!シルバーに盗ってくるよう頼んでた品よ!!でも、支配する力はなかったはずよ。」

「ルビーの夢が本当ならば、その宝玉を何者かが盗り、改造したといったところか。」

「あんたの弟子でしょう!?信じなさいよ。」

「…信じたいが、夢となると確率が少ないだろう。」







「いや、それは事実っす。」




いきなり声がした。

そちらを向くと、ゴールドが息を切らしながら立っていた。

近くにシルバーも立っている。

ゴールドはずかずかとグリーンとブルーに近づくと、こう断言した。







「俺、ルビーと話してておもったんすけど。あいつ…『予知夢』をみるんすよ。」






―――END---

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