タイトル不明

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2-A.東方司令部建物内【エド】

2-A.

よく来るというわけではないが、生来の記憶力の良さもあって、迷うことなくエドワードは目的の部屋に到着した。
途中、身元の確認を求められ銀時計を見せた。
さすがにこの辺りは軍関係者以外立ち入り禁止のようだ。
コンコンと木の扉をノックする。
すると、待ち構えていたかのように、その扉はすぐに開いた。
「おっ、大将か。久しぶり、って程でもないな。一週間ぶりとは珍しく早いな」
「たまにはね。大佐、いる?」
扉を開けてエドワードを見下ろしたのはハボックだ。
相変わらずくわえタバコをしたハボックにエドワードは気安く話し掛け、中を覗き込んだ。
だが、そこに探す人は居らず、ならば個室の方かと思い顔を巡らせたがハボックが頭を振って否定した。
「大佐なら、外だぞ」
ハボックの言葉にエドワードが首を傾げる。
「外って・・・、外で何してんの?」
外で仕事中か?、とも思ったがこの部屋にはハボックだけではなくホークアイもいる。
ホークアイがいないのに、あのロイに仕事なんて出来るんだろうか、と、まったくもって失礼なことをエドワードは考える。
(でも、中尉が何も言わないってことは仕事中なんだろうし。それとも、もしかして休暇中?いや、でもそれならそう言うだろうし・・・)
色々と考えを巡らせるエドワードに、今度はホークアイが言った。
「先程は本を読んでおられました」
ホークアイの言葉にますます疑問が深まる。
「・・・・・・それって、何の仕事?」
「仕事ではないと思われます」
ホークアイはあくまでも理性的だ。
エドワードには訳がわからない。
そんな思いが顔に出たのだろう、ハボックが笑い混じりに教えてくれた。
曰く、今日は年に一度の『贈り物をする日』なのだそうだ。
お世話になった人や、好きな人や、とにかく贈りたい人に贈り物をする日なのだと。
贈るものは色々で、要は何でもいいのだが、手作りのお菓子がよく贈られる。
さらに今年から増えたルールでチョコレートを贈ると愛の告白になるのだそうだ。
イーストシティ独特の習慣で、ロイが赴任したその年から始まったらしいが、つまるところどこかの誰かが商売が上手かったと、そういうことだとエドワードは理解した。
「それでな、今日は朝から大佐に会いたいって人がひっきりなしに来て、大佐もああいう人だから無下に断ると軍のイメージが悪くなる、とか言ってホイホイ行っちまうし。そのうち警備の兵からも、こんなにたくさん来られちゃ対応しきれない、って苦情が来てな」
「それで、今日は特別に司令部を一般市民に開放して、元凶の大佐を外に置いた、ってことか」
やっと合点がいったエドワードがハボックを見上げる。
ハボックはくわえていたタバコに火をつけ、にやりと相好を崩した。
「そういうことだ」
「それで、今、大佐はどこにいんの?」
「中庭です」
答えたのはホークアイ。
彼女は二人が話している間も、ずっと、席に着いて何かの書類を処理しつづけていた。
もしかすると、ロイが今日一日仕事をしない所為でいつもより忙しいのかもしれない。
「わかった。そっちに行ってみるよ。二人ともありがとう」
そう言ってエドワードは部屋を出る。
扉が閉まりきる寸前、
「ハボック少尉。さっきの報告書は終わりましたか」
「これからであります」
そんな会話が聞こえてきて、エドワードは思わず苦笑した。

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初掲載:2004.02.15 日記


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