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「うり坊」の食物等アレルギーについて
<2006年度の先生方とのお話し合いのため、私が準備した資料です。
これは、2002年度、入学前に準備したものをベースにしています。
みなさまのご参考になるかどうかわかりませんが、
「うり坊」の主な病歴もわかるので、掲載してみました。
『食物等アレルギーについて』
1.発症時期
生後まもなくより湿疹はありましたので、生まれつきの体質のようです。
2.原因について
不明ですが、発症する原因物質として、主に食物(牛のもの、鳥のも の)、花粉や黄砂等が考えられます。
(数年ごとに血液検査でチェックをしています)
3.症状について-年月とともに症状も変化をしていますが、主には以下の通りです。
(1)乳児期
顔や首を始め、体全体にかゆみを伴う湿疹があり、眠れない、機嫌が悪い、といった状態が生後5ヶ月頃より顕著に見られるようになり、生後9ヶ月頃には皮膚炎、耳鼻科疾患(反復性中耳炎、アレルギー性鼻炎)、小児科疾患(喘息様気管支炎)等も併せて見られるようになったため、その頃から除去食を開始しました。
(2)1歳~3歳頃
当初小児科の主治医からは「卵や肉そのものでなく、パンやお菓子に混入されている程度のものなら心配ないだろう」との助言を受けていたのですが、一向に症状は改善せず、その他の症状も全く軽快することがなかったため、私自身で食材一つ一つをチェックし、本人の状態を観察しながら徐々に除去の範囲を広げていき、結果的に現在の形になってから、ようやく症状の改善が見られはじめ、これまで週3回から5回の通院が、週1回程度に減りました。
(3)4歳~6歳頃
食事に気をつけていれば症状も出ない状態にまでなり、5歳頃には定期的な通院と服薬も不要になりました。蒲鉾1枚程度なら発症しなかったのですが、2000年5月に誤ってスポンジケーキを大人の親指大食べてしまい、それからは原因物質をほんの僅かな量食べただけでも、食後2時間後位から、全身に湿疹が出て、激しいかゆみと下痢(6~8時間の間に6回~10回)に襲われるようになりました。
(4)現在(2002年)
花粉症の時期(2月~5月)以外は比較的体調を崩すことがなくなってきたので、2001年秋より鶏のものを徐々に試しています。これまでの経過も考慮して本当に少量ずつ増やしていますが、全卵2分の1個程度なら発症しないようです。(それ以上の増量は現在試していません)牛のものに関しては、僅かな量のビーフエキス程度なら発症しないことを確認していますが、以前牛乳が皮膚についただけで皮膚が腫れ上がった事があり、鶏のものより非常に強い症状が出る傾向にあるため、それ以上は試していません。
2001年3月、花粉と黄砂が原因と思われる喘息の症状が現れました。その他に、目のかゆみ、アレルギー性鼻炎もあり、今年もすでに同様の症状が出始めています。
4.家族の対応・方針
基本的には、家族全員が本人に合わせ、家では同じ食事をとるようにしています。主人と長男のが作り手の負担を考慮してくれている事もありますが、せめて家では食についての”疎外感”を感じることがないように、また誤って原因物質が混入するのを防ぐといった意味合いもあります。
保育園や外出時(宿泊等)に除去食が必要な場合は、あらかじめメニューを確認の上、それに見た目も味も極力似たものを作るようにしています。これも”疎外感”を感じることのないように、といった観点からです。
特筆すべきは、長男が本人の状態を理解し、自分は食物アレルギーではないのに、きちんと協力してくれる事です。きっと本人はいろいろな不満があるとは思いますが、日頃はそれを表すことも少なく、親として非常に助かるとともに、嬉しく思っています。
5.本人の症状に対しての自覚
生後9ヶ月より開始した除去食について、成長していく過程でわかりやすく説明してきました。また、ある程度の年齢になると、”これを食べたら自分はしんどくなる”というのがわかってきたらしく、長男が違うものを目の前で食べていても、「お兄ちゃんはいつも合わせてくれてるよね」と言うと、納得して欲しがるようなことはなくなってきました。アレルギーに対しての自覚は十分にあるのですが、やはり一人だけ周囲と違う食事だった時などはとても寂しく感じるらしく、落ち込んでしまったりもします。
6.保育園での対応
保育園では給食のメニューと、その献立に使用される肉の種類だけをいただいて、分からない点はその都度担任の先生に確認していただき、食べられない献立のみ持参していました。ランチジャーで持参し、さめてしまったらレンジで再加熱(衛生上の事もあったと思います)して、園で使っている食器に移し替えて出してくださっていました。同じクラスのお友達も理解していてくれたようで、食事についてからかわれたり、といったトラブルは幸いありませんでした。
7.学校側にお願いしたいこと
食事というのは人間の根幹をなす要素の一つです。ですから、私達家族は、食についての“疎外感”を本人がなるべく感じることなく、なおかつ、本人自身が自分の状態を把握し、他人と全く同じようにはいかないこと、けれどそれが決しておかしいことではないこと、を理解できるように努めてきました。
これまで保育園でしていただいた対応をそのまま学校でも、というのは難しいことかもしれませんが、先生方におかれましては、私達家族の考え方を是非ともご理解いただき、ご協力をお願いするとともに、本人の新しいお友達にも、食事のことでからかわれたり、いじめられたり、心ない事を言われたりすることがないよう、特段の配慮をお願いいたします。
追記
2006年4月現在の状況
1.原因物質の除去状況
牛由来食材の完全除去は継続中です。ただし、微量混入(原材料の一部に乳を含む、と記載のあるもの)であれば症状が出ないように思います。
鶏由来食材については、完全加熱のものであれば、かなりの量を食べられるようになっています。
体調によっては、生の果物でも唇が腫れる、などの症状を起こすことがあり、本人もそれを自覚して、一度ひどい症状がでたサクランボは食べなくなりました。
また、日本そばを食べると、明らかな体調の異常こそ見あたりませんが、「のどにすごく違和感がある」と言って食べませんので、わずかながらアレルギー反応を起こしているのかもしれません。
これは、果物のりんごでも同様の状態のようです。
2.本人の精神的状況
入学当初よりも、現在の方が「周りと違う」事を気にしています。お友達が悪気なく「いつ、給食食べられるようになるんかね」と言ったその一言で、考え込んでしまったこともあります。
口にこそ出しませんが、新しいクラスになって、新しいお友達に食物アレルギーのことをあれこれ詮索されるとつらい、といったそぶりが見受けられます。「中学になるとみんながお弁当で僕だけが違う、ってことがなくなるから、早く中学生になりたい」と言ったこともあります。
2005年度の2学期より、月に数回学校給食を食べることができるようになって以降は、学校で渡される当月の給食可能な日が記された表を、母親に見せる前に自分で確認しているらしく「今月は○日、食べられるんだね!」と、とても嬉しそうにしていました。
その日が来ると、いつもに増して足取りも軽く登校していました。
栄養士の先生が交代されて、これまでのように学校でお友達と給食を食べられる機会が減ってしまうのではないか、という心配もしています。
ただ、これらの心配がありながらも、母親に心配をかけまいとして、わざと素っ気なく受け答えをしているところがあります。
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