こだわりバコ

こだわりバコ

母の気持ち

【 母の気持ち 】



長男が生まれて、一番嬉しいはずの日が今までで一番悲しい日になりました。

悲しい気持にフタをして、私が一番しっかりしなくては...

そう考えながらも、震えが止まらなかったことを思い出します。

搬送先から戻った主人に聞かされた病状は信じられないほど、残酷なものでした。

「二分脊椎で、歩けないかもしれない...直腸膀胱障害...
 今後頭の手術もすることになるかもしれない...その場合知能に障害が出るかもしれない...」

きっと私と同じように辛く悲しい主人が1人で先生から話を聞き、

ウソをつかないで全部話してくれて、気丈に振る舞っている姿を見て、『しっかりしなくちゃいけない』

そう自分に言い聞かせる事が出来たんだと思います。

実際、泣いて取り乱すこともなく、最後は『これから頑張ろう!』そんな言葉で主人と別れた気がします。

でも、個室に戻って1人になると、

どうして私の所なんだろう?何か悪いことしたかな?

二分脊椎という病気を知っていたので、長女の妊娠前から葉酸を摂取していました。

まさか自分の子供がその病気になるなんて納得出来ない。

これからの事を考えると呼吸が止まりそうなくらい苦しくて

遠くに聞こえるよその赤ちゃんの泣き声で一睡も出来ませんでした。

次の日、長女を見たら涙が止まらなくなり、主人と2人で長女を抱きながらしばらく泣いていました。

でも子供の前で泣くのは止めました。

私がしっかりしなくちゃいけない。私は負けない。

だからどんなに気分が沈んでいても、外で遊びました。

人と話をしたくなくても、息子の病気の事を話しました。

うちよりもっと大変な病気の人もいる、だから弱音を吐くことは出来ない。

そんなふうに、ずっと自分を追い込んでいたような気がします。

私の悩みは確かに贅沢な悩みかもしれません。

でも辛かったんです。辛くて悲しくてどうしようもなかったんです。

その事に気がついたからとっても楽になって、

だからこそもっと前へ進んで行くことが出来るんだと思います。

そんなあの日からもうすぐ2年が経とうとしています。

思い返しても、あの時の悲しみはもうありません。

いろんな人に支えられて、いろんな事を乗り越えて今の自分がいるんですよね...

皮肉なことに、辛く悲しいことがあったから、胸を張って言えます。

私は今、幸せです。


2007.6月


『そうだうれしいんだ 生きる喜び

 たとえ胸の傷が痛んでも~

 何のために生れて何をして生きるのか

 答えられないなんて そんなのは嫌だ』

すごい深い歌詞に衝撃を受けた、アンパンマンの歌です。

毎日お風呂で歌って、病気よ飛んで行け~と、おまじないをしていました。

誰にでも生まれて来た意味があって、日々精進しています。

私にはどんな役割があって、どうしてこの家族になったのか

子供たちに何を伝え残してやれるのか...

ぼんやりと答えに近づいて来ているような気がします。


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