2ちゃんねる野球板ブログだったブログ

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2018年07月29日
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カテゴリ: 選手・解説者

鳴門工 ~ 帝京大 ~ 千葉ロッテマリーンズ
通算 1089試合 890安打 108本塁打 458打点 



小野晋吾さんは神経質で、打たれるとよく「サインを盗まれているかもしれないから」と、サイン変更を求めてきた。僕は小野さんの意向に従ってその度にサインを変えたが、前のサインと新しいサインがごっちゃになるのか、小野さんはしょっちゅうサイン間違いをした。

そもそもなぜ私は野球選手が著者名義になっている本を読みあさっているのか。野球選手の本、に限らず芸能人や有名人の本であれば純粋にその人が一から書き上げたものはほぼないと言い切っていいだろう。大概はインタビュー形式で取材を受け、その内容を後から編集者が書き起こして「その人が書いた体」にして出版される。かくして当たり障りのないインタビューから当たり障りのない内容の本が出版がされることとなるのだが…稀に本書のような例外もあるのでやめられないのだ。

ロッテが妙にお洒落な球団として扱われ始めた頃(2006~)正捕手を勤めていたのがこの本の著者、里崎智也選手だ。現役時代のリードさながらのヒヤヒヤする文章が満載である。冒頭の文章を読んでもおわかりのように、ロッテの選手は実名出して全方位爆撃と言った様相である。一部挙げると

久保 康友…フォークのサインを出してスライダーを投げたミスをビデオルームで問い詰めると「こういう握りのフォークもある」
グライシンガー…納得のいかないリードには首を振らない、怒りを込めて明らかなボール球を投げる
藤岡 貴裕…上記のような自己主張がない、こちらが意見を言うと沈黙する、どうしたいのかがわからない

成瀬投手と渡辺俊介投手とのやりとりもすごい。私は若手社員時代上司に詰められた記憶がフラッシュバックして、読んでて胃がキリキリした。巨人阪神の選手のパーソナリティがこんな感じで開示されたらネット界隈は盛り上がりそうなのだが、それほど話題にならないのが良くも悪くもロッテである。

他にも統一球のシーズン導入を控えた春キャンプでロッテが統一球を使った練習ができなかったことを「メーカーとのお付き合い上の大人の事情」と書いてみたり。他球団では宮本 慎也氏とは北京五輪で口論になり「監督に里崎を外すよう進言してくると言われた」とか、斎藤佑樹(日本ハム)についても今後どうしたいかのビジョンが見えないとか…まあ自由だ。自由なのだが、どこか「狙った」部分を感じるのである。

同年代に年間40HR打ってしまう阿部慎之介、ディフェンス力に秀でる谷繁元信、メジャーで正捕手を務めた城島健司…半自動アウト状態の打撃力で守備力も微妙な選手がレギュラーを張る昨今では信じられないほど、ほんの10年前は捕手大豊作時代だった。我らが里崎もすごい。捕逸が現役通算たったの20。確かに素晴らしい…が、この時代の捕手は化物があまりに多すぎた。地味さは否めない。そんな中、里崎はマリンスタジアムで歌い、踊り始める。すべては注目されるために。この本も同じような匂いがするのだ。過激な記述は読んでいてロッテとの関係性が心配になるが、引退後は球団スペシャルアドバイザー、さらにはビックリマン終身名誉PR大使もやっているし関係は良好なのだろう、恐らく。



個人的には単純に内角を攻めることが強気のリードとして評価される風潮に警鐘を鳴らしたり、打者の弱点のコースを突きたくても投手に投げきるコントロールがなければ要求できない場合もある、という記述もお気に入り。ネットのリード批判に辟易している人は溜飲を下げること請け合いである。終盤の章には彼なりの球団・球界改革にも触れられている。監督は公募にして出来高制にするべき、など現実問題可能かはともかくうなづける記述は多かった。

色々書いたがロッテファンには無条件でおすすめ、そうでない人にもサトザキイズムに触れる入門書として是非オススメの一冊である。彼は十年後、球界へ大きな影響力を与える、そんな人物になり得る予感がする。

現在ロッテは球団も会社も何かと色々大変そうだが、こういうときこそ劇薬里崎に全権委任し、思いっきり暴れさせて欲しいと思う今日この頃である。

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Last updated  2018年07月29日 23時09分12秒
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