こけだまのつぶやき がんになって今思うこと

こけだまのつぶやき がんになって今思うこと

退院の日



朝7時の男、A先生はやっぱりこの日も7時に診に来てくれました。

そこで改めて

「旅行は大丈夫!もし、今週のうちに出血しても行けるから。
今度下血したらすぐに病院に来て!」

と太鼓判を押してくれました。

退院後の初外来は本来なら、2週間後で京都行きの後に

なる予定でしたが、あえて出発前日に設定してくれました。

本当に心強い言葉で、正直に自分の希望を伝えて良かったと思いました。

朝食後、最後の点滴をして、薬をもらって、会計をして…。

ダンナの迎えが来たところで挨拶をして帰ろうとしていたところ。
この入院中色んな話しをして仲良くなった看護師さんが、
この日ちょうど日勤で、廊下でバッタリ。

忙しいだろうにわざわざ見送ってくれました。

子育ての為に看護師の仕事を辞めていた期間が長く、
「私はブランクが長いから・・・」
とちょっと自信なさげな看護師さんでしたがとても優しかった。

私の点滴が漏れてしまった時も、最初に挿し直しをしたのはこの人だったのですが
失敗してしまって主任さんにバトンタッチしたのです。

翌日の勤務の時、最初に自分が挿し直ししようとして失敗したところに
主任さんが針を入れていたので
「あー。私が失敗したところ。誰が入れてくれた?」

と聞かれたので
「主任さんだよ~」と答えると
「あー、やっぱり」と
ちょっとショックだったみたい。

「でも、人間の身体はスケルトンじゃないのに、血管に針さして、漏れないように
角度合わせるなんてすごいじゃない。
人によって深さも場所も太さも違うのに触っただけでわかるなんて
考えられない!」

私がそう言うとちょっとニコッとしてくれました。

私は学生の頃、一時医療関係の大学を目指していたのですが、

人の身体に針を挿す、とかとても無理だわ、と今は痛感しています。

だからそれができるだけですごい、と思ってしまいます。

病棟の最後までこの看護師さんが送ってくれて、
晴れて退院となりました。

久しぶりに外へ出たら、暑い!暑い!

車のエンジンがかかるかどうか心配でしたが
夏場だったせいかな、無事エンジンもかかり家に戻りました。

今までは出されたものだけを食べていればよかったけど

これからはどうやって食事制限を乗り切るか、何を食べたらいいのか

本当に京都に行けるくらい回復できるのか

ほっとするよりも不安な気持ちが先に立つ退院となりました。

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