忘れられた本棚

忘れられた本棚

夢を見る塔


ここに来てから…2年経ちました…







チョコは、布団の中でぼ~っと回りを見つめながら2年前の事を思い出していた

レミリアとフィンって言う兄姉が居て…それで…私は…?

2人は私の事…記憶喪失だから…これから思い出を作れば良いと言っていたけど

「ふわ~~~~…眠い…」

欠伸をしてからチョコはベットから降りて服に着替えた

羽は今でも小さいまま大きくなったりはしなかった

過去の記憶はさっぱり消えているようだし…

思い出そうとすると少しずつ霧の中に埋もれて行くような

そんな気がしてとても怖かった。

大事な思いでも全て消えていくような気がして…

でも、最近…私はみんなに秘密で面白い物を見つけてしまった

街の端の森の中に建っている大きな塔だ

誰でも存在している事には気付いているようだが、

知らない振りをしている様だった…だから…

「よ~し!出発~!」

小さな鞄を肩にかけて家から出て町外れまで歩いた

サンドイッチを昨日の内に沢山作っておいた。

そのサンドイッチをあの塔の1番上で食べる…

何てことしたら気持ち良いだろうな~

そう考えるだけで嬉しくなってくる、

思わず人に言いふらしたくなりそうだ

そんな事を考えている内に塔の入り口まで来る事ができた

何度か入り口を探した事がある…

「たしかこの辺に…抜け道があったと思うんだけど…」

小さな穴が開いていてそこからギリギリで中に入る事が出来そうだった

先に鞄を押し込んだ後、頭から穴の中に潜りこんだ

真っ暗で何も見えなかったがロウソクを用意したかいがあって何だか嬉しかった

埃の臭いが辺りを取り巻いていて今にも病気になりそうだと思った

火をつけて辺りを見ると出た所は入り口のすぐ横のようだった…

「はあ…こんなにボロボロだったんだ…」

もっとキレイな所を想像していたのに…裏切られた感じがしたが

元々冒険地味た事がしたくて来たのだからボロボロでも良かった

天井には蜘蛛の巣が張っていて気味の悪い像は砕けてボロボロになっていた

1つだけ残っている物があったが、その像も今にも壊れてしまいそうだった

服の埃を払ってから鞄を肩にかけなおして

前の方にロウソクを乗せた台を突き出してみた

廊下にはまだ使えそうな松明が沢山置いてあった

壁には火をつける台座があってまだ使えそうだった

「うわ~…何だか冒険してるみたい」

松明を鞄に入れてみたが鞄が小さ過ぎて入らなかった

床に落ちていた布の袋を引っくり返して見ると

穴が開いているがまだ使えそうだった、松明をその中に入るだけ詰め込んで

背中に背負ったが重くて持てなかった

何度か量を減らしてから背負いなおして前に進んで行く

結局5本位しか持ち歩く事が出来なかった

途中にある台座に一つ一つ火をつけると後ろのほうが明るくて少し安心できた

古い階段をどんどん上がって行くとロウソクの火がバチバチと音を立てて

小さくなったり強くなったりした

階段にロウソクを立ててから松明に火を付けなおした

フィンが持っていた火を付ける道具を少しずつ集めていたので

その辺はある程度余裕があった

「やっぱり、こっちの方が明るい」

松明は力強く燃えて辺りをしっかりと照らしていた

ロウソクはそのまま階段に火を付けたまま置いておいた

少しでも後ろが明るい方がチョコ的には心強いからだ

松明の火を頼りに上っていくと、綺麗な扉がぽつんと1つだけあった

「やっぱり!最初はもっと綺麗だったんだ~」

ロウソクを取り出して火を付けてから石の床に置いた

よく見るとその回りだけ埃がないようだった

誰かが住んでいるのかもしれない…急に恐怖感が出てきた

1つだけ綺麗な扉…ボロボロの塔…住んでる人なんて居ないはずなのに…

ゾクゾクと背筋が凍るような気がした…

壁に寄りかかってから床に座りこんでから

当たりにロウソクを沢山並べてから火を付けてみた

眩しいくらいの強い光が回りを照らしていた…が、何も見当たらない

足音1つしないようだった…

深呼吸を1つしてからロウソクの火を一つ一つ消してから鞄に突っ込んだ

「お化けなんて居ないよ…そんな話きいたこと無いもん…」

自分を納得させるように言ってから松明を握り締めた

でも…この扉が気になる…不思議な感じがしてくるような扉だった

松明を左手に持ち替えて恐る恐る扉を押した

少しだけ軋むような音を立てながら扉が開いた

体中に衝撃が走った…松明が手から滑り落ちて床で音をたてた

「い…あ…」

思い切り叫んだつもりだったが声にならなかった

痛い…何が起こったの?どうして…こんなに痛いの?

頭の中に色々な言葉が浮んできたがそこで何も考えられなくなった













私…死んじゃったのかな…?フィン君とレミリア…怒ってるのかな?

どうなってるんだろう…?死んじゃうのって…こんなに簡単なの?

「起きて…お願い…ごめんなさい…」

あれ?体…動くみたい…もう…痛くないし…そっか…まだ死んでないんだ…

ゆっくり目を開けると見たことも無い女の子が顔を覗き込んでいた

「あ…わたし…生きてる…?」

上半身を起こしてみるとベットに寝かされていた事がわかった

「よかった…ごめんなさい!!」

女の子は頭を下げて謝ってきた

「え…?あ…えっと…私も…ごめんなさい…」

ベットから降りて女の子を見て謝った

女の子は髪は短めで幼い顔つき、身長はチョコより少し高い位だった

「痛くないですよね…?大丈夫ですよね?」

「うん…大丈夫…」

よかった…と言ってから女の子はにっこりと笑った

「あ!そうだ…名前は何て言うのかな?僕はココアだよ」

「えっと…私は…チョコって言います…」

「そう言えば…どうしてここに来たの?守護者達は何をしてたのかな?」

ココアはそう言いながら窓を開けた

心地よい風が部屋の中に入ってきた

部屋の中を改めて見てみると塔の中とは思えないような部屋だった

どこかの偉い人の家のような…そんな所だった…

本棚にはチョコがこれまでに読んだ本の何十倍の数の本が詰め込んであった

「えっと…1番高い所に行って…サンドイッチ…食べようと思って…」

チョコは鞄を取りに行って中身を手にとって見せた

サンドイッチはペッタンコに潰れていて

煎餅の様にペラペラになっていた

「そうだったんだ…あれ?友達は来なかったの?」

ココアは笑いながらソファーに腰をかけた

「みんな…お仕事で遊べないんだって…だから…」

「そうだったんだ…それで…守護者達は?途中で会わなかったかい?」

「いえ…?会ってませんけど…」

チョコは首を傾げながらベットに座ってココアの方を見た

「会ってない?入り口に居なかった?石像なんだけど…」

そう言えば…入り口にあったような気がする…でも…あれは…

「もう…壊れてましたけど…?」

「何だって!壊れてた?そんな馬鹿な…」

ココアは椅子から立ち上がって窓から下を見て居るようだった

「残念ながら…1番上まで案内できないようだ…」

ココアはチョコの顔を見つめて苦笑いをするとベルトに短剣を付けてから

扉を空けて廊下に出た。チョコも鞄を肩にかけてココアの跡を追った

窓から入る光は途中で暗闇に吸い込まれて行くようだった

「あ…チョコは武器を持ってないんだっけ?」

古いボロボロのドアの前でココアがチョコの方を振りかえってから言った

「うん…そんな怖いの…持ってないよ…」

そうか…といって古い扉を開けた。そこには武器がいたる所に並べてあった

武器庫だろう…と言う事はすぐにわかった。

でも…1人でこんなに使うのだろうか?不思議な人…

ココアの後ろを付いて行きながらそう言う事を色々考えていた

真中には剣が床に突き刺さっていたボロボロで木で出来ている大きな剣だった

どこかの勇者が背中に背負ってそうな剣だ…鍔の真中には透き通るような

宝石のような物が埋め込まれていて神秘的な光を放っていた

「これ!凄いね~!カッコイイ~」

そう言いながらチョコは床に突き刺さった剣の柄を握り締めた

「あ!!!折れちゃう!」

ココアの叫び声にビクッと体を縮めた

部屋中に響くような鋭い音を立てて剣は折れてしまった

「あ…折れ…ちゃった…?」

チョコは自分の握り締めている剣を見つめた

剣の鍔から10cmあるか無いかと言う感じで折れている

「ごめんなさい!!私…」

「良いよ…それ…僕が何度も抜こうとして無理に力を加えたから脆くなってたし…

それに…この剣くらいなら一時的に使えるかな~って思ってて…

チョコにあげようと思ってたんだけど…短くなって良かったかな?」

そう言いながら笑って剣の大きさに合う鞘を持ってきてくれた

「鞘の方がかなり大きいけど…重くはないでしょ?」

「うん!この位だったら全然重くないけど…」

「気にしてるの?だから…これっておもちゃだから…ね?」

「うん…ありがと…」

10cmの長さの剣を割に合わないほどの大きい鞘に収めてから

ココアが背中に背負わせてくれた。

どこかの勇者になったような気分だ…かなり大きいのに

まったくと言って良いほど重みを感じなかった

「さあ…急がないと…ここはもう安全じゃないようだし…」

その言葉と同時に上の階が吹き飛ぶような音がした

天井から石のかけらが雨のように降り注いできた

「わあああ…どうなってるの…!?」

「走れ!早く!!さあ!」

見えない何かから思い切り走って逃げ出した

怖い…転んだりしたら…絶対に死んじゃう…転ばないように…

そう思えば思うほど転びそうになる…

「はあ…はあ…何が…来てるの?」

「チョコ…守護者が壊されてたって行ったよね…

あれは…侵入者を排除するための物なんだ…だから…ここには君以外にも

誰かが侵入しているんだ…!他の目的を持っている何物かが…!!」

横の壁が吹き飛んで外に落ちて行った、地面は近い…

「もうダメだよ…殺されちゃうよ…」

泣きそうな声を上げながらチョコが小さな声で言った

「次の階で外に出られる!そこから街に走るんだ!

もう騒ぎは始まってると思う!わかった!?」

「うん…!」

最後の階段を降り切って廊下を走った…つもりだった…

視界が急に切り替わって、自分の居た場所より

少し離れた場所にあったさっき居た場所はもう瓦礫の下になっていた

そこでやっと自分の足が地面についていないことに気がついた

「あ…れ?フィン…お兄ちゃん?」

すぐ横にフィンが息を切らしてチョコを抱き抱えていた

フィンはチョコを床に下ろしてからココアの方を見た

「いたた…チョコの事しか助けないなんて…」

ココアは立ち上がってから服の汚れを払いながら近付いて来た

「心配が必要だったのか…?だいたい何で…」

「?」

フィンがチョコを見てから苦笑いをして前の方を見つめた

「久しぶりに出会った挨拶は…もう少し後でしよう…」

「そうみたいだな…それじゃあ…行くぞ!」

2人が武器を構えて見えない敵に向って走った

その瞬間に二人の体が吹き飛びチョコの後ろにある壁にぶつかっていた

「だ、大丈夫ですか!?」

「普通のモンスターじゃなかったんだな…」

フィンが苦笑いをしながら武器を拾いなおしてから敵のほうを見つめた

「…我等二、勝テルト、思ッテ…イルノカ?」

ホネがかすり合うような不気味な音を立てながら人のような物が

空から舞い降りてきた…背中にあるはずの羽は既に骨になっていて

目は異様な光を放っているようだった…

見ているだけで吐き気が押し寄せてくるようなそんな気がした…

「こいつは…破滅者…か?まさか…?いや…ありえない」

「フィン…そのまさかだ…夢見の塔で読み漁った本に挿絵があった…」

「どうなってるの?ねえ?フィン?ココア?」

チョコが二人の顔を覗き込むと同時に背中で声がした

「破滅…ソレハ…我等ガ存在スル為ニ必要ナ事…封印ヲ解ク…役目…」

「やめろぉぉ!!」

ココアが叫びながら異様なものに向かって走り出した

「どう言うこと…?破滅?」

ココアが振った短剣が空を切った

「オ前…連レテ行ク…」

一瞬何かが目をおおったように見えたが、それが息苦しさに変わった

「え…!?」

息が詰まるよ…苦しい…死ぬ?

今日って本当に死ぬこと多い…私…

もう殆ど苦しくない…気絶したのかな…?

それとも死んじゃったのかな?

『戦わないのか?我等がいつも一緒に居ると言うのに?』

「誰?天国に行く時に聞こえるって言う…あれかな?」

『諦めてしまうのか?仲間を助ける事もせずに…自分の命も守らずに…』

「でも…もうどうしようもないよ…体も動かないし…」

『体が動かない?何を言っている?動くだろう?さあ…戦おう…我等と…』

「だけど!戦うなんて…した事無いもん!」

その時からだが急に落ちて行くような気がした

全てが何かに引き寄せられて行く…時間が歪む…世界が捩れて行く…

『我等とお前の仲間は…歴史を…そうだろう?』

目を開けると同時に地面に叩きつけられた

フィンとココアはボロボロになりながら敵に立ち向かっていた

『さあ…武器を取り…戦おう…必ず勝てる…絶対に!』

チョコは木の剣を鞘から抜いて10cmも無い刃を敵に向けた

『刃を振れ!!』

「切り裂け!生命の欠片達よ!」

チョコが叫びながら剣を振るとその場所に黒い物が現れた

そこから緑色の円盤のような物が無数に飛び出して不気味な敵を貫いた

貫くと同時に勢いを無くした緑色の物体が

ひらひらと地面に向って舞い降りて行った

「グアア!!貴様…キサマァ!!」

破滅者は、グラグラと立ち上がるとチョコに向って手をかざした

「そこまでだ!これで…終わりだぁ!!」

フィンの銃の先についている剣が破滅者の体を貫いた

それと同時に銃声が響き渡った

破滅者が真っ暗な空間に消えて行くのをチョコは見た

これで終わる事は無い…その言葉を聞くと同時に全身の力が抜けて

回りは真っ暗な闇に包まれていった…




一応…ここまでで良いのかな…???

えっと…一応チョコの力が発揮されてますね^^;

何だか書き始めるとページの限界を超えそうになりますね

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