忘れられた本棚

忘れられた本棚

本物の勇者


~本物の勇者~





「人間界に着いたら絶対に村か町に止まるんだぞ…」

チョコ達の背中を追いかけるように魔王の声が響いていた

なるべく早く人間界に着きたい…

「そこの道を抜ければ人間界だ!!」

ココアが後ろから叫んで知らせると全員で光に向かって飛び込んだ











俺は特別な人間で…急に凄い力が出せたり…そこら辺の人達とはまったく違うと思ってた…

「悔しかったらその剣を抜いてみろよ!!」

剣を抜いて…

目の前に居るこいつを切りたい…

僕はこんな奴とは違うって…

「お前には何の力も無いんだよ!!そこで一生倒れてろよ!」

嘲笑う声…

とても悲しくて…

涙が溢れてくる…

空を見上げたがそこに青空は無く

大きな鉄板が浮いているだけ…

浮いている?

違う…

張り巡らされてる…

今、下の世界に居るのは働く能力が無い者ばかりだった

地上には魔物が出る…

だから空に街を作ろう…

そう言い出したのは何処かの国の王様だったと思う…

みんなそれに賛成した…

とは言っても沢山の時間がかかってしまった

だから、王様は死んでしまって…

自分の金の事しか頭に無い人が王になった

「…青空は…もう見れないのかな…」

凄く悲しくて…

一度も見た事が無い空を、今でも考えてる…

写真で見た事がある…

白いのが浮いてて…青くて…綺麗だった

今日殴られた右の頬がズキズキと痛んだが、我慢して立ち上がった

腰に下げている剣についた土を手で綺麗に払い落とした

この長剣は、ずっと昔の勇者が使っていたって聞いた事があった

どうして家にそんな物があるのか…それは…

「どうして…僕は勇者じゃないんだよ…」

自分の家に向ってゆっくりと歩き出した時…すべてが始まった

―運命を受け止めて…歩き出せる勇気はある?―

和寿はふと足を止めて鉄でできた空を見上げた…

小さな点が少しずつ大きくなってくる…落ちてくる!?でも…何が!?

細い手?足?あれって…人間!?

もう駄目だ…地面にぶつかる!!あの子は…確実に死んで…しまう…

「駄目だ!!死んじゃだめだ!」

和寿は走り出した、間に合うか?いや…間に合わないと…

両手を広げて空から落ちてきた者を受け止めた

重みが来ると思って歯を食いしばったが何とも無かった

「あれ?女の子…」

地面に降ろして顔を覗き込んだ。栗色の髪…小さな羽…犬のような尻尾…人間じゃない…

「うわ!魔物!?」

思わず手から力が抜けて地面に落としてしまった

地面に転がっている木の棒を拾ってきてしばらく倒れて動かない女の子を見下ろしていた

どう言う事だろう?空は鉄板で覆われているのに…

天使なのか?でも、羽が小さくて飛べそうにないし…

この尻尾は?狼?犬?なんだろう…変な生き物だな…

本当に天使だったら良いのにな…どうしよう…

「勇者は困ってる人を助けるん…だよな」

和寿は何かを決意したかのように深呼吸をしてからゆっくりと歩き出した

―逃げないでね…長い旅になるかもしれないから…―











落ちていく感覚と共に布団から飛び起きた

そこは薄暗い部屋の中で、灯りはついていないようだった

ソファーには男の人が寝ているようで机の上にチョコの折れた剣が乗せてあった

その机に立て掛けてある長剣…

柄はもうボロボロになった布が巻かれていて

かなり使い込まれていると思わせていた

「みんなはどうしたのかな?何処に行っちゃったんだろう…」

とは言っても急に出て行く訳にはいかない…

ここが何処なのか、どうしてここにいるのか…

それを聞いてからじゃないと前には進めないよね?

チョコは自分自信に訪いかけながらベットに腰をかけた

「ん…?あれ…起きたんだ…」

落ちつかずにソワソワとしているチョコを見て男の人はそう言った

ソファーから身を起こしてから背伸びをしている姿を見てみると

背がチョコより20㌢くらい高いと言う事がわかった

そんな事今ではどうでも良いかな…?

「私の事…助けてくれたんですか?」

見ず知らずの人を家の中に入れるのは危険な事だ

それくらいの事はわかってる

レミリア…に教えてもらったから…

「ん…そうだな…勇者だからね…」

「ゆうしゃ?」

ゆうしゃって何だろう?

名前…なのかな?

「ユウシャさんは有名な人なんですか…」

「そう!有名な人だよ…憧れてるんだ…」

名前…じゃ、無かったのかな?

違ったみたい…

「ああ…俺の名前は…和寿って言うんだけど…」

「私は、チョコって言います…」

「チョコちゃんね!よろしく!でさ…聞きたいんだけど…チョコは何処から来たんだ?」

「うんと…ちゃんと説明できないけど…こことは違う世界…かな?」

「違う世界?ここ以外の?」

「うん…そうだと思う…」

和寿は立ち上がってからウロウロと部屋の中を回った後で剣を手にとった

「仲間は居ないの?ここまで…一人で来た訳じゃないんだよね?」

「うん…みんな…居なくなっちゃったけど…」

「……そうだな……よし!探しに行こっか!」

にっこりと笑う和寿をボケっと見つめていた自分に気がついてハっとした

手に持っていた剣を腰に挿して窓を開けてくれた

窓の外は薄暗くて、空には鉄板が張り巡らされている

冷たい風が部屋の中の温かかった空気を攫って行った

「あ!ごめん!あの鉄板の所為でここは年中寒いんだ…」

そう言った和寿が顔を顰めていて

迷惑をしている…

そうだと思う…こんな所に住みたいとは思わない

「まあ…何時までも家に居れないしさ…」

「うん」

家を出たとき…時計の針は10時を刺していた

10時…朝なのか夜なのかわからない…周りは薄暗いままだった

村に生えていたと思われる木は

既に枯れていて、村も何処と無く廃墟のような雰囲気を出していた

この村は怖い…

霊的なものが出るとか…

そんなんじゃなくて…

ただ単に…

村全体から…

殺気を感じる事が出来たような気がした

家の窓からこっちを見ているような…

枯れた木の陰から狙っているような…

とにかく不気味で…気味が悪かった

村の入り口にはボロボロになってしまった門があって

今にも倒れそうなぐらい傾いていた

「子分を連れてお出かけか?良いご身分だな」

あざ笑う笑い声が空からも降ってくるよな感じがした

血で黒く染まったような剣を片手に持って

たくさんの仲間を引き連れている人が門の外に立っていた

寒さで下を向いていたから気がつかなかった

「…この子の仲間を探しに行くんだ…そこを通して欲しいんだけど…」

「へえ…弱くて何にも出来ないカズトシ君が探しに行くのかー?」

「…そうだよ…ルピス…駄目かな?」

和寿の顔が一瞬苦しそうに見えた

ルピスと呼ばれた男の人は和寿とチョコの方に歩いて近づいて

和寿の顔を見た後、チョコを見下ろした

「魔物…?」

「…あのさ…早く通してくれないかな?」

「昨日の事…忘れたわけじゃないんだろう?」

「…忘れてない…だけど…俺は、俺は…行きたいんだ…この子と…」

和寿はチョコの方を見て頭をなでた後

真剣な顔でルピスの顔を見つめた

「じゃあさ…俺と…本気で殺し合い…できる?」

「……そうしないと…先に進めないんだよな…」

「たった1日で強くなる事は無いんだぞ?お前はトクベツなんかじゃないんだからな」












空気が薄い気がする…変なところ…

「ねえ…フィン?ここ、人間界なの?」

「さあな…それよりも…チョコが居ないからな」

顔を顰めながら辺りを見まわすフィン

「とりあえず…街に行ってみよう…何かわかるかもしれない」

ココアの言葉でレミリアとフィンが顔を見合わせてから頷いた

澄み切った空…綺麗な大地…整えられた道

何処か変な感じがする…

死のニオイがあまりしない

魔物の気配もまったく無い

これが人間界なのかな?人間界ってすっごく平和な所だったんだ

旅が終わったらこっちの世界に住みたいなー

…旅の目的って何だろう?

これは何の為に旅をしてるの?

たしか…フェンリルが私を猫に変えて

その後、お父様がかなり怒って…

天界でも同じ事が起こったとかで…

???関係無いのかな?

それで…えっと…チョコはちゃんとした天使になる為に…

心を探してるんだっけ?

だんだん意味がわからなくなってきたよ…

「フリージア?」

「ふわ!?」

急にレミリアに話しかけられて変な声を出してしまった

「どうしたの?ぼ~っとしてたけど…もしかして、チョコの事心配してたとか?」

「うーん…心配は心配なんだけど…別の事…」

「別の事?」

前を歩く男2人に聞こえない程度の声で聞き返してきた

前の二人は人間界に何が起こったのか?とか

何故チョコだけ居なかったのか?を

話し合っているようで

大して心配しているようには見えず

チョコはこの人達にとってどうでも良い存在なのか?

それとも、信用をしきっているのか…

実は…ただのお荷物だと思っていたのかもしれない

ちなみに私とチョコは、出会ったばかりだけど…友達

階段をみんなで降りて行くとき…私に言ってくれた事…

『私達…友達だよね?』

「!?」

頭の中にチョコの声が聞こえて辺りを見渡した

元気にしてるかな…絶対に…会えるよね?

「みんなはチョコの事をどう思ってるんだろう…とか…旅の目的とか」

「そっか…私にとっては、妹だよ…すっごく大切な…今すぐ走って探しに行きたいくらい」

「私も…走って見つけに行きたい!怪我とかしてないよね…」

「フリージア…えっと…ごめんね…私が思ってたより…優しくて…ホントに良かった」

申し訳なさそうに頭を下げるフリージアを見て

そんな事無いよ…と思わず声が出た

優しくなんか無いよ…天使が憎くなくなったのは…あの時から…だから・・・

「街が見えた!走ろう!時間が惜しい」

ココアの声に頷いてから4人は街の方に走り出した











「わかったよ…さっさと出て行け…」

立っているのもやっとの状態で和寿その言葉をかけられた

「あとな…途中で帰ってきたら…その時は…ぶっ殺す!!…からな」

「あ…ありがと…」

この状態で行くのは無理だと思う…だからもう1日休んでから行く事になった

さっきまで不気味な空気に囲まれていた村は今はその気配も殆ど消えているようだった

和寿の隣の家に住んでいるおばさんの家に泊めてもらう事になり

昔生きていたと言う娘さんの服と風除けのマントをもらう事が出来た

「あたしが持っててもね…だから…使ってやって欲しいんだよ」

おばさんはとても悲しそうな顔をしていて…どうお礼を言えば良いのか迷った

「…本当にありがとうございます!」

お礼を言って顔を上げるときには、おばさんは微笑んでいて

朝にはその服を着せてくれた

最初から来ていたワンピースの上に着てみると

昨日に比べるとどう考えても暖かくて

マントを体に巻きつけるようにして風を防ぐと

薄い布団に包まったような感じがして何故か嬉しかった

「よし…行こうか?チョコ」

枯れ果てて薄暗い荒野に2人で足を踏み出した

「カズトシ…さん、頼りにしてます」

「任せとけ!」

ちょっと…不安の残る出発になった気がした

任せて良いのかな…本当に…






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書くの遅いですけど…勘弁して下さい~><

何て書いて良いのかわからないんですよ…

表現方法がかなり悪いですよね…

読んでくれてる人がいるのか分からないですけど…

名前とか…まだ募集してます!

あと…ネタ?の提供とかもしてもらえると嬉しいです^^

ここまで読んでくれてありがとうございました♪


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