忘れられた本棚

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花畑の再会


~花畑の再会~










「っと…出発の前に行っておきたい場所があるんだ…」

エースにとっての、大事な場所…

その場所は今居る小屋から、しばらく離れた場所にあるもの

昔のチョコが大事に育ててたもの…

それが何なのか、今のチョコにはまったく判らなかった

行けばわかる…そう言われてみんなは歩き出した

その場所に向かって歩くエースとエレクは何故か嬉しそうにしていて

その場所に向かうのが少しずつ嬉しくなって行くようなそんな気がした

胸の奥で何かがざわめいていて、その何かがチョコの足を前にと進めていく

風が吹く度に心臓の音は大きくなって行く、固い地面を踏みしめる足に力が入る気がした

死ぬ前に綺麗な花畑を見るって言うけど…

その、死という物の中に迷い込んでしまったかのように思えてしまう

そんな光景だった…

空から降る光が消えた世界で、どうして其処だけが輝いているのか

花畑じゃない…畑なんて大規模な物じゃなくて…

小さな十字架の前に咲いている花がとても神秘的で…綺麗だ

何処から射し込んでいるのか判らない光が、その花の周りを照らしていて

其処だけ切り離された世界のように見えた

胸の中が苦しくなって、心の中の自分が何かを探しているように騒ぎ出す…

「ただいま…」

何も分からない…ただ、その言葉が口から出た

涙が溢れて、止められなくて、私はその場に座り込んで泣き出した

懐かしい場所、誰かと何かを約束した。

『懐かしい気持ち…無理をしないで…私は、いつも一緒に居るから』

頭の中に響く声…その声に導かれるように

チョコは小さな十字架を見つめた

「…よし、行こう」

エースの声でみんなが横に立って居る事に気がついた

エースとエレク、カズトシに大丈夫だよ。と笑ってみた

チョコが花が巻き付いた小さな十字架をゆっくりと撫でる

それに合わせる様に光が溢れて、チョコの中に吸い込まれて消えて行った

「これは…?」

「心と記憶の修正が少しだけ行われたんだ」

カズトシの疑問にエレクが答える。

「今では、影の部分がよく見えるからな…」

「影の部分なんて…この子にある?」

「わかってない野郎だな!心が暴走してないのが不思議なくらいだ…」

どうしてエレクとエースが心の事なんかを見えているかの様に

読めるのかがかなり不思議

不思議と言えば…鍋の中のトケイソウもかなり不思議だった

何で鍋の中にトケイソウがあったんだろう…?

全身が黒い鎧なのも不思議だし…エレクさんの肘まである篭手も不思議…

「あの…鍋の中にあったトケイソウは何だったんですか?」

「あ…あれか…食えるかと思って、ちょっとな」

トケイソウを食べようと思ってたの!?

やっぱり…この人変かも…確かに私も食べようと思ったけど…

鍋で煮たりはしなかったよ…私はそのまま食べたもん

お姉ちゃんに怒られちゃったけど

「えっと…それじゃあ、この篭手とエースさんが着ている黒い鎧は何ですか?」

エースとエレクの顔が一瞬苦くなったように見えた

「そうだな~…俺達みたいに一回死んで復讐の為に起き上がった体は部品が足りなくなっててな」

気にしていないような声で喋ってはいるが

本当はこんな事を話すのは嫌なんだと思う…

それに…部品が足りないなんて…自分の体を部品っていうものなのかな?

「足りなかったんだけど…俺は鎧に近付いたら、こいつは篭手に振れようとした時にくっ付いたんだ」

「くっ付いたって…」

「だから、体に勝手にくっ付いて、剥がれなくなったって言う楽しいお話」

楽しいかどうかは別として、お風呂とか入れなくて不便そう

死んじゃったら色々と大変なんだ…

死なないように気をつけよう…

チョコはそう心の中で呟いて十字架にもう一度手を当てた

「また、来るからね」

昔の自分に言い聞かせるような、そんな不思議な気がした

エース、エレク、カズトシは言葉の後に続くように目を閉じた

「お~い!そこの人達~」

聞いた事のある声…何年も会っていなかったような気がしてくる声

チョコ達は振り返って向こう側に見えるまだ小さい影を見つめた

走って近付いてくる4つの影が大きくなってきた

「そこの人達!天使の女の子、見た事無い?」

レミリア?がそう言った。

「見た事あるけど…?」

「何処で?」

カズトシの言葉にすばやく反応するフリージア

ここに居るのに気付いてもらえないのが少し寂しい気がした

気付くまで絶対に話しかけないから…

心にそう決めてチョコは地面に座り込んだ

「て言うかお前等誰だよ…」

「人に名前を聞くときは自分から名乗るものだよ」

「人じゃないだろ…」

「あんただって人間じゃないだろうが」

今にも喧嘩を始めそうな雰囲気を出している4人

エースとエレク、ココアとフィンだと思うけど…

相性が悪いのかもしれない、両方が顔を顰めて睨み合ってる

「チョコって言う名前の子なんだけど…」

「あ!チョコなら知ってますよ」

「ど、何処に居たの?」

「えっと…空から落ちてきましたけど?」

「今は!?」

「今はそこに居ますけど…」

カズトシの落ち着いた話し方が何とも笑える気がしたが

膝に顔をうずめて声を上げたいのを我慢しながら笑った

「……チョコ…?ちょ、チョコ!!何で居るって言わないのよ!」

「だ、だって…面白いんだもん…」

クスクスと笑っていると、レミリアとフリージアは安心したような声を上げて溜息をついた

「心配したんだよ…本当に」

「うん…」

レミリアに抱きしめてもらった後にフリージアに頭を撫でてもらった

小動物のように扱われるのは少し嫌だけど

この人達に頭を撫でてもらうのはまったく別…とても落ち着く気がする



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