「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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第4話~さまよう拳~
~さまよう拳~
あの花見以来、みんなが顔を合わせる機会が増えたような気がする
大げさで言ってる訳じゃない…いつも部屋に閉じこもっていた例の4人
カシスとクラレット、ソルにキールこの4人が食事の時以外でも部屋から出るようになった
だけど…それは、私にとって最悪の瞬間でもあったのかもしれない…
あの足音が聞こえてくると背筋がゾクリと凍りついたような気分になる
足音を立てずに逃げようとしても首輪の音で気付かれてしまう…
だからもう逃げない…リーラとレインはさっさと逃げようとするが、絶対に逃げる事が出来ない
これは断言しても言いと思う…アヤとナツミ、カシスとクラレットから…逃げたい!逃げなきゃ!
本能がそう語ってる…このままじゃ…体が持たない!死んでしまう…でも、逃げれない…
「ちょこー!もう縮むのは止まったかなー?ちょっと見して?」
「嫌ぁ!!もう何ともないよー!!」
椅子に必死でしがみつくが引き剥がされてカシスの膝の上に移動させられてしまう
「これで耳が生えるとしたらどんな耳なんだろう?猫?兎?犬?」
苦しいほどに締め付けてくる腕が痛くなってきて身を捩って抜け出そうと試みる
無駄だとわかっていても、そうしないと辛い…本当に苦しい…
「羽でしょ?犬の尻尾…次は猫で決定でしょ!!」
「今でも似合ってないからな…何が生えても良いじゃねーか」
何故か気合を入れるナツミに対してガゼルは眠たそうに目を擦っていた
「そんな事ないですよ?意外な組み合わせが結構似合ったりするんですから」
「そうですね…兎の耳が生えたらそれはそれで良いんじゃないでしょうか?」
アヤとクラレットのは笑いながらご飯を食べているが…目が期待をしている目に見えました
何かが生えることを望んでいるのか…それともただの遊びで言っているのかわからなかった
むしろそれがさらに怖い気がした…
「あ、あの!もう許して下さい!!」
いつもの様に裏返りそうな声を何とか正常な声に直そうとしながら言った
「苦しい!はなせよー!」
「チョコ!!助けて!」
レインとリーラの叫び声が聞こえたが、抱いている本人は嫌がっているとは思ってないらしく
可愛い!とさらにきつく締め付けて喜んではいない声をあげさせていた
「さ!片付けるからみんな退いて!カシス?チョコを放してあげなさい?」
リプレの一声でカシスは床に降ろしてくれた。
「はあ…疲れた…」
「チョコは?痛くなかった?」
大丈夫!と言って笑顔を見せると2匹は溜め息をついた後遊びに行こう!と言って誘ってくる
最初は頑張って働ける場所を探してはみたが全員に反対されて子供は働かずに遊んで居ろ
と言う結果になってしまった…だから毎日公園で適当に遊んでいる
トウヤはベンチに座って遊んでいる姿を何故か見つめる役になってしまったらしかった
とは言っても…この遊びがいつまでも続く訳が無く…既に飽きてしまった
「トウヤさん!今、暇ですか?」
目の前のベンチに座っているトウヤを見下ろしながら言ってみた。
トウヤが立ち上がるとまた見下ろされる立場に逆戻り…今の内に見下ろしておこう
「どうした?遊ぶのは終わったのか?」
「うん…繁華街の方に行こうと思うんですけど…一緒に行きますか?」
大きな溜め息を残してトウヤの顔が視界から消えて白い服が見えた
「仕方ないな…逸れるなよ?」
トウヤの後ろを一生懸命付いて行く、歩幅を合わせて欲しい…なんて考えは頭の隅に置いておいた
繁華街は昼よりも夜の方が混み合うと言う事は知っている
迷子になったとき何度かここに迷い込んだ事があった。
「あ…これってなんですか?」
賭け試合…と書いてある看板…その横に立っている私より背の高い男の人…
トウヤのマントを引っ張りながらその男の人に指を射した。
「ん?俺っちの事か?」
頭には、ハチマキをしていて、手には防具と言われる武器を付けているようだった
「わわ!!ごめんなさい…」
手を背中に隠してトウヤの後ろに隠れる様に下がった
その姿を見てその人は面白そうに笑いながら頭を掻いているのが見えた
「良いって良いって!それよりさ、そこの兄ちゃん俺と賭け試合しないかい?」
「賭け試合か…僕はそういう荒事をこの子に見せようとは思わないけどね」
トウヤがちらりとチョコの方を見てからきっぱりと言い放った。
上手く良い訳に使われちゃったのかな…?わたし…
「ああ、悪い…そうだ!俺っち、ジンガってんだ。俺っちさ…」
ジンガは修行の旅をしているらしく、色々な所を回ってきているらしかった
しかもお金が無くて、それなのに賭け試合をしようとしてる…という話だった
話を聞いている途中に目の前の店の時計が目に入った。2つの針が天辺を差している
「あ…お昼だよ…トウヤさん…帰ろう?」
本当は肩をトントン叩いて教えたいが、手が届かないのでマントを引っ張ってから教えた
ジンガと別れてフラットに帰りお昼を食べたが、その後もしばらくやる事が無くて
フラットの子供達三人と一緒にごっこ遊びをして遊んだ。学校ごっこだった
不思議な気分だった。何というか…何をしていいのか判らないような…寂しいような…そんな気分
何をやっても楽しくなくって、考えると浮ぶのはいつも同じこと…みんなの事…
アヤも同じような感じになった事があるらしかった。その時みんなはこう言ってた
―ホームシック―
あの時は、少し可哀想だと思った。
こんなに辛い物だとは思わなかったし、すぐ直ると思ってた
悲しくて、涙が止まらなくて、凄く苦しかった。
怪我なんかとは比べ物にならない何処までも続いている心の痛み…
胸を必死に抑えてこの痛みを押さえようと思った。
我慢していたら治る…きっと…治るよね?
部屋のドアがノックされて思わず顔が引き攣った
今顔を見せたら泣いていたのがばれてしまう
返事をしようにもちゃんとした言葉が出そうに無い…
こう言う時は…寝たふりをした方が良いに決まってる…何も言われない…
布団の中に潜りこんで息を整えて目をつぶった
いつもより鼓動が早い…ドキドキする…ばれたら嫌だなって思う
扉が開くと同時に静かな声が聞こえてきた
「チョコさん…寝ちゃってますか…?」
アヤの声だった。
部屋の中に入って来た後そのまま布団の中のチョコを見つめた
「寂しかったよね…ごめんね…気付いてあげれなくて…チョコが、1番寂しいと思うのに」
あの世界でやっと出来たと思う…家族…みんなで家を建てて…ずっと一緒だと思ってた
「ごめんね…寝てるのに…こんな事言っても意味無いですよね」
アヤがチョコの体を抱き寄せてから立ち上がって部屋を出て行ってしまった
体を捻ってドアの方を見つてみたが、誰かが来ると言う感じはしなかった
「ちょ、チョコ?あのね…家族ってすぐ側にあると思うよ?すぐ側に…」
窓の外から急に声が聞こえてきて、体が動かなくなった。
「だ、誰…?」
「誰なのかは何れわかるよ!とにかく元気だしてね!あ…見つかるぅ」
窓の外で草を分けて走って行く音が聞こえたがそのまま何処かにいってしまった
「……何?さっきの…」
さっきまでの気持ちが無くなったような気がした
不思議な声だった…自分自信に励まされたようなそんな感じがした
何だか頭が重くて…体がだるい…まともに歩くのが辛いような気がした
「チョコ…?大丈夫か?」
部屋から追い出していたレインとリーラが少し開いたままのドアから顔を覗かせていた
「眠り過ぎたみたいで…フラフラするの…それだけだよ」
ゆっくりと笑ってからベットに腰を降ろした。
部屋の中を見渡すつもりは無いのにグルグルと目が回っている
気持ちが悪い…もう少し寝ようかな…はあ…
「寝過ぎだよ!そう言えば…ジンガって奴が来てた」
さっき会ったばかりの人が?
どうしたのかな?
「ジンガさんですか…何処に居るの?」
「居間で何か騒いでたよ?」
フラフラも結構治ってきた。
見に行ってみようかな?
楽しそうだし…うん!行ってみよう!
ベットから立ち上がって少しフラフラしながら居間の方に向った
歩いているうちにフラフラは治ってしまっていた
「あれ?ジンガさんは…?」
椅子に座って本を読んでいるアヤに向って呟いてみた
「あ!チョコさん!ジンガさんは…繁華街…に行っちゃいましたけど」
「そうそう!繁華街!」
アヤのとなりに座っていたフィズが嬉しそうに言った
「繁華街ですか」
居なかった事には少し残念に思えたが居ないなら居ないで良いと思った
そこまで興味がわくと言う訳ではなくて、追いかけてみようとも思わなかった
「チョコさん…あの、試したい事があるんですけど…良いですか?」
部屋の入り口から顔を覗かせたクラレットが申し訳なさそうな顔をしながら言った
後ろにはキールやソルが隠れている…これを見ると、クラレットが何かで負けたようだった
「あ…はい!良いですけど…」
早歩きで3人の方に寄った時、事件は起こった…
「おい!ジンガは何処に行った!?」
ハヤトが中庭の窓から飛び跳ねながら中を覗いて叫んでいた
「繁華街ですけど…」
ハヤトは一瞬止まったと思うと薪を切っていたガゼルに向かって叫ぶとそのまま家の中には入って来た
「オプテュスの奴等と繁華街で喧嘩したんだよ!だからさ、絶対仕返しに来るよ」
剣を腰に差したハヤトは、早口で言うと目で早く行こうと訴えていた
「実験は…?」
「……実戦でやってみましょう!」
それを聞いた時にはみんなと一緒にバタバタと繁華街に向って走り出していた
繁華街にはもう喧嘩が始まっていて、その中にトウヤとナツミ、カシスの姿が見えた
「チョコ!これを使って何かに呼びかけろ!」
ソルが渡してきた白くて透明なサモナイト石を両手で握り締めてみた
白い光が辺りに広がって、それが空の上に上がって行く…
「やっぱり…チョコも召喚術が使え…!?」
「ようテメエ等…昼間は俺の子分たちを可愛がってくれたそうじゃねーか」
バノッサが子分達に守られる様に出てきたと思うと大声で叫んだ
「お願い…誰か来て!」
両手を思いきり空に突き上げるとバノッサの頭上に何かが飛び出してきた
「はぐれ野郎…テメエ等もトドメを刺してやる…!?」
よく響く気持ちの良いような音を立ててタライが落ちてきてバノッサの頭に当たった
普通の召喚術よりリアルで痛そうだった…
バノッサはフラリと踏み止まったと思ったがそのまま倒れてしまった
「何かのコントみたい…」
腹を抱えて笑うハヤト達と一緒に笑っては見たが、あのタライさんは大丈夫だろうか?と思った
バノッサ達が居なくなった後チョコはタライに駆け寄った
「大丈夫ですか!?あの…タライさん?」
タライには顔もなく、生き物の暖かさもしなかった
「タライさん…死んじゃった?」
タライの1番の死因は、バノッサの頭突き…多分それが1番の死因だ…と思う
「チョコー…タライは生き物じゃないでしょ…?」
後ろで笑い過ぎで涙を流していたナツミがチョコの頭を撫でながら言った
「そうなの?じゃあ…名前をつけてあげないと…」
一応タライにタライと言う名前をつけて制約?を交わしておいた
すぐに分かるようにタライの淵に顔を書いて底に名前を書いておいた
送還の光に包まれてタライは元の世界に戻って行った
「白いサモナイト石はチョコに渡すようにした方が良いな」
ソルは笑いながらポケットの中にあった3つの石をチョコに手渡した
「無属性を操る召喚師なんていないからな」
キールの言葉は励ましなのか貶しなのかまったく分からなかった
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
えっと…チョコが最強になるようにして見ました!!
ギャグ風味にして見たんですけど…どうですか???
笑えませんでしたか???笑えると思ったんですけど…
感想をよろしくおねがいします!!
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