「007 スペクター」21世紀のボンドにスペクター
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第6話~静かなる凶鬼~
~静かなる凶鬼~
「あー!!眠れない!もう起きよっかな?」
独り言を言いながらベットから這い出て着替えてから居間に向った
まだ薄暗い居間にはまだ誰も居なくて台所から小さな音が聞こえるだけだった
リプレが起きて朝ご飯を作ってるんだろうなぁ…
ボケっとしながら立ち尽くす自分が居て急に恥かしくなった
開けっぱなしの窓から冷たい空気が流れ込んできて体が少し冷えた気がした
「おはよう!リプレ!」
ハヤトの明るい声を聞いてリプレは手を止めて振り返った
「あれ?おはよう!今日は早いね?」
台所の入り口から顔を出しているハヤトに笑いながら返事を返した
今日の朝ご飯は何だろう?良いにおいだなぁ…
椅子に座って鳥の囀りを聞いて少し考えごとをしていると誰かの声が聞こえた気がした
頭の中に響いてくる…そんな感じの声…この声は…
『朝の空気…綺麗だよぅ…凄く…気持ち良いなぁ…」
椅子から立ち上がって迷う事無くチョコの部屋の前まできていた
テレパシーだ!絶対テレパシー!何してるんだろう?
ノックをして見たが返事は返ってこなかった。
変な想像が頭の中を駆け巡って行く、まさか…自殺!?
ハヤトはドアを開けて部屋の中に入ってみた
開けっぱなしの窓から入って来る風が他の部屋より冷たくて
元の世界のクーラーの効いた部屋を思い出させてくれた
厚めの布団に包まって寝ていて寝顔が見えなかったが
それがチョコなんだろうとすぐにわかった
さっきのは何だったんだろう?
部屋の中を見渡すと机の横にハヤトの身長ほどの刃がある剣と安物の鉄の剣が立て掛けてあった
「……こんな剣…振り回して欲しくない……」
思わず声に出てしまってチョコの方を見たが規則正しい寝息が聞こえてきた
剣の柄は目より高い位置にあったが、手を伸ばして持ち上げてみた
(…軽い…?こんなに軽かったんだ……そっか…)
妙に自分の中で納得してしまって、剣が軽いと言う事が何故か嬉しかった
「……ハヤト…さん?」
自分の名前を呼ばれて肩を引き攣らせながら振り返った
アヤが部屋の入り口のドアから顔を覗かせて不思議そうに見つめていて
ハヤトが持っているものを見つけて息を飲んだ様に見えた
「…アヤ…どうしたんだ?」
「それは私のセリフですよ…何をしてるんですか…?」
自分が手に握り締めている物を再確認して気まずい雰囲気がゆっくりと流れて行った
「ん……?ふにゃ?だれ…ですか?」
剣を手に持ったまま体をチョコの方に向けた
目が開いていないチョコは子供特有の可愛さを持っていたと思う
「…チョコ…えっと…これは…その」
ハヤトの持っている物を目で確認して布団から這い出すと同時に剣にしがみ付いた
「ダメ!!触っちゃダメ!!これは…大事な物なの!お願い…」
「あ………」
必死にしがみ付いていて、ハヤトから剣を引き離すとハヤトとアヤの方を泣きそうな顔で見た
チョコの目には涙が溜まっていて、それを見ただけで罪悪感が一気に体中を駆け巡った
「ごめん!!俺…チョコの声が聞こえたから…だから俺…」
「…ハヤトさんもですか?」
チョコの髪を優しく撫でながらアヤが言った
「……お願い…もう…この剣を握ったりしないで…」
チョコの言葉には不思議な重みがあって何も言えずに頷いてしまった
「ごめんね…?許して…くれますか?」
「うん…何も無かったよね?力が抜けたりしなかったよね?」
「……?そう言う感じはしなかったよ?」
ふわりとさっきとは違う優しい笑った顔が印象に残った
チョコは着替えをしながら鉄の剣をどうやって持って行こうかをハヤトとアヤに聞いていた
ハヤトはなんとなく剣とチョコを見比べながら剣を何処に提げるかを考えていた
「ハヤトさん?着替えを見るんですか?」
アヤの言葉をチョコは気にする事無くパジャマを脱いだ所だった
「ごめん…」
そう言って俺は顔を窓の外に向けた
レイドに貰ったお古のベルトを貰っても大き過ぎて腰に付ける事が出来なかった
肩からベルトを提げてそのベルトが腰に来る部分に剣を繋いだ
少しずつ武装がすごい事になって行くと言ってからかわれたのが少しだけショックだった
「出来るだけ背中の剣は使いたくなくって…」
苦笑いをしながら言うとハヤトが小さい声でゴメンと呟いているのが聞こえた
「何も無かったなら全然良いんですけど」
ハヤトの申し訳なさそうな顔が何とか治るようにと思いながら笑った
それにつられて笑い返してきて安心感が沸いて来て嬉しかった
ハヤトのテレパシー事件は他のメンバーにも聞こえた事があるらしかったが
その時に気が合った人に聞こえるんじゃないのかな?と言う結果になった
結局本当の事は判らなかったが、別にそれでも良いと思った
「……私、街の外…歩いてきてみよっかな…?」
1人で呟いたつもりがその場に居た全員に聞こえたらしかった
「…それはダメです!絶対ダメですよ!!」
「そうです!やめて下さい!」
アヤの言葉にクラレットが続いた。
「外には盗賊やはぐれも出る危ないからやめておきなさい」
レイドが真剣な顔をしながら言ってきて、なんとなく頷いておいた
絶対に外に散歩をしに行こう!今日は散歩の日なんだから…
そんな日は決まってないが剣を提げて家を出た
太陽はまだ登りきっていなくて、青い空がとても綺麗に見えた
街の門を出て、街道をしばらく進むと岩場が見えてきて
そろそろ引き返さないと迷子になるかな?
と言うことを思いながら街の方に向き直った
「子供がこんな所で何してるんだ?」
何時の間にか後ろに居た盗賊の声が聞こえた
誰も居ない…誰も見ていない…本気で暴れちゃおう…
「あなた達に…会いたかったんです…頑張ってね」
「それは嬉しいなぁ?」
腰の剣に手をかけながら盗賊の方を振り返った
「宜しくお願いします」
盗賊達は腰に提げた長い剣と背中の大きな剣に初めて気がついたように武器を構えた
「ただいまですー」
盗賊達を城の人に渡したら御礼にお金が貰えて本当に嬉しかった
体が縮んでから何だか変だった体がちゃんと動いたのでそれだけで十分だった
体の動きも確認できたし、お金も貰えて一石二鳥…とか言うのだったと思う
トウヤに何度もニホンという世界の事を聞かせてもらって
色々覚えたつもりだった、侍、忍者、怪しい人が居るらしいその世界…
行ってみたいな…行けるかな?ここにも来れたから行けるかな?
そう行ってみたが今は無理…らしい
「ねえ!お金貰ったよー!」
居間に集まった全員が静かになったと思うと一斉に此方に視線を向けた
「……そのお金…どうして貰ったの?」
リプレの顔が何故かすごく怖く見えてて、体が震える気がした
説明をすると長々とリプレの説教を受けてからレイドの説教に繋がった
「…怪我はしなかったのか?」
「しましたけど…自分で治しました」
それを聞いてレイドは大きな溜め息をついた後にまた真剣な顔に戻った
「何が気に入らなかったんだ?どうして無茶をした?」
「……体がちゃんと動くか確かめたかったから…今なら戦えると思ったから…」
「……」
「だって…私、元々剣士とかそう言うのじゃないから・・・打たれ弱いですし…何か役に立てないかなって」
「それだったらもっと無茶しすぎだ!私達は、チョコに戦って欲しいとは思ってない」
レイドの静かな言い方にブラブラさせていた足と尻尾を止めて顔を見上げた
それはつまり…どう言う事なの?
一緒に戦うのは邪魔になるからダメってこと?
それとも優しさで言ってるの?
それでも私は…
「チョコ…キミは弱い、戦闘では…邪魔なんだ。だからもう武器を取らないでくれ」
そうだよね…きっと…そう言われるって…わかってた
わかってた
私は弱くて…
私はいつでも足手まとい…
私は頑張ろうとしても空回り…
私はいつも一人で…
私は必要とされてない努力をしてた
「…昔の仲間は私の事を認めてくれてた…ここの人も認めてくれると思ってた…」
目の奥が熱くなってきて…体が震えた
「怪我もするけど…それでもみんなは私を姿形で判断しなかったよ…」
「……」
「人間は目に頼りすぎていて、本当の物が見えていない…見た目はそんなに大事なの?」
ここまで来たら追い出されたって別に良いかな?
そう思った
剣を肩からぶら下げて居間からさっさと出ようとした時…いつもの事が起こった
「みんな!!バノッサに決闘を申し込まれちゃった!!!」
ナツミの息を切らしながらもハッキリした声で少しだけ振り返ってみた
「…行こう…」
レイドが椅子から立ちあがって戦いの場所に向って歩き出した
子供の姿では戦えないの?
子供には何もさせれないの?
子供って…いったい何?
どうして戦っちゃダメなの?
力を使おうとすると子供に戻って行く…
最悪の状況…これ以上小さくなると剣を背負う事が出来ないかも…
だから…もう良いや…私は足手まといだから…
「イッテラッシャイ…です…」
呟いた声がナツミには聞こえたらしく安心したような溜め息をついた
部屋に戻っていくらかの時間が過ぎたかな?
「力の波動?どう言う事?…見に行って見よう」
窓からこっそりと抜け出して北のスラムに向って足を向けた
出て行かなかったらばれないよね…うん!大丈夫だよね!!
木箱によじ登って適当な高さから屋根の上にのぼる
小さい家だが全体を良く見渡す事が出来た
「…あの人…凄い力…」
細い体なのに地面を殴ると地面が吹き飛んだ
それがどう言うわけだかアヤを追い掛け回していて
アヤの足にはさっきの攻撃で怪我をしたのか血が出ていた
「…………どうしよう」
『邪魔なんだ』
「…そんな事…」
『邪魔』
「そんなのやってみないとわかんないのに…」
背中の剣を引き抜いて屋根の上で構えた
「もう…ダメ…」
アヤの弱々しい声が聞こえた
全員が駆け寄る姿がスローに見える
足に力を入れて思いっきり地面に飛び降りながら剣を振り下ろした
「がああああ!!!」
男の子の少し手前の地面が一気に吹き飛ぶのと同時に少年も吹き飛んだ
「力を抜いて下さい…あなたでは私に勝てないですよ」
この人なら力の差が分かると思った
私との力の差ではない
剣との力の差だ
「……はあ…はあ…バノッサ…さん…」
「カノン!!」
カノンと呼ばれた少年が地面に倒れると同時にバノッサが走ってカノンを抱き起こした
「…剣は当ててません、大丈夫です」
チョコが剣を鞘に戻すと同時に力が抜けたようによろめいた
「う…体が…縮んじゃうかな…?」
ドクンと音が聞こえそうなほど心臓が大きくなった後体が数㌢縮んだ
「…やっぱり…私の力を解放すると体が縮んじゃう…」
ショックだった。
絶対にみんなの役に立てない…それが確信に繋がった瞬間だった
アヤの目がこっちを見ている…みんなの視線がいやだ…
レイドがこっちに歩いてくるのを見て体を縮めた
怒られる…叩かれるかな…?怒鳴られるかな?泣いちゃうかも…
「チョコ…」
チョコはそこで目をつぶって落ちてきそうな衝撃を覚悟した
「ありがとう」
そう言って頭を撫でてくれた
その手が触れた所が暖かくなってとても嬉しかった
アヤにも御礼を言われたハヤトやトウヤ…みんなに御礼を言われた
「……バノッサ…カノンは?」
エドスが1人前に出てカノンとバノッサを見つめていた
「カノンは……」
バノッサは話し終わるとチョコの方を睨みつけた後
「じゃあな、はぐれ野郎ども」
複数形で言われた
カノンは鬼人と人との間で生まれた子供らしかった
だからさっきの力が出せたのも納得がいく…らしい
クラレットが妙に納得してたように見えた
「それと…チョコ、話があるから家についたら居間に来なさい」
レイドの表情は無かった
何を言われるのか分からないのが1番の不安だった
怒られる…それならまだ良いかもしれない…追い出されたりしたら…
追い出されたらどうする?何処に行く?行く場所なんて無い…
繁華街の中でみんなの背中を見ていた
強くなって行くみんなを変わってない私が守っていけるのだろうか?
守る存在で居たい…守られるのは嫌だ…だけど
力を解放するたびに自分の力が弱まって行く
どうしたら良いのか…思いつかない…
「どうしよう…この体…」
服の丈がまた長くなったような気がした
剣は私が辛うじて抜ける程度の大きさになってくれた
心が少しずつ弱くなっている
そう自覚するには十分だった
居間についた時にはみんなが揃っていて何を言われるのかがとにかく不安だった
もしかしたら…そうなったら私は…みんなを…殺しちゃう?
「チョコ…昼間の事は…私達が間違っていたとは思ってない」
「……戦っちゃ…駄目って事ですか?」
「そう言う事だ…今のままでは…だが」
「今のまま?」
頭の中に疑問が浮んできたがそれをキールが遮った
「体が縮むのは制約の所為…だとおもう」
「制約?」
「チョコは…事故で呼ばれたんじゃなくって意図的に呼ばれた…かなって」
「儀式の最中…儀式を止めようとした人が居て…」
「その人がチョコを呼んだ…かもって言う事!わかった?」
ソル、クラレット、カシスの順番で言葉を繋げた
そういえば…この間自分にホームシックの事を言ってくれた声…あれは
自分の声だったのかもしれない
「…今日の日付…時間…わかりますか?」
日付と時間を聞いてメモをする。
それを手に巻いている布の中に居れてみた。もし自分なら…きっと…
「何かわかったの?」
「あの…制約を書きかえる儀式って無いんですか?」
「あるけど…どうするんだ」
にっこりと笑って見せると4人が渋い顔をしながら引いた
「その前に…チョコ、言いたい事があるんだ」
レイドの言葉にもう一度体を強張らせた
「…足手まとい…と言うのは嘘だ…すまなかった」
「ほんとに?足手まといじゃないんですか?」
「…そう言ったら大人しくなると思ったんだけどね、逆効果だった見たいだからね」
レイドの微笑んだ顔が何日も何ヶ月も見てないような懐かしい感じがした
「じゃあ!私も…」
「それは認めない…今のままでは…な」
「そこで…俺達の出番…かな?」
ソルは、サモナイト石を数個机に並べながら苦笑いした
「これで、制約を解こうと思う」
私一人に圧し掛かった制約を4人で解いていこうと言う事だった
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
はい!終わりました!!
新しいHPを作りたいのに作れません^^;
最悪です~><ここは卒業したいです~><
しばらくはここでやって行きますけど…
お金がかかっても良いですから良い所は無いでしょうか!?
知ってたら教えて欲しいです~><
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