2005年アイキャン・ミーティング(2)



(このぺ-ジは日記からのコピーです。)

ミッシェルがフィラデルフィアを気に入った点は、
どこに行くにも車に乗せられての移動のフロリダと違って、
白杖を使いながら、バスに載ったり、自分の足でと街の中を散策できる事だったようです。

色々な音、におい、そして感触を歩きながら楽しめるのは、視覚障害者にとって、都会の魅力のひとつでもあります。

ダウンタウンではアメリカ独立記念の象徴でもある、「自由の鐘」にも特別に触らせてもらいました。
とにかく、大自然が魅力のセント・オーガスチンには無い刺激が、都会には沢山あるものです。

夕食をチャイナ・タウンで済ませた頃には、観光用のトロリーバスもすでに止まっていたので、
夕暮れの街を、ホテルまで歩いて帰ることにしました。

交差点では歩行者用の信号が青に変わるものの、すぐに黄色に変ってしまい、大急ぎで走り渡る、そんな行動にもケラケラと楽しそうに笑うミッシェルです。

夕方から、ホテルでミーティングの受け付け及び、茶話会が始まりました。
4年前にシカゴで開かれたミーティング以来の
懐かしいシュナイダー先生やその時に知り合った家族との再会に
話が弾みます。
今回も100名以上の参加者があったようです。

土曜日は、ホテルから徒歩で10分程の
フランクリン・インスチチュート科学博物館でワークショップが行われました。

7時半からの朝食の後、
9時からのスピーカーは遺伝学者のシュナイダー先生と遺伝子カウンセラーのタニヤさんに寄る、研究の発表がありました。

遺伝子カウンセラーと言う仕事の大事な点は、
無眼球・小眼球の赤ちゃんが生まれた家族に対しての精神面でのケア-や医療機関、訓練機関の紹介、また遺伝子検査を勧める事などで、先ずは、戸惑う家族の為に、話を聞いてあげ、アドバイスを与える、そう言う仕事だと話していました。

無眼球・小眼球の子供が生まれる原因も、複雑な遺伝子の組み合わせによるようです。
例え、2-3代前の家族に、同じ障碍が無くても、7代、8代、又はそれ以上前の祖先に、
障碍があったかもしれません。

また、夫婦が、たまたま同じ劣性の遺伝子を持って居た場合、子供が優性の遺伝子を持ち、
無眼球・小眼球を持って生まれ場合もあるようです。

遺伝子の研究により、
無眼球・小眼球の子供に起こりやすい、他の病状も明らかになって来ました。
その為、眼の状態の検査の他にも、以下の検査を進めているそうです。
 遺伝子
 両親の眼の検査、
 歯の検査、
 染色体の検査、
 腎臓の検査、
 心雑音がある場合は、心臓の検査、
 聴覚の検査、等

娘の場合も、心臓に心室中隔欠損を持っていました。
ここで、親から、「どうして歯の検査が必要なのか、、?」との質問。

実は、ミッシェルの場合も、左下の前の乳歯が2本くっついて生えて来たのです。
永久歯に生え変わった時に、その場所にはちゃんと別々に2本の歯が生えて来ましたが、、
今度は、左上の犬歯が生え変わる時期になっても、生えて来ません。
レントゲンの結果、彼女の左上の犬歯は、陰も形も無かったのです。

これからも、時間はかかるものの、
無眼球・小眼球をつくる遺伝子が新に解明されて行く事でしょう。

研究発表の後には、オレゴン州の大学から来たホルガー先生が、
子供の睡眠障害についての研究の話をされました。

彼は、過去2年間の間に、全盲を含む子供の睡眠のパターンについて研究をして来たそうです。
睡眠障害の原因は解明された訳では無いそうですが、
人間の体にはボディー・クロック(体内時計)があり、
暗くなれば眠くなり、朝になると目が覚めるという
パターンを繰り返しますが、そのボティー・クロックは
毎日15-20分ほど早くなって行くそうです。

請願者の場合、夕方暗くなってくると、脳が刺激されて
メラトニンが体内で作られ、また、夜が明けてくると
メラトニンほ発生が終り、
その為、早くなるボティークロックは
修正されて、夜になると眠くなり
朝になると目が覚める仕組みらしいとの事。

しかし、全盲の子供の場合は、光を感じないので、
メラトニンが殆ど作られないか、又は、作られてもごく少量の場合が多く、
毎日早くなるボティークロックを修正する事が出来ずに、
昼夜が逆転してしまう状態が出てくるらしいとの事。

この場合、毎日少量のメラトニンを与える事により、
ボティークロックが修正され、
昼夜の逆転が無くなったそうです。
少量のメラトニンの場合、副作用も無いそうで、
夜寝ずにいる子供には試してみる事を勧めていました。

続く、、。



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