kokuma@の徒然日記

kokuma@の徒然日記

その3-4




-4-



どれ位そのまま非常階段で抱きしめあっていただろう

花沢類がいまあたしの腕の中にいる


すごく安らいだ気分で


あたしが守ってあげてるのか

あたしが守られてるのか




そっと体が離されて

お互いテレくさくて

お互いそっぽを向くように



花沢類はそのまま手すりにもたれて空を仰いで


あたしは階段に座り込んで・・・

っていうより、自分の思いがけない大胆な行動に

腰が抜けてその場にぺたりとお尻をついちゃった

そんな感じなんだけど。




― そのまま



沈黙が続くんだけど不思議と居心地が良くて

ふたりで黙ったまんまボーっとしてる

午後の授業が始まるチャイムが鳴るまでココが非常階段だって

そんなコトさえ忘れてしまいそうなほどに



この世界にはふたりだけしか存在しない

そんな風な時を過ごした



遠くに聞こえるチャイムの音で現実に引き戻されて





「・・・あたし、授業出なきゃ・・!」




慌てて立ち上がってスカートのおしりをパパっと払って

裾を翻してドアに手をかけた時に後ろから呼び止められて




「・・・牧野、ありがとう。」




そういって天使みたいな微笑みでニコッと笑い掛けられる




そう、それ。



あたしが見たかったのはその笑顔。


あたしが守ってあげたいと思ったのはその笑顔。

あなたが誰を思っていてもあたしが守ってあげる、その笑顔



そのすき透った瞳を濁らせない。




そう決めたから ―――







© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: