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2009年05月26日
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宮沢賢治の作品は昔から嫌いだった。
文学を国語のテキスト的に読むことしか知らなかったから、宮沢賢治といえば、
「何か言いたいことがあるなら、わかるように書いてくれこれじゃ回答が書けない…」
という印象が…。(だいたい、宮沢賢治でテストをするほうが間違ってる…(--)

「日本語であそぼ」という教育テレビの番組があって、これはわたしにとっていろいろな意味で印象的な番組なのだが、今さっきテレビをつけたらちょうどその番組の時間で、まだ小さい子どもたちが舌ったらずなかわいい口調で、
「あめにもまけず、かぜにもまけず…」
と暗誦していた。
かわいい
こんな小さいうちから暗誦をさせる必要はないと思うが。


スピリチュアルな世界に触れて、やっと宮沢賢治のすごさがわかってきた。偉大な人だ。三年前の夏には花巻にも行って来た。
イーハトーブ…賢治の心象世界の理想郷。
こんなにも美しいところなのかと、感動した。

でも今朝こどもたちの「雨ニモマケズ」を聞いて、なんだか胸苦しくなった。どうやらわたしは賢治の作品がまだ苦手らしい。「銀河鉄道の夜」も「夜鷹の星」も「虔十公園林」も、なんとなくあいまいにしていたけれど、きっと彼の作品はわたしにはとても辛く感じるのだ。

夏の花巻は美しかったけれど、冬の厳しさ、賢治の時代の飢餓と貧困を思えば、賢治が思い憧れるようにすべての人が気高く心豊かに暮らすことの現実的な難しさに、どれほど賢治が苦しんだろうかと、そんなことを思ってしまう。理解されえない美しい思想を、身を焦がすほどにもち続けた彼の辛さを思って勝手にシンクロしてしまう。一方で賢治の心境に達すればそういう思い煩いは異なる次元のものになるのだろうと思いながら。
現実が苦しければ苦しいほど、その中でいかに愛を持って無私に生きるかという課題は文学的に美しさを増す。その「愛」や「無私」が自分にとってただのお題目的な概念ではなく、すこしでも身に備わったものになるまで、たぶんわたしには賢治の作品が辛いんだろう。あまりにも遠く、あまりにも儚いものに思えるから。

昨日の日記におふざけで「春と修羅」にひっかけて「蟹と修羅」なんていうタイトルをつけておいて、さて「春と修羅」って誰の作品だったかなあなんて思っていたら、賢治の詩集だったことにさっき気づいた…(--;


雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク

イツモシヅカニワラツテイル
一日ニ玄米四合ト味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ

東ニ病気ノコドモアレバ行ッテ看病シテヤリ
西ニツカレタ母アレバ行ッテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニサウナ人アレバ行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクヮヤソショウガアレバツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒドリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイフモノニワタシハナリタイ

宮沢賢治





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最終更新日  2009年05月26日 09時33分58秒
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暗い  
八十(やそ) さん
賢治の作品はとてもユーモアがあります。
そう思っていました。
夫が嫌いなので「なんで?」って聞いたら
「確かにユーモアはあるけど、暗い」って。
なるほどね~と思いました。
私もいまひとつ好きになれないんですよね~。

ところで私には妹がいたのですが
亡くなってから遺品の整理をしていて
宮沢賢治を好きだったことが分かりました。
ただ、彼女はチェロを弾いていましたからね~。
「セロ弾きのゴーシュ」を読んでチェロを始めたのか、
チェロを弾いていたから賢治が好きになったのか、
今となっては分かりません。
(2009年05月26日 21時57分54秒)

Re:暗い(05/26)  
八十(やそ)さん
そう、暗いんだと思う…
なんというか、いいようのない絶望感みたいな物があるような気がして。

>「セロ弾きのゴーシュ」を読んでチェロを始めたのか、チェロを弾いていたから賢治が好きになったのか、今となっては分かりません。

そうなんだあ。
ずっとクラシック嫌いだったわたしが、唯一聞いていたのがチェロでした。だから独特の思い入れがあります。妹さんはチェロを弾いていらしたのねえ。音楽でも文学でも、あらゆる芸術の厚みは肌で感じるもので、頭で理解するものではないんでしょうね。ゴーシュはうちの娘が好きみたいです。
-----
(2009年05月27日 09時03分13秒)

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