我流乱舞!

我流乱舞!

非情な日常・死する理由。


大型二輪の免許を習得して、まだ間もない。
学校では何故か省かれていた。
先輩に殴られた事も何度もあった。
地面に押し付けられて、顔を蹴られた
血の味を覚え、砂が口にはいって、ジャリジャリと気持ちが悪いのを覚えている。
両親は俺が13の頃、亡くなった。
親父は会社でリストラされて自殺。
母親は強盗によって、刺殺された。

今、俺は両親の保険金と国から出る僅かなお金を食いつぶして、生活している。

今や形見となった、この家、この場所。
明るかった家庭が俺には存在したが、今はもう孤独。
思い知らされる度、心が痛くなる
何故、こんな事になったのか・・・。
何故、俺だけが・・・。
何故、世界は・・・。

そんな事をいつも思いながら、生活している。

近所には遠ざけられる、「呪い」「縁起が悪い」「関わりたくない」
同じ町だが、なんだか、物凄い遠くに隔離された気分だ。
胸糞悪い・・・













「おい、劉也!今夜暇か?」
学校の友達が声をかけて来た。
俺の唯一の友達。高城 亮(タカギ リョウ)だ。
俺は亮の方を向き、首を鳴らしながら答えた。
「暇だけど・・・。何かすんのか?」
その反応を待ってました!と言わんばかりに亮が
「いやさぁ・・・。お前、バイク乗れんジャン?だからどっか連れてってくれよ!」
俺は顔を顰めた。確か免許をとってしばらくしないと、二人乗りはできないのだ。
「馬鹿言え、まだ二人乗りは出来ないって・・・。それに何処に行くつもりなんだよ。」

「ふふふ・・・。良くぞ聞いてくれた・・・。心霊スポ――・・・」
「断る。」

「えぇ!?お前即答かよ!!なんだよ、いいじゃんか!彩子も一緒にさぁ!」
彩子とは、亮の彼女。歳は一個下だ。
些細な気使いが出来て、いい奴だ。とは思っている
「はぁ?お前三人乗りしろってのか!?」

すると亮は鼻を高くして・・・。
「俺は親父の原付で付いて行く。」
と自慢げに答えた。

馬鹿か・・・。原付の最高速度は精々65キロ。
大型二輪は、180キロ以上は出る。

亮が追いつけずに泣き目を見るのは、分かりきっていた。

「なぁ~?頼むよ!劉也!なっ?この通り!」

亮は顔の前に手を合わせ、頭を下げて押してきた。

「・・・仕方ねぇな・・・。」

「サッスガ!劉也ぁ!話が分かるぅぅ!地味で髪が長くて根暗っぽい所を除けば完璧だな!」

「・・・やっぱ家に帰ろうかな・・・」




心霊スポットに行く羽目になった。
嫌々してたが、内心は嬉しい。
久々に、誘われたのだ
友達と遊びにどこかに向かうなんて、何年振りの事か




夜になった。

バイクに跨り、集合場所の公園へと向かう。
エンジン音を響かせながら、夜の町の街の街灯や窓から零れる光で照らされた道を走った。
公園に到着すると、すでに彩子と亮はその場に居た。
すると亮が駆け寄って来た。
「いいねぇ!いい音出してんじゃん!やっぱバイクっていいよなぁ・・・!」
亮が羨ましそうな顔でバイクを舐め回すように見ていた。
「ははっ、バイトして、金貯めて買ったんだ!余り触るなよぉ?垢がついちまう」

「な、なんだよそれ!畜生ゥ~~~・・・!」
悔しそうな顔でジタバタする亮を見て、俺は彩子に挨拶をした。
「こんばんは、彩子さん。親とか・・・大丈夫なのか?」

彩子はピョンっ近寄って整然とした顔で答えた
「平気。友達の家に泊まるって言ってあるから!それと劉也さん・・・。「さん」はいらないって・・・」

「まだ馴染めてないからな・・・。どうもね」

亮が何かを閃いた様な顔をして俺の顔の真前に来た。
「なぁ!劉也ぁ!」

突然の事に俺は驚いたが、平気を装い答えた
「どうした?」
すると亮はニヤニヤ笑いながらこう言った。
「なっ!俺も頑張ってバイクの免許取るからさ!そしたら一緒にツーリングいこうぜ!?」
勉強嫌いで、偏差値も低めな奴が、こんな発言をするとは思わなかった
正直、驚きの顔は隠しきれなかったと思う。
「・・・取れんのか?」

「取れるさ!だから・・・。約束な!ツーリング!!」

「・・・あぁ。」


このときの俺は、多分、幸せだったと思う。
家族が居なく、家に帰っても孤独のみが傍に居る・・・。

神が同情でもしたのか、ほんの僅かなだけど、幸せを感じさせてくれたのか。

でも、この僅かな幸せさえも・・・。絶望に変わるなんて思ってもいなかった

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: