我流乱舞!

我流乱舞!

非情な日常・死する理由・2


昔は景色のとても良いホテルで、結構人気だったとか。
今はお世辞でもそんな事は言えない・・・。
場所が場所のためか蔦が生茂り、埋め尽くされたドクダミが放つ独特な匂い・・。
近くに川があるのか、水の流れる音が聞こえる・・・。

俺達、3人は今ホテルの出入り口であろう、場所に立っている。
スライド式らしいが・・・、原型を留めてはいない。
少し足を踏み入れると、そこはガラリと空気が変わっていた。
何ていうか・・・・。外界と隔離された世界のようだ・・・。

大方、ホテルの壁が外気を遮り、温度、湿度、匂いまで変わっているのだろう。

「うっわぁ~・・・、なんか本当になんか出そうね・・・」

彩子が沈黙を破った。
それに釣られて亮が口を開き出す
「何かって何だよ!・・・・・・つーか、予想以上にコエェェ・・・。やばくねぇ?」

俺はそんな途方も無い会話を聞きながら、辺りを見回す。
大層な物は置いてない、扉、受付などは壊されている・・・。
地元のヤンキー等の仕業だろうか?
ふと床を見る、畳だ。
結構高そうなホテルだったろうに・・・。
ホテルっていうか旅館っていう気もするけれど・・・
畳に足跡がいくつもあった。こんな事する馬鹿、俺等以外にもいるのな
少し安心した。

ここでずっと立ち話していても仕方ないので奥に進もう。と亮が提案した。
一番怖がっているが、一番楽しんでいるのは亮のようだ。
奥に進むと階段があった。階段の踊り場には胡散臭いじい様の絵画が恭しく飾られている・・・。
至るところに、絵の具が剥げた所があるが・・・

階段を上りきると、大きな広場に直面した。
因みに、このホテル?は4階建て・・・。
広場を色々見回したが、興味をそそるものは余り無い・・・。
あるとしたら、場違いにおいてある、この日本人形。
荒々とした広場のど真ん中に意図的に置いてあるだろう日本人形。
これには一同、唾を飲んだ。
「こえぇ・・・。こんなのありっすか?」
亮は相変わらずだった、怖い怖いと言っていても、顔は笑っている。

その後、4階まで登ってみたが、結局何事も無く、一同は一階へと戻った・・・。
まぁ、何事も無い事が一番ありがたい事だ・・・。
2階から1階へ戻る途中、来るときには有り得ない音が聞こえた・・・。
「・・・だ・・・が、ほんと・・・の・・・か・・・ね?」
人の声だ!間違えなく誰か居る・・・。
俺等は息をころして、踊り場から、1階のフロアを覗く・・・。
こんな時でも胡散臭い絵画は相変わらず、胡散臭い。
人影が見えた・・・。でも幽霊でもなんでもない。
黒い紳士服に身を包んだ背の大きい男が二人・・・。
話し合っている・・・・? 

手にはアタッシュケースが?
密売か何かか?
そんな事を3人で話していると後ろから嫌に低い声が聞こえた

「・・・そこで何をしている?」

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