我流乱舞!

我流乱舞!

非情な日常・神速の頭「武」



「矢崎劉也様ですね?お電話お待ちしてました。係りの者を今お呼び致しますのでそのまま少々お待ちください・・・。」

一方的な会話の後、沈黙が続いた。
(結構本格的・・・。つか、何で俺だと分かったんだ?)

「ハロー!生きてるかい!?劉也君!!」

いきなり受話器から、甲高い声が聞こえてきて、思わず受話器を落としそうになった。

「ああ、何とかな。それより、俺はどうすればいい?」


「貴方の登録はしてあるから、取り敢えず仕事はいるまで好きにしてていいよ!仕事は「任務」って形で貴方に遂行してもらうわ。まぁ、形だけだけどねー・・・。」

「任務・・・か、分かった、それじゃあ今は今までどおりで・・・?」


「うん、大丈夫!あっ、それと・・・」


「どうした?」


「この事は頭に入れといてね・・・。ルールみたいなものだけど・・・」

美穂にざっと説明された。任務遂行中のルールだ。

1、情に惑わされず、目的を最優先にこなす事。

2、被害者や死亡者が出た場合、ペナルティを架せられる。細心の注意を払うこと。
3、救命、救助活動に当たっては、任務遂行に異状が無い場合のみ最優先で行うこと。
4、任務の内容に付いて、深く考えないこと。





らしい。







「なぁ、そのルールってなんか・・・探偵っていうより組織って感じじゃね?それもなんか危なそうな・・・」

「あれ?言ってなかったっけ? まぁいいやっ!じゃっ、ゆっくり休んでね~」

プチッ・・・


「切りやがった・・・」

受話器を見ながらポツリと呟き、受話器を置いた。
どうやら「探偵」ってのも形だけのようだな。

腹が減ったな、昼飯時だ。
昨日買ったパンがあったっけ?後ミルクティーも・・・。
結局食べないで寝ちゃったんだよな


冷蔵庫から、ミルクティーとパンを取り出し、居間のソファーに腰を掛け、テレビを付ける。

テレビに写ったのは、あまり面白そうじゃないバラエティー番組。

ため息を付いて、パンの封をあけ、いざ口に運ぼうとした時。













「仕事よっ!!!!!!!」



玄関を勢い良く開け、息を切らした美穂が現れた。


「はぁぁぁぁぁ?」

さっき電話したばっかりだろうこの娘。
つーか何で俺の家知ってるんだよ!それより鍵開けた覚えないぞ・・・

俺は明らかに嫌なものを見るような目で、美穂の格好を見た。

右手には針金。左手には地図。

「お前、アホだろ・・・・・?」







俺は思わず苦笑いした・・・。


美穂はずかずかとあがりこみ、ソファーに腰をかけた。

「な、何で俺の家に来るんだよ・・・」

俺のミルクティーを飲みながら寛いでる美穂に言った。

「ふぅ~・・・、電話切った後すぐに依頼が来てねぇ・・・」

「電話で言えばいいじゃないか・・・それに何かってに紅茶飲んでんだよ!」

美穂からミルクティーを取り上げ、冷蔵庫にしまった。
ソファーに腰を掛け、一息を付いて任務について聞いた。

「んで、仕事って?」

「切り替えが早いね~。関心関心・・・。」

そう言いながら美穂はカバンから書類を取り出し、文章を読み上げた

「・・・山奥のパーキングエリアに暴走族『神風』の集会があるとの事。時間は深夜1時ごろ。次の日は身分の高い人がその山に観光に来るために、風紀を乱される前に集会を解散させろ・・・。手段は問わない。但し死傷者は出すな。との事・・・」

「へぇ・・・って・・・暴走族ゥ!?」

冗談じゃない・・・。幾らなんでもそれは・・・

「大丈夫。私が付いてるって!!」

「ん、お前暴走族蹴散らした事あるのか?」

こんな体格では無理であろう。
大体にして、暴走族の解散・・・って、一体どうしたらいいんだ?
前ニュースで見たが、警察呼んだら呼んだで、もみ合いになってたらしいし
余計に風紀が悪くなる。

「私じゃないけど、付き添いさんがヘッドとタイマン張って・・・」

「・・・・・・・つまりアレか、この仕事は俺に死ねと」

美穂は噴き出した。

俺の心境はそれどころじゃない。

「だぁ~いじょうぶだって!!なんとかなる!」

「そういったってなぁ・・・」

パンを頬張り、テレビのチャンネルを変えて見た。
カートレースの試合がやってる。
すると美穂は何を思いついたようだ

「そうだ!劉也ヘッドとバイクで勝負しなよ!」

「受け入れるような奴らなのか?そういうのって・・・」

暴走族=極端に達の悪い連中。 そういう風に俺の頭にはインプットされている。
過去数回絡まれたことがあるからだ。

「大丈夫!『神風』のヘッドは「神速の武」って呼ばれてる何やらイカツイ兄さんらしいし!単車で競うのが大好きらしいの」

「神速・・・ねぇ。ますます怖いわ」

「まぁ・・・夜24時に私の家に一旦寄って・・・あ、あぁ~・・・」

喋ってる途中に何か考えて居るようだ

「んぁ?どうかしたのか?」

「う~ん、帰るの面倒だから、劉也の家に居させてよ。」

「嫌だ。帰れ。送っていくから帰れ。」

「即答!?ひどいなぁ・・・」

俺のマイライフは汚させない。この後1人でのんびりと過ごすのが日課だ
それに、知り合って間もない深くもかかわった事の無い人間なんて、もってのほか
どうも気を使うのが疲れる。そういった人間関係なんてうざったいだけだしな。

「家どこだよ?バイクで送ってやる。」

美穂はショックだったのだろうか?結構落ち込んでいる。

「うぅ~・・・。こんなに激しく拒絶されたの初めてだよぅ・・・」

「あぁ、送っていくのは好意だ。本当に嫌いだったら家から追い出してる。」

「好意なら居させてよ!」

「追い出してやろうか?」

取り敢えずバイクに跨り、原付に乗ってたころ、使っていたメットを美穂に貸した。
エンジンをつけ、ニュートラルにいれる。
俺はクラッチを握りながら美穂に注意事項を伝えた

「あ、そうそう単車の後ろに乗る場合は、運転手の体重移動に合わせて、身体を傾けてな。さもなきゃ転倒するから・・・。」

「わ、分かったよ・・・」

一速に入れ、クラッチを離しアクセルを握った

ブォォォォオオオオン

大型ならではの排気音と共に、美穂に案内されながら美穂の家に向かった。






今日は初仕事だ。どうなることやら・・・




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