我流乱舞!

我流乱舞!

非情な日常・漆黒の鏡・3


そこを梓が呼びとめた。

「あれ?劉也何処行くの?」

「ああ、少しコンビニに・・・。」

「ふぅん・・・。」

それだけいい残すと、劉也はバイクでコンビニとは正反対の方向に向かった。

学校が終わった後、カバンの中を確認すると手紙が入っていたのだ。
『やぁ、僕は岸田 享・・・。昼休みの借りを返したくてね。僕の大事なペットをよくもあんな目にあわせてくれたね。夜21時に東の廃病院に来たまえ。素晴らしい運命が君をまっているよ。』

「ちっ・・・なーにが『素晴らしい運命』だ・・・。オカマ野郎が・・・。」

ぶつぶつ言いながら、廃病院に到着した。

「そういえば、ここって・・・。梓と対立した時以来だな・・・。」

中に入り、広場まで行くとセカンドとサードが倒れていた。
近寄り、手首に手を添える。
・・・。脈はある。気を失って居るようだ・・・。

「何か・・・嫌な予感がするな・・・。」

広場の階段を登ると、享が倒れていた。

「・・・?おい、お前何伸びてるんだ?」

享は呼びかけに気づき、ゆっくりと顔を上げた。

「劉・・・也・・・か、不味い事に・・・なった・・・。に、逃げた方がいい・・・ぞ」

「はぁ?不味い事ってどういう―・・・。」

いい掛けた時、後ろから声が聞こえた。

「不味い事とは・・・我々の事かな・・・!!」

後ろを振り向くと、12人の男女が居た。

「な、何だあいつら・・・。」

享はゆっくり答えた。

「オ・・・オリュンポスだ・・・。まさか・・・この地域まで来るとは・・・。」

「オリュンポスゥ?」

「世界中の選ばれた能力者の・・・集団だよ・・・。僕じゃ歯も立たなかったね・・・。」

劉也はそれを聞くと、12人と向き合い、叫んだ。

「オリュンポスか何だか知らないが!!名乗りやがれ!!」

「や、やめろ・・・!」

享は制止したが、劉也はそれを無視した。

「不気味なコスプレ集団にしか見えないンだけどなぁ!?宗教団体か何かかよ!!」

12人はコートやローブのようなものを身に纏っていた。
その問い掛けに真ん中の銀髪の男が答え。
皆が自己紹介を始めた。
白いマントの銀髪で、巨大な剣を持った一番目立つ奴が答えた。

「いいだろう・・・。我が名は天空神、ゼウス。」

次は黒と白のローブに身に纏った女性。

「私は残酷女神、ヘーラー。」

次は青いコートと長い槍を持った少年が答えた。

「俺の名前は、海神・・・。ポセイドン。」

次は金色の帯に身を包んだ、男性。

「私の名は地神・・・。デーメテール。」

次は純白の衣服を身に纏った、女性。

「我が名は女神、ヘスティアー。」

次は、銀に輝くナイフを手にした、少年。

「僕の名前はアポロン。よろしくね。」

次は、昔の火縄銃のようなものと、細いレイピアを携えた男性。

「俺の名は戦神、アレス。」

次は、騎士のような格好と、巨大な盾、兇刃な斧を持った男性。

「僕の名は・・・。守護神ヘルメスだ。」

次は、燃える様な赤いコートを身に纏い、2本の赤い剣をもった男性。

「俺の名前は火山神、ヘーパイストス。」

次は、美しいドレスを纏った女性。

「我が名は知恵の女神、アテーナー。」

次は、桃色の法衣を身に纏った、女性。

「私の名前は、愛と美の女神、アプロディーテー。」

そして、銀色の服、銀色の鞭を持った女性。

「我が名は女神、アルテミス。」

そして、全員が声を合わせて言った。

『我々は、オリュンポス十二神である!!』

それを聞いた劉也は顔を青くした。

「武装集団・・・?過激派・・・?とにかく危ない奴等・・・。絶対関わるべきではないな・・・。」

12人の内の1人、ゼウスが前に出た。

「我々を侮辱した罪、その命を持って償って貰おうぞ。」

「え!?いや・・・。」

劉也はゼウスの方を見ると、自分の目を疑った。
浮いているのだ。
地に足が付いていない。

ゼウスは空高く跳び上がった。

「我が剣の錆びとなって散るがよい!!!」

鞘をつけたまま、劉也に振りかざした。

「鞘付きとは舐められたものだな・・・。」

劉也は鞘付きと察して、頭の上に腕を交差させ、防御姿勢を取った。

ガッ!

劉也は剣を受け止めた。

「へっ・・・。甘いぜオッサン・・・。」

しかしゼウスはニヤリと笑った。

「舐めるな小僧が!!」

そのまま力任せに、ゼウスは剣を振り下ろした。
鞘が真っ二つになり、地面に落ちた。

ゴトッゴトッ!

何故か、手首も二つ・・・。地に落ちた。

劉也の両手首もその剣に切断されたのだ。
劉也は地面に落ちた手首が、誰の物か一瞬分からなかったが。急に襲いかかった喪失感と、激痛で、それは自分の手首である。と分かった。

「え、あ・・・?うわっ・・・。うあああああああああ!!手・・・が・・・。」

手首の切断面から、物凄い量の血が溢れだしてくる。
ゼウスはその様子を汚いものを見るような目で見下ろしていた。

「ふ・・・。高分子ブレード・・・。その刃を収める鞘さえも切り裂いてしまう・・・。科学も進歩したものだ・・・。」

劉也はそれどころではない。

「がああああ・・・。止血・・・を・・・。手が無いぃぃぃ・・・!!糞っ!!!」

血管を圧迫して、止血を試みようにも、抑える手が無いのだ。

「ね・・・念力で・・・。糞!!!糞が!!!痛みで集中出来ない!!!!」

痛みと多量出血で意識が朦朧としてきた。
ゼウスは座り込んだ劉也を睨んだ。

「五月蝿いぞ。黙れ小僧が・・・!!」

ゼウスは再び剣を横に振り翳した。
その一撃は、劉也の頚動脈を切り裂いた。

「・・・・!・・・!!・・・・。」

劉也は言葉無く首から血を噴き出し、その場に倒れた。

(・・・血が・・・足りねぇ・・・。俺死ぬのかな・・・。)

そんな事を考えていると、やがて意識が薄くなり・・・。

やがて、応急処置も施せぬまま、廃病院で意識を失った。





© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: