我流乱舞!

我流乱舞!

非情な日常・真実


居間には康太、梓、美穂が遊んでいる。
劉也は部屋を見回した。

「・・・殺風景だよな。」

劉也は部屋を出ると、居間を抜け、玄関に向かった。

すると、突然3人が集まってきた。

「劉也さん・・・。何処行く気っすか?」

康太が心配そうな顔で見つめてきた。
梓もそれに便乗した。

「・・・また1人で戦う気じゃないでしょうね?」

劉也は困った顔をした。

「・・・やだな。戦いたくても戦えないっての・・・。相手が何処に居るかも分からないのに・・・。」

美穂は少し考えると頷いた。

「・・・確かにそうだね、・・・でも直ぐ帰ってきてね~?」

劉也は頷くと、外に出て、バイクで電化製品屋に向かった。

CDやコンポ・オーディオが売られてる所に行くと、視聴コーナーでヘッドフォンを手に取った。
曲が流れはじめる。

「・・・・。ラルク・・・か・・・。うん、いい曲だな。貯金も下ろしたし、少し奮発してみよう。」

そう呟くと、オーディオのコーナーに向かった。
ネオン管の付いた黒光りするオーディオに目が止まった。

「CDプレイヤー・・・。カード・・・。うん・・・」

ぶつぶつと呟きながら、それらを購入し、宅配便で明日、家に届けて貰うようにした。

その他にもCD、イヤホン等を購入した。

電化製品屋を出ると、財布の中身を確認した。

「大分奮発したが・・・。未だ余裕はある・・・な。」

そう言うと何処かへバイクで行ってしまった。


一方劉也宅。

美穂はテレビを見て、
康太と梓はオセロで対決していた。
美穂が口を開いた。

「ねぇ~、梓ちゃん・・・。劉也と何処まで進行中~?」

梓は予想外の美穂の発言に驚いた。

「えぇ!?や、別に・・・。進行とかそういうのは無いよ・・・。」

康太もニヤけはじめた。

「・・・確かに・・・。一緒に暮らしているだから・・・。何も無い筈無いっすよねぇ~?・・・Aっすか?いや・・・Bっすか!?」

梓は首を傾げた。

「AとかBとか・・・何の事?」

康太は口を塞いだ。

「しまった・・・。その手の話はタブーでした・・・。」

美穂はテレビを消して、梓の方を向いた。

「ねぇ~・・・。梓ちゃーん。劉也の事・・・気になったりしてるの~?」

ニヤニヤしてる美穂の前に、梓は冷や汗をかいた。

「ん、ん~・・・。ど、どうなんだろうねぇ~・・・。」

康太はこの急展開に嬉々し、美穂に便乗した。

「あっれ~?どうして拒絶しないんっすか~?可笑しいっすねぇ~・・・。」

梓は立場逆転を狙った。

「そー言う美穂ちゃんはどうなの?」

美穂は堂々と答えた。

「ん?私は大好きだよ?妙に格好付けてるところとか~・・・。何となく母性本能を擽るところとか!放って置けないって感じしない?」

梓は共感した。

「あっ!何となくそれ分かる気がする!!後、男と女っていう差を視野に入れないところもいいよね!でも顔面は絶対狙わないんだよ!!そこらはちゃんと配慮してるんだよねー・・・」

美穂と梓は劉也の長所探しに盛り上がった。
一方康太は軽く拗ねていた。

「ちぇ・・・。なんすかなんすか・・・。俺だって・・・外見ちゃらちゃらしてるっぽいっすけど・・・中身はピュアピュアで・・・。」

その時劉也が戻ってきた

「ただいまー、少し遅くなった。」

劉也が居間に戻ってくると。梓と美穂は一気に別々の方向を向いた。

「ん?どうしたお前等。顔赤いぞ?」

康太が凄い形相で劉也に飛びついた。

「い、い、いいいいい今・・・・。たたたった「ただいま」ってててててて・・・・。い、言ったっすか?」

劉也が少し照れくさそうな顔をした。

「あ・・・、ああ・・・変・・・だったか?何か・・・お前等全部含めてさ・・・。コレも一種の家族・・・なのかなーって感じがしてさ・・・。変なら止めるぞ?」

康太は絶叫した。

「うおおおおお!!何があったんすか!?劉也さん!!おかしいっす!!アンタ本物っすか!!頭でもぶつけたンっすか!?物凄い嬉しい事言ってくれるじゃないっすか!!どうしたんすか!?本当に劉也さんっすか!?ええ!?何が起こったンすか!!!新種の病気っすか!?それとも多重人格っすか!?それとも誰かに記憶を弄られたんっすか!?それともそれとも天変地異の前触れっすかぁああああ!!!」

康太は劉也にしがみつき、力の限り揺さぶった。

「おま・・・。痛いって・・・放せ・・・おい!!」


美穂も劉也に飛びついた。

「劉也ぁぁ!!なんて萌えぇぇ事言ってるんだい!!嬉しいじゃないかぁぁああ!!この!このぉ!!」

梓は只唖然として立っていた。

「・・・・。あんな劉也・・・。見た事が無い・・・。」

劉也はかなり困った顔をした。

「何なんだお前等!おかしいぞ!!つーか放せっ!コラッ!!」

康太はひたすら真っ赤な顔して、劉也にしがみついた。

「おおおお!!放さないっす!!アンタ本物っすか!?ええ!?本物っすかアア!!」

劉也は少しムッときた

「だああああ!!うるせぇ!!・・・・この・・・垂直落下式DDT!!!」

劉也は康太を抱え上げ、頭から床に付き落とした。

「この技・・・確かに本物っす・・・。」

劉也は買ってきたものをテーブルの上に並べた。

「ほら、美味そうなブロックケーキが売ってたから、ついでに買ってきたんだ。皆で食べようか?好きなもの取ってくれ。」

美穂が真っ先に飛びついた。

「じゃあ私はこのショートケーキもらったああ!」

梓は少し悩むとチョコレートケーキを手に取った。

「私は・・・これがいいかな・・・。」

一方、康太はケーキを凝視している。

「・・・毒でも入ってるんじゃないっすか?有り得ないっす・・・。」

劉也は康太を睨んだ。

「失礼な。お前等には結構心配かけたからな。その侘びだ。」

「じゃ、じゃあ、俺はこのレアチーズをありがたくいただくっす~!」

劉也を除く3人は落ち着かないまま、ケーキを食べ終えた。
美穂は事務所で仕事があるらしく、帰る準備を始めた。

「じゃ・・・。私まだ仕事あるから!先帰るね~!」

劉也は美穂を見送る事にした。

「おう!仕事頑張ってな!またなー!!」

美穂は笑顔で返答した。

「ふふっ、ありがとう!!」

美穂が手を振ったので劉也は振りかえした。
暫く距離が開くと、美穂は振り返って叫んだ、

「劉也ー!!病院では人間じゃないとか言ってたけど・・・。今日の劉也は飛びっきりの優しいヒトだよー!!」

劉也は手を振り、大声で返答した。

「おーう!ありがとうな!」

そう言って美穂を見送り、劉也が玄関に戻ると、梓と康太が此方を凝視していた。
康太が変な目で口を開いた。

「・・・劉也さん・・・。何があったんっすか?」

劉也は靴を脱ぎながら返答した。

「ん?いや、別に何も?」

劉也が玄関を閉めようとしたとき、突然声が聞こえた。

「ちょっと待ってください。」

玄関を再び開けると、一人の女性が立っていた。

「遅くに申し訳ありません。私はオリュンポス十二神の一人。アルテミスです。」

その発言に3人は動揺した。

「オリュンポス!?何しに来たんだよ・・・テメェ・・・。」

康太が聞いた事も無い声で唸った。

「・・・手出しはさせないよ?」

梓も警戒態勢に入った。
劉也は格好からして、戦闘しに来たのではないと悟った。

「・・・。敵意は?」

アルテミスは答えた。

「ありません。貴方に真実を伝えに参りました。」

劉也はそれを承諾すると。アルテミスを家に招いた。
康太と梓は変らず警戒態勢を取っている。

劉也は居間にアルテミスを案内し、ソファーに座らせテーブル越しに話合う体制を取った。

「お茶を持ってこようか?」

劉也はアルテミスに聞いた。

「では・・・。お願いします。」

劉也は紅茶を二つつくり、再び居間に戻り、テーブルに二つ並べ、ソファーに座った。

「んで・・・話って何だ?宣戦布告か?それとも勧誘か?」

アルテミスは紅茶を一口のみ、再びテーブルに戻した。

「いいえ・・・。貴方の正確な過去と、我々の存在についてです。」

劉也は少し動揺した。

「俺の過去?」

アルテミスは着々と話を進めた。

「我々、オリュンポス十二神は、元々作られた人間でした。ドイツの研究所からイギリスへ搬送されるとき、イギリスでの研究施設の消滅という事故で船は一時行動不能になりました。そこでゼウス様が制御装置を破壊し、作られた人間・・・、人造人間230名は集団脱走を計りました。その時、軍隊を用いて、殆どが迎撃され、残ったのは比較的能力の高い、12人のみとなりました。その残った12人が我々オリュンポス十二神です。ドイツの研究は、イギリスの研究とは異なり、普通の人間に科学の力で能力を植え付ける。といったものでした。我々はその実験道具となっていたのです。その後我々は力を合わせ、生き残るために何でもしました。時には人間を襲ったりもしました・・・。しかしただ逃げていただけではありません。情報収集をしながらも、逃亡を続け、遂には他の研究施設に侵入し、破壊をしました。その時得た情報が、この研究の責任者・・・。その名は矢崎 楓・・・。つまり貴方の父親です。」

劉也は驚愕した。

「ちょっと待てよ!!俺の親父はとっくに死んでるはずだ!!10年程前に・・・自殺したはずだぞ!?」

アルテミスは続けた。

「はい、そのとおりです。表向きには自殺という事になっていますが。貴方の父親は矢崎 雅は現在生存しています。矢崎 楓は当時、7歳の貴方の能力に気づきました。当時貴方は物事を何でも言い当てる・・・といった能力を備えていたからです。矢崎 楓は貴方の身体から情報を取り出し、新しい研究課題として取り上げようとしました。そして、その事実を知った貴方の母親は、その行為を全力で阻止しようとしました。その時、矢崎 楓は母親を拘束しました。そして貴方の身体をイギリスの研究チームへ運び、研究を続けました。その時分かった事が能力者達には必ず[核]を持っている事・・・。その核が能力の源であるとの事。矢崎 楓はその貴方の核を一部、取り出しました。その核とは身体の全ての情報の塊であります、貴方の感情に障害が出てしまいました・・・。しかし、矢崎 楓は研究を続け、その取り出した核を改造し、全く別の物に作り変えました・・・。
そしてその核を移植されたものがCN/D-17・・・つまり、桜木 美穂です。」

劉也は、どう答えていいのか迷っていた・・・。

「・・・・。」

アルテミスは劉也の様子を見ると、再び話を続けた。

「矢崎 楓はCN/D-17・・・桜木 美穂への移植を成功させると、貴方の母親が邪魔になったので殺害しました。それから、行方は分かりません・・・。
そして、矢崎 劉也・・・。貴方の障害は感情の喜怒哀楽と本来の能力の低下現象でした。貴方が感情豊かではなく、能力を十分に発揮できないのは、核がデーターを紛失したせいでした・・・。ですが、ゼウス様に手首を切り落とされ、病院で輸血を必要とした際に、桜木 穂が名乗り出て、貴方に輸血をした時、桜木 美穂の血液から紛失した[核]のデーターを入手しました。現在進行形で貴方の能力は確実に回復しています・・・。それだけではありません。貴方の感情・・・。そう、本来の姿、本来の矢崎 劉也へ戻るでしょう・・・。余談ですが・・・貴方の手首が再生したのも・・・。その紛失した能力が元に戻ったお陰です。」

劉也は足が震えだした。

「・・・親父が・・・母親を・・・?なんで・・・。俺が・・・。」

アルテミスは劉也の手を両手で握った。

「受け止め難い事だとは承知しています。ですが・・・コレは真実なのです・・・。」

劉也は震えたまま、俯いた。

「能力・・・?核・・・?それと美穂が・・・?何なんだよ・・・畜生・・・。」

アルテミスは続けた。

「我々オリュンポスは矢崎 楓の後を追っています。研究の阻止の為。得た情報の一つには人類の生存に関わる事が記されていました。改造した人間を兵器として使用し、人類の再建という名前の侵略を始めようとしています。我々はそれを何としてでも阻止しなければいけません。今、こうしている間にも、研究は続いています・・・。どうか・・・世界の為、人類の為にも・・・矢崎 劉也・・・。貴方の力が必要なのです・・・。」

劉也は握られた手を振り払った。

「意味・・・わかんねぇよ・・・。・・・すまないが・・・。少し時間をくれ・・・。」

そう言うと、劉也は自分の部屋に入り、鍵を閉めた。

その様子を見送り康太はアルテミスに後ろから話かけた。

「・・・アルテミスさん・・・。話は分かったっす・・・。でも、どうして劉也さんの力が必要なんすか?」

アルテミスは紅茶を一口啜り、答えた。

「それは矢崎 劉也には未来視・・・そして我々を超越する驚異的な能力が眠いって居るからです・・・。今備われて居る再生能力も・・・、いずれは復元能力という形に進化すると思われます。復元能力とは・・・。頭が無くなろうと、心臓を撃ち抜かれようと・・・。能力と全情報の源・・・核を壊されない限り、無限に回復するという、非科学的な能力の事です。それ以外にも、無数の可能性を秘めて居ます。」

梓も、ソファーに腰を掛け、アルテミスに質問をした。

「私達だけで・・・その・・・、人類の再建計画は阻止出来るの?」

アルテミスは答えた。

「可能性は殆ど皆無に等しいでしょう。しかし現在矢崎 楓の研究施設はイギリス・ドイツ・アメリカ・ロシア・・・そして日本の何処かにあります。矢崎 楓の出身は日本なので、日本の研究施設が重大な情報を持っている可能性が高いでしょう・・・。もしも、日本の研究施設を発見し、その情報を手に入れる事ができたら・・・、その計画を阻止出来る可能性が見つかるかもしれません。そして矢崎 楓の作り出した人造人間の設計は矢崎 劉也を元にしています・・・。それも何かの役に立つかもしれません。」

梓は少し考え、再び質問した。

「もしも・・・その、人類の再建計画が実行されたら・・・どうするの?」

アルテミスは梓の目を見て答えた。

「その時は、我々が総力を持って対立します。現在は兵力の収集を最優先し、研究施設を襲撃し、人造人間達を回収し、軍隊として役に立ってもらいます。我々もそれなりの設備を手にする事が出来ました。東の廃病院地下には我々の基地が現在進行形で作成されています。武器の製造から移動手段の確保、そして情報収集が行えるように・・・。」

梓は康太の目を見た。
康太が口を開いた。

「梓ちゃん・・・。俺達にはもう・・・。」

梓がそれに答えた。

「うん・・・。そうだね・・・。」

梓が続きを言おうとしたとき劉也の声が響いた。

「やるしかないな!」

梓が驚いて、ソファーをから思いっきり跳ね上がった。

「うわぁ!!居たの!?」

劉也は言った。

「親父・・・。可能性が例え0でも・・・変えてやるよ・・・この世界の運命を・・・。」

アルテミスは微笑んだ。

「決心したようですね。でも・・・今出来る事は残念ながらありません・・・。基地の完成までの間、今までどおりの生活を楽しんでください。」

劉也はアルテミスの手を握った。

「ああ・・・。俺も全力で協力する・・・。美穂にも伝えておく・・・。どんな些細な事でもいいから、何か分かったら直ぐに教えてくれ・・・。絶対・・・、絶対力になってみせる!!」

アルテミスは答えた。

「ありがとうございます・・・。では・・・、私はこの家に残ります。ゼウス様からの命令で貴方達の護衛を任せられています。空いてる部屋は・・・?」

梓が懇親の力で拒絶した。

「ええええええッ!?大丈夫だよ!!護衛なんていらないよ!!」

しかし劉也は承諾した。

「分かった・・・。二階の部屋が空いている、自由に使ってくれ・・・。」

劉也は康太を見た。

「康太・・・お前も俺の家に住むか?もう他人事では済まされないようだし・・・。暫くは共に行動したほうがいいだろう、美穂やセルフィさん、晃さんにも言っておいてくれ・・・。部屋が足らないなら増築をしよう。俺達は俺達で出来る事をするんだ。」

康太は力強く頷いた。

「・・・わかったっす。直ぐに手配するっす・・・。もう、後戻りは出来ないらしいっすからね!!」

梓もしぶしぶ承諾した。

「何か納得行かないけど・・・この際、仕方が無いよね・・・。」


こうして本格的に行動に出た劉也一向・・・。
探偵チームを控え劉也の実の父親の情報を探る事になった・・・。
































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