ゆっくりのんびりいきましょう♪

ゆっくりのんびりいきましょう♪

3歳~4歳


いつの日からか、顔を覗き込むと、無理矢理視線をそらそうとした。
あれだけ不得意だった、家での一人遊びが増え、私が介入しようものなら、私の手を払いのけ、機嫌が悪くなった。
それでも大好きな毛布に包まっているときは、不思議と気持ちが安定していたように思う。
一緒に毛布に包まると、私の顔をしっかり見てくれるようになった。
「コウくんとお母さん、一緒にねんね~」と薄暗い毛布の中で顔をつき合わせているときだけが、コウと心が通い合うような気がした。

しかし、こちらの呼びかけには答えようとせず、名前を呼んでも興味がなければ無視。
外へ出ても鉄砲玉・・・
全く、私を意識する様子も見られなかった。
そこで考えた苦肉の策。
「お母さんが手を叩いたら、お母さんのところにおいで」
始めててから1時間以上・・・ようやく私のところに飛んできた。
それ以来、おむつをかえる、お風呂に入る、外へ出るなど、行動の切れ目に手を叩いてコウを呼ぶようになった。
コウはゲーム間隔でそれを楽しんだ。

3歳1ヶ月、少しずつ、私の提供する遊びにも興味をみせるようになるも、時間はあまり続かず、コウのペースにもっていこうとする。

3歳2ヶ月、お父さんが歌っていた「サザエさん」の歌をフルコーラス歌えるようになってから歌に非常に興味を持った。
買い与えた童謡のCDを口ずさみ、3歳3ヶ月頃には、私が歌とともにやっていた手遊びを真似るようになってきた。
3歳4ヶ月、とうとうテレビの体操を一緒に真似るようになった。
これには本当に涙が出た。

会話は、選択肢を与えると、返事ができるようになった。
嫌なことは「いやだ~」と拒絶することを覚えた。

友人関係は悪化。
お友達が近づくだけで激しく嫌がり、私を呼ぶようになった。
私と二人で遊ぶことが多くなり、少しでも外で関わりを持って遊ぼうと、滑り台の階段まで競争したり、滑ってくるコウを下で待ち受けてくすぐってみたり、ボール遊びを試みたり・・・
キャッチボールは相変わらずできないが、なぜか滑り台の上と下でボールを投げあうと、うまくできるようになった。
「よういどん!」も覚え、競争もできるようになってきた。
あれだけ、公園での遊びが長続きせず、ミニカーに砂をかけて遊ぶか、すぐ脱走していたコウが、2時間近く、公園での遊びを楽しむようになってきた。

3歳4ヶ月、特定のお友達とは、見違える進展をみせた。
会話をしようとしたり、要求をしてみたり、抱き合って笑い合ったり・・・
お友達のすることに関心を示し、共感することの楽しさを少しずつ覚えてきたようだ。
また、ようやく両足でジャンプができるようになる。

3歳3ヶ月頃から、創造性も高まり、「見立て遊び」がさかんになってきた。
ミニカーを移動しながら「海へいきま~す。さかなが泳いでるよ~」など、目に見えない情景を想像しながら遊ぶことが楽しくなってきたらしい。
書かせ専門だった絵も、少しずつ、自分の書いたものに意味をもたせるようになってきた。しかしながら、まだ殴り書きにちょっと毛が生えたくらい・・・
レゴや積み木も集中力を持ちながら遊べるようになってきた。
私が作ってあげたものを、一人で再現しようとする姿勢も見られるようになった。

3歳5ヶ月、ようやく療育センターにて月2回のグループ療育に通うこととなる。それと同時に、K学園入園、月2回の母子分離での個人療育を受ける。
集団行動を嫌い、部屋を脱走してばかりの状況が3ヶ月近く続く。
しかし、その中で、絵本や紙芝居が大好きになり、その時間の集中力は素晴らしいものだった。
K学園での個人療育は、本人もすっかり気に入り、担任の先生が大好きになり、通うことをとても楽しみにしていたようだ。
また、育児サークルにも参加。
ここで初めて自分の名前を人前で言うことができるようになった。

3歳9ヶ月、センターで初めてスムーズにトイレが成功したと同時に、苦労をしていたおむつはずれがあっという間に終了した。
これには本当に大感動。
トイレに行くこと自体を嫌う状況であったため、半ば諦めかけていた矢先の出来事だった。

3歳10ヶ月、4月から通った外来グループ終了。
他の4人のクラスメートが卒業する中、コウは外来グループから通園へ切り替わることになった。
理由は、あまりにも集団生活を送ることが難しかったこと。
10月からは週1回、それでも慣れないコウのため、11月からは週2回のクラスに移ることになる。
しかし、そのクラスがコウにはハマッた。
その担任の一人は、療育が始まる前にコウとマンツーマンで遊んでくれた男の先生。
もうひとりは、落ち着いた雰囲気の若い女の先生。
コウはこの2人の先生が好きになった。
そして、ここで行われる手遊びや体操が大好きになった。
集団生活の流れにも慣れ、お集まりも積極的に参加するようになった。

© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: