+紅天の追憶+

+雪+


雪に抱かれて暮れる夜。

絶えず想うのは貴方の事。

ひらひらと舞う粉雪に 想いを重ねて踊り狂う。

雪空は今更で、降り止まない雪が心に吹雪く。

儚い雪片を掴む事さえ出来ない。

――――それだけ私は無力なのでしょうか?

小さく吐いた言の葉は、雪煙に覆われて消えてしまった様。

誰にも届かぬ言葉の様に、貴方へ届く事はないこの想い。

――――ああ崩れて眠ってしまおうか。

目前の絶景は、絶望という闇がぴったりで。

降り積もる雪は溶ける事を知らぬ様。

私の想いも募るばかりで、冷める事はきっとない。

ああ無意味といえど、祈らずにはいられない。

――――最期には散っていい だから今だけでいい 伝わって――――

それが本心なのか、今の私には解りえないけど。

……願った微かな雪間に、貴方の姿を見た気がした。

でもそれは、確かに幻影なのだとは解り過ぎたから……………




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