花夢島~Flower Dream Island~

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序章・夏~涼宮ハルヒの策略


きっと地球最高気温を10度くらい超えているんではないかと思いたくなるくらい暑い。
たまには太陽も時には休暇を貰ってもいいではないか。
とかどうにもならないことを思いながら朝からハイキング気分を味わえるほどの坂を登る。
半年もかよっていれば流石に慣れはするもののこの暑さでは状況も変わる。
しかし其れも今日で一旦終ると思うと気が晴れる。
そう、今日は夏休み前日。
思いかえればこの一学期色々あったものだ。
SOS団なる物に勝手に入団させられたり、同級生に殺されかけたり、宇宙人や未来人や超能力者とであったり、まぁ普通ではない日々を過していたんだ。
しかも其れがどれも……いや、1つを除いてハルヒが望んだからそうなったという事は驚きだった。
そう、過去形だ。俺は今や並大抵のことでは驚かない能力を手に入れたといっていいだろう。
そんな色々あった一学期も今日で終わり午後からは開放されて夏休みを過せる。
good-byeハルヒよ。朝比奈さんと会えないのは少し名残惜しいが無茶な事に巻き込まれないという代償には変えられん━━━とならないことは俺が一番良く知っているだろう。
どうせあのハルヒのことだ。夏休み中3日に一回は呼び出しを喰らう事だろう。
まぁどうしようもない事さ。もう慣れてしまえばどうって事もない。
俺はいつも通り無茶な事をしている団体に地味についていけばいいのさ。
そして俺は教室に入りいつもの席に座る訳だが……
ハルヒが黄昏ている!?天変地異でも起こるのか?お願いだから何もしないでくれよ。と思った。
無論言葉にはしていない。なんとも声をかけづらい雰囲気だったし俺が着ているのに気づいていないようだからそれならそれでいいだろう。つかの間の休息を味あわ得てもらうさ。
「ねぇ、キョン。夏休み何所行きたい?」
気づいてやがった。それよりもやはりSOS団でどこかに行くつもりだったのか。
「別にキョンが2人でどっか行きたいって言うならあたしは別にいいわよ。」
まだSOS団で行く方がいいさ。朝比奈さんもいることだしな。
とりあえずややこしくなりそうなので別にと言っておいた。一番無難だろうよ。下手に刺激したらどうなるか全く想像がつかないからな。
「そんなんだと思ったわ。どうせ場所行っても参考にはしないけどね。」
なら聞くなよ。
「念のためよ。コレもSOS団団長の役目なの。」
まぁいいさ。別に今に始まった事ではない。
「さぁ朝のホームルーム始めるぞ。」
このクソ暑い日に朝から良くそんな声出せるなと思わせるほど元気な声をあげて我がクラスの担任岡部教諭が入ってきた。


~涼宮ハルヒの策略~
今日の授業もすべて終り、夏休み前日と言う事で明日からの予定を教室で立ててる奴、部活が無いので帰ろうとしている奴を後に俺はある場所に向かった。
自然と足が其処に向かう。便利な物だ。
勿論向かった先は文芸部部室謙SOS団本拠地だ。
「入っていいっすか?」
ノック。
何故態々部室に入るのにノックをしているか勿論お解りだろう。
ハルヒが無理やりつれてきた1つ上の上級生朝比奈さんが着替えているかもしれないからだ。
あの人は何時までたっても鍵をかけることを学ばないからな。
「………」
返事は無い。
誰か居るとしたら長門だけだろう。恐らくよく分からないカタカナのタイトルのハードカバーの新刊でも窓辺の長門専用の席で読んでいることだろうよ。
まだ誰も来ていない。俺はハルヒがコンピ研から分捕ってきたパソコンを開いてハルヒしか訪れていないだろうSOS団ホームページの更新でもしようとパソコンの電源を附けた。
カウンタは今だ2桁。開設から半年で今だ3桁行かないホームページなんて怱々無いだろう。
さて、開いたはいいが何をするか。悩んだ挙句アイデアは浮かばず、パソコンの電源を切った。
「………」
その時ドアが開き長門が入ってきた。
無言のまま何時の間にか長門専用となった椅子に座って本を読み出した。その光景がいつも通りでなんとなくホッとする。長門が焦るようなことがあった日には地球は滅亡すると考えてもいいかもしれない。
そして俺はやる事も無いのでいつもの席に座って長門を眺めていた。
かれこれ30分くらい立っただろうか。流石に誰も来ないので今日はSOS団休みだったか?とか疑問が頭によぎり始めた頃ノックの音がした。
恐らく古泉だろう。またいつも通りのあの微笑を浮かべた顔で入室してくるんだろう。
予想は1つはあたり1つは外れた。
入ってきたのは確かに古泉だった。
だが古泉の顔はいつもの微笑を浮かべた顔ではなく深刻な問題が起こったときに浮かべる真面目な顔をしていた。
「大変な事になりましたよ。」
何ガだ?どうせ碌な事ではないんだろう。
「それが……涼宮さんと朝比奈さんがさらわれました。」
驚いたぜ、朝比奈さんはともかくハルヒを誘拐するなんて、何て命知らずだろう。
「どうせまた『機関』とやらの御力で助けてくれるんだろう。」
そうさ、俺なんかが出向いても何も出来ることはないしハルヒもいるから大丈夫だろう。
「それが……今回はその誘拐犯が機関の上部の人間なんですよ。僕等には勿論警察も何も出来ません。僕たちで助け出さなければならないのですよ。」
オイオイ、愈々機関が強硬手段に出たか……
となると一大事だな。犯人の行き先などの目星はついているのか?
「はい、大体行きそうな場所は何箇所かわかります。」
「なら早く行くぞ。長門、おまえも来てくれ。」
長門は俺の顔をほんの少しだけ見つめ肯定のサインを示した。
「それにしてもずいぶんと落ちついていますね。」
当たり前だ。こんなときに逆に慌てていたらかえって何も出来ないからな。
それに俺にはどうにも裏が有りそうな気がしてならないが此方は言わない事にした。
「確かにそうですがもう少し慌ててもいいような気がしたんですが。」
そんな事はどうでもいいだろう。
そりゃ少しは慌てたさ。ただ其れを心に留めておいただけさ。
それよりも早く行くぞ。
「解りました。では行きましょう。」
かくしてこの突然の怪しすぎる誘拐事件を解決&ハルヒと朝比奈さん救出に向かった。

まずは2人がさらわれたらしき場所まできた。
其処は朝比奈さんにある告白を受けた場所だ。
念のため愛の告白ではないという事は行っておこう。
それにしてもおまえの目の前でムザムザとさらわれたのか?
「仕方ありません。前にもいいましたが僕は普段は普通の高校生なのですよ。貴方だったら拳銃を持った誘拐犯に太刀打ちする勇気と度胸はありますか?」
いや……多分無いが……
それよりも何故おまえだけを逃がしたのか、其処が一番の重要性をもったポイントだろう。
俺でも思いつくのは2つ。
1つはどうせ何もおまえにはできはしないと機関の幹部が思った。
俺としてはコレであって欲しい。
2つ目はこの誘拐じたいが機関のでっち上げという事だ。
結果としてはコレが一番いいのではないだろうか。
恐らく有力なのは後者であろうがたとえそうでもコイツはシラを切り通しそうなのでもう少し立ってから行ってみる事にしよう。
「ここで後ろからベンツが走ってきて2人が……いや正確には朝比奈さんを引き込もうとして涼宮さんがそれを止めようとしたら一緒に引き込まれたという訳です。」
ハルヒはついでか。それよりももっと気にする点があるだろう。ベンツだと?ベンツに乗っている奴が態々誘拐をする意味がわからん。
「さぁ、僕にも解りません。一体何の為なのでしょう。」
俺が知るわけないだろう。俺から聞いたのに聞き返すな。
それよりもこの誘拐が事実なのかだけでも確認しておこう。
「長門。もしかしてこの誘拐事件、すべてハルヒの退屈しのぎのために機関が遣った物か?」
「違う。」
そうか、じゃあ一刻も早く2人を見つけたほうがいいな。
「その必要もない。2人は無事。情報統合思念体はこの事件は全くの無害だと解釈している。」
ってことは機関が何かの理由のために行ったことなのは間違いないんだな。
「そう。」
ってことだ古泉。理由を教えてくれ。
「やはり長門さんは気づいていましたか。ああ、この誘拐事件の理由でしたね。実はこの誘拐事件はハルヒさんのアイデアなんです。」
「なんだって?ハルヒが……?」
「ええ、何でも涼宮さんがさらわれたときの貴方の反応が見たいと言い出しまして、僕に相談してきたんです。それで僕の知り合いに協力してもらうという事になったんです。」
「それでこんな迷惑な事を……」
「えぇ、後ハルヒさん怒ってますよ。貴方の反応が余りにも素っ気無いということで。」
んな理不尽な。まぁハルヒらしいといえばそうだがな。
「それよりも早く2人のトコに連れて行け。」
「解りました。では学校に戻りましょう。」
学校かよ。最初から長門に聞いて置けばよかった。コレでは何の為にでてきたか解らないぞ。
まぁ仕方なく俺たちは学校に戻った。
そしてSOS団本拠地である元?文芸部部室に戻るとハルヒが怒ったような顔でお茶を飲んでいた。
傍にはいつものメイド服でお茶を入れている朝比奈さんがいた。
俺も早くお茶を貰う事にしよう。
そう思いお茶を貰おうとすると俺のコップだけが無かった。
「今日はお茶飲ませないから。解った?」
ハルヒ怒った顔。ちと恐いので一応従っておこう。
今は反論する気にもなれないしな。
とりあえずまぁコレはコレで良かったのかもしれないな。
実際に誘拐事件が起こったわけではなく、まぁそれなりに新鮮で楽しめはできたしさ。
明日からは夏休みだし、合宿はやはり何時の年になっても少しは楽しみな物だ。
俺はハルヒと出会えて色々貴重な経験をできて良かったのかな。
まぁそんな事はどうでもいいのさ。
俺はこいつらの無茶苦茶な行動に後ろからついていけばそれで万事OKさ。
知らぬ間に鍵になってるらしいがそんなもんは知らん。
今を楽しめればそれでいいのだろう。
「ハルヒ、有難う。」
「……?何、急に。何か気持ち悪いわよ。」
といいつつも何か嬉しそうな顔に変わった瞬間を俺は見逃さなかった。
「で、俺のコップはどこにあるんだ?」
「教えないわよ。自分でさがしなさい。そうした方がお茶も飲みがいってもんが生まれるでしょ。」
こんな狭い部室を探して見つけたぐらいではそんなもんは生まれないだろうがまぁ自分で探す事にするよ。
そのほうが面白そうだしな。
そしてさがし続けたがなかなか見つからず諦めかけた頃朝比奈さんがお茶を差し伸べてきた。
そのコップには俺の名前が刻んであったのは言うまでもあるまい。
流石にアレだけさがすと飲みがいが生まれたね。
まぁ色々忙しい日だったがこの朝比奈さんが入れてくれたお茶ですべてがチャラになった。
流石と言うべきであろう。
そして今日はその後古泉と一緒に暇つぶしのオセロゲームを遣っていた。
それにしてもコイツはわざと負けているのではないかと言うくらい弱い。
一度ハイレートで勝負してみようか。きっとぼろ儲けできるだろう……と流石に非人道てきなことはしない。
そして下校時刻。
すっかり校舎には俺たち以外の人影は見当たらずいつも通りSOS団そろって途中まで集団下校する事になった。
コレも今日で一旦オサラバかと思うと少し妙な気持ちになったがどうせ遭う事になるであろう事からあまり考えはしなかった。
そしていつもの場所で解散という普通では無い日常は普通に終っていった……と思ったが何故ハルヒがついてきている。
コイツは此方の道だと遠回りになるのではなかったのか!!?
「ねぇ、キョン。今日の事だけどさ。」
今日のこと?あぁ、あの誘拐事件もどきか。
「どう思ってた?最初聞いた時。」
どうってやはり心配したさ。誰だって知り合いがさらわれれば心配ぐらいするだろう。
「そう。ならいいわ。じゃああたしこっちの方が速いから。」
そういって漸く一人での帰宅路につけた。
最期のハルヒの言動が気になるがまぁどうでもいいことさ。今は暖かいベッドにインできれば問題は無い。
そして俺は予告どおり帰宅直後にベッドインした。
次に目を覚ますのは妹が御飯の知らせだといい俺の上にダイブしてくる時だろう。
その時まで寝かせて貰うぜ。別にいいだろう。色々あったんだから、今日ぐらい……


「キョンくんー、ご飯ー!」
ぐっ。お願いだからダイブは止めてくれ、疲れた体にそれ程堪える物は無い。と言った時には既に妹は1階に降りていると言うなんとも手際のよさに感嘆しつつ俺も降りていく。

何時の間にかこんな日が何時までも続けばいいと思っていた。
そう、思っていたんだ。




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